ぼくが生きている、ふたつの世界を観てきました。

2025年2月16日

ぼくが生きている、ふたつの世界を観てきました。
とあるコーダの実話をベースにした物語です。
まずは、主役の吉沢亮さんに圧倒されましたね。
とてもよい映画で、DVDを買って定期的に鑑賞したいと思っています。

吉沢亮さんが秀逸でした。

ぼくが生きている、ふたつの世界を観てきました。
とあるコーダの実話をベースにした物語です。
ほのぼのとした、親子の情愛がつづられた映画でした。

それで、まずは主役の吉沢亮さんに圧倒されましたね。
すばらしい存在感と雰囲気で、一気に作品世界に引き込まれます。

吉沢さんは、大河ドラマの青天を衝けでしか知らなくて。
ぶっちゃけ、青天での彼にはそれほどの感動がなかったのですが。
本作は、とてもよかったですね。
なんか、別人という感じですらありました。

NHKあさイチのプレミアムトークで、菅田将暉さんが彼について語っていました。
亮は、あんなに端正なルックスなのに、カッコ悪い雰囲気を出すのが上手だと。
まさに、このコメントに集約されると思いますね。
この人は、冴えない役をやらせたら、本当に天下一品です。

吉沢さんはルックスが端正すぎるゆえに、このような役どころのほうかバランスが取れるのかもしれません。
本作では、ふとした折にでる祖父譲りのやけっぱちな雰囲気なども、とても素敵でした。
等身大な青年の役を、本当に好演していたと思います。

他の役者さんもすばらしいです。

もちろん、他の役者さんたちの演技もすばらしいです。
特に、お母さん役の忍足亜希子さんには泣かされましたね。

お話が始まる1984年は、まだまだ昭和の真っ盛りです。
ろうあ者同士の結婚もアリとはいえ、まだまだマイナーな存在だったでしょう。
そんな時代の雰囲気も、スクリーンからじんわりと伝わってきます。

そのような中で、ろうあ者としての覚悟を内に秘め、ただただ息子に愛情を注ぐ。
切ないことや辛いことがあっても、やわらかく受け止めて。
そして、いつも息子を信じて肯定し続ける。
その母としての懸命さに、胸が熱くなるばかりでした。

なにげなく息子の背中を押すお父さんや、荒削りな愛情を注ぐおじいしゃんもよかったですね。
主人公の大が、元ヤクザのおじいちゃんになついているトコロも、妙にリアルです。
結局、この映画はどこにでもある家族の物語なのですね。
そして、単に主人公がコーダだったという作品構成が秀逸なのでした。

制作者の良心が感じられる作品でした。

本作からは、コーダはなにも特別なモノではないという、製作者の良心が感じられます。
たとえば、作中における主人公の成長過程は、我が家の息子とそっくりで。
コーダ云々を前提にすること自体に意味はないと、そう思わせてくれる映画なのでした。

そして、家族の幸せの一瞬一瞬が、とてもよく切り取られていましたね。
母親と小さい息子が、お手紙ごっこをするところ。
家族で釣りに行ってワカメを吊り上げるところ、喫茶店でパフェを食べた想い出。
母と息子が街でスーツを買うシーン、その帰り道での会話。

これらひとつひとつのシーンにおけるアングルや、光の加減が印象的です。
私も、今の家族のことや、かつての母とのやり取りを思い出しました。
どの家族にも、それぞれに悩みや課題はあると思います。
それでも、このような一瞬の幸せがあるから生きていけるということを再認識しました。

とにかく、癒されて泣かされて、心が整う良作です。
この映画は2~3回といわず、定期的に鑑賞したいですね。
もし、DVDが発売されたら、ぜひ入手したいです。