サラリーマン考

気楽な稼業

昭和の頃、「サラリーマンは気楽な稼業ときたモンだ♪」という歌がありました。
確かにその通りだと思います。

私も30年近くサラリーマンをやりましたが、基本お気楽ですね。
正直、ほぼ何も考えずに生きていて、人生破綻しませんでしたから。
ゆるく生きることの選択肢に、サラリーマンはありだと思います。

組織に属する事の最大の利点

フリーランスになると、サラリーマンと違って雑多な仕事が増えると言われいます。
たとえば、確定申告をしなくてはいけないとか。
でも、こんなのは大した問題ではありません。
確定申告などエクセルシートひとつ準備して、毎月データを入れるだけですからね。

サラリーマンと違って一番大変なのは、事業計画を自分で考えなくてはいけないことです。
フリーランスは、常に世の中の情勢を見極め、今の食い扶持がキープできるのか、できないのなら他に食い扶持はないのかを考え続けなければならないのですね。

ところが、サラリーマンはこれを考える必要はありません。
なぜなら、こんなことは組織の誰かが考えてくれるから。
あとは、そのレールに乗っかって毎月お給料をもらえばいいのです。

事業に対して責任なし

勿論、事業企画部といったセクションに所属すれば、それなりに組織の食い扶持とやらを考えなくてはいけません。
まぁ、それが事業企画部のタスクですからね。

でも、それでも、考えた事業計画に対して責任を負うことはありません。
たとえその計画が失敗したとしても、従業員が負債を抱え込むことはないですからね。
計画が成功しようが失敗しようが、タスクさえ約束通りに実施すれば毎月決まっただけのお給料をもらうことができます。

というか、もっというとタスクを約束通りにこなす必要すらありません。
決められた時間に決められた場所に行って、言われたことをするだけです。
タスクの成否とお給料は無関係です。
うまくいってもいかなくても、決まった額のお給料は支払われます。

サラリーマンは時間を売っている。

ということでサラリーマンとは、なんともお気軽な立場ですね。
一般企業でもそうですから、これが公務員だったら組織の食い扶持など誰も考えてはいないのではないのでしょうか?
つまりは、何も考えなくても安定した人生を送れるということです。

その代わり、サラリーマンには自由がありません。
週で40時間、組織に拘束されます。
また、住む場所もたいていは自由になりませんね。
いざとなれば、 辞令ひとつで中国の山奥の工場に出向せねばならない身分です。

やはり、自由と安定はバーター関係にあるということですね。
サラリーマンは時間と居住地の自由を売ることで毎月決まったお給料を得ている、これが本質だと思います。

当事者意識のズレ。

よく、従業員でも当事者意識、つまり経営者の立場でで物事に取り組めという人がいます。
ぶっちゃけ、何言ってるんだろうって思いますね。
経営者の意識が必要なのでは、サラリーマンやる意味ないですよ。
なんのために、貴重な自由を切り売りしているんだって感じですね。

てか、従業員側の当事者意識で考えるならば、できるだけ仕事はせずに給料もらうが正解です。
なぜなら、これこそが実質的な時給アップですからね。
人生は誰のものでもない、自分自身のモノ。
組織の効率あげるヒマがあったら、自分の効率をあげたいです。

ということで、使う側と使われる側は二律背反の関係です。
そして、従業員側がやる気を出すとすれば、これは昇進と昇給しかありません。
つまり、出世がサラリーマンの唯一のモチベーションということですね。

出世が期待できない組織は厳しい。

なので、先が見えた中高年社員が消化試合モードになるのは、ある意味健全な事です。
そして、そうなるのはポストが準備できない会社に責任がありますね。
それを、社員のせいにしたところで、まったくナンセンスなだけだと思います。

会社というのは、常に成長していないとダメなのですね。
出世が頭打ちの組織は厳しいです。

それでも、消化試合ができれば、まだ所属する意味あると思いますけれど。
ところが昨今は、経団連や大企業のお偉いさんが終身雇用の終わりを言及していますね。
実際、微妙だと思います。
サラリーマンの唯一かつ最大のメリットである安定がなくなったら、サラリーマンなんてやる意味ないですからね。

この終身雇用の話題についてはネットなどを見てみても、解雇規制の緩和といった悲観的なモノからただの観測気球といった見方まであって、その真意については混とんとしているようですけど、正直、組織がそれを言ってはお終いよと思います。

いずれにしても、こんな無責任な会社組織とやらに馬鹿正直に忠義を尽くす必要はないですね。
会社の仕事などほどほどに、それよりも自分の人生を豊かにする方にリソースを集中するべきだと思います。

仕事

Posted by webiker