瞳を閉じて、時をかけるテレビの夜に

NHKの番組で、ユーミンの瞳を閉じてが取り上げられていました。
この歌が、ある高校の校歌として作られたと、番組を観てはじめて知りました。
美しい長崎の離島、そこを離れる者、残る者、そしてユーミンとの出会い。
番組を観て、ひさしぶりに胸が熱くなりました。

72時間のあとの、時をかけるテレビです。

金曜日、なにげなく観ていた72時間のあとにはじまった、NHKの時をかけるテレビ。
そこで、ユーミンの瞳を閉じてが取り上げられていました。
この歌は、とある高校の校歌として作られた曲とのことです。
恥ずかしながら、この番組を観るまで知りませんでした。

長崎の奈留島という離島に住む高校生の女の子が、ラジオの深夜放送に送った一通の手紙。
それがきっかけで、できた一曲。
離島の分校では本校の校歌が歌われていて、彼女は分校オリジナルの校歌が欲しかったとのこと。
それを、おもしろいと感じたユーミンが書き下ろしたのが、瞳を閉じてなのですね。

番組は、曲ができた1976年の新日本紀行からはじまりました。
ユーミンは、まだ荒井由美です。
新日本紀行は、瞳を閉じてをキーに、島を出る若者、残る若者の情景を伝えていました。

ユーミンの涙に、胸が熱くなりました。

新日本紀行のあと、時をかけるテレビは、1988年に放送された九州特集という番組になります。
瞳を閉じてができて12年後、この曲が音楽の教科書に掲載されたのですね。
それを記念して、あの時の高校生たちが母校に記念碑を送るというお話でした。

島を離れた者、残った者同士が連絡を取り合い、寄付を募ってできた記念碑。
碑に刻まれた瞳を閉じての字体は、ユーミンの直筆です。
そして、除幕式の日、なんとユーミンが島にやってくるのですね。

1988年のユーミンは誰もが知るビッグネームですが、スケジュールを割いての来島が感動です。
そして、除幕された記念碑に涙するソバージュの彼女をみて、私も胸が熱くなりました。

「本当に音楽をやってきてよかった」と、除幕式の挨拶で語るユーミン。
ユーミンは、長らくイケイケのお姉さんというイメージでしたけど。
実際は、謙虚で真摯に音楽と向き合う、真面目な女の子なのですね。
彼女らしいピュアな愛おしさに、とても感動しました。

あらためて、偉大な人だとリスペクトしました。

いま、ユーミンは、AIを駆使した創作に取り組んでいるようです。
AIでつくった自身のクローンとの共演、実に彼女らしいですね。
古希を迎えても衰えないその好奇心に、ただただ驚くばかりです。

ちなみに、最初は自分の曲を学習させたチャットGPTに作曲をさせたそうです。
しかし、新鮮味がなくて失敗だったようですね。
「人の心を動かすのは人だと確信した」という凄味のあるコメントに、ただただ圧倒されました。

そして、いつまでも好奇心を大切に、心が動いたトコロにすぐに飛んでいけるように。
そのためにも健康第一で、とてもストイックな生活を送っているとのこと。
やはり、ユーミンは半端ないと、あらためてリスペクトです。

瞳を閉じて

風がやんだら 沖まで船を出そう
手紙を入れた ガラスびんをもって

遠いところへ行った友達に
潮騒の音がもう一度 届くように
今 海に流そう

遠いところへ行った友達に
潮騒の音がもう一度 届くように
今 海に流そう

霧が晴れたら 小高い丘に立とう
名もない島が 見えるかもしれない

小さな子供にたずねられたら
海の碧さを もう一度伝えるために
今 瞳を閉じて
今 瞳を閉じて