あいつとララバイ、再び

2025年2月16日

友人ととあるSNSで、あいつとララバイ話で盛り上がりました。
やはり、この作品のファンは多いですね。
本作については、以前にもこのブログで取り上げています。
前回は登場人物への想いを書いたので、今回はストーリーについて書きたいと思います。

あらためて読み直してみました。

友人ととあるSNSで、あいつとララバイ話で盛り上がりました。
あらためて、本作のファンは多いことを実感しましたね。
本作については、以前にもこのブログで取り上げています。
前回は登場人物への想いを書いたので、今回はストーリーについて書きたいと思います。

ちなみに、現在手元にあるのは沢木の章が始まる12巻からです。
数年前にkindle版を購入したときに、取りあえずここからって感じで揃えました。
実家には1巻から北海道編まで揃っていますが、今回は沢木の話から書いてみたいと思います。

今回、3年ぶりに読み返してみて、本作はエピソードの構成も巧みなことに気づきました。
時代の変化にあわせつつ、不良抗争編と公道バトル編、そしてラブコメが交互に登場します。
ですので、飽きずに読み続けることができるのですね。

それで、この研二クンにBikeを教えた沢木の話は、不良抗争編の締め括りになります。
本作の連載がはじまった1981年は、まだまだツッパリや暴走族がメジャーな存在でした。
積木くずしというドラマが流行り、近藤マッチがハイティーンブギを歌っていた頃ですね。

しかし、そこから数年で、これらの風潮は下火になります。
そして、時代の変化にあわせ、あいつとララバイも路線変更になったのでしょう。

この話で、旧世代の準レギュラーであるヒロシや本牧レディは事実上の引退となりました。
そして、恭介はキャラ変更されることで、最終話まで登場するコトになります。
この、実に巧妙なストーリー展開には、思わず唸ってしまいました。
楠先生には、とても優秀な編集スタッフがついていたのだと、個人的にはそう思います。

この話を読むと、あらためて沢木にシンパシーを感じますね。
一番の理由は、沢木のクセであるステップへのつま先立ちです。

実は、私もつま先立ちだったりするのですね。
沢木のスタイルが自分と同じであることに、妙なうれしさを感じます。
このあたりは、オートバイ乗り特有の感慨かもしれないですね。

北海道編を経て、リアルな公道バトル編に移ります。

沢木のあとは、カオリのラブコメ話で閑話休題。
恭介との首都高逆走バトルを経て、場所を変えての北海道編がはじまります。
しかし、この首都高逆走バトルというのもすごい話ですよね。

個人的には、最も好きなバトル話ですが、今なら炎上必須でしょう。
「どれだけハートが熱くなるか…」で済まされた時代が、とても懐かしいです。

北海道からマキオまでの原宿テディボーイスが、不良抗争編から公道バトル編への過渡期。
このあたりまでは、まだノーヘルの人が多数登場します。
それにしても、死神ライダー赤木は、あいかわらず格好いいですね。
2st乗りの端くれとして、グッとくるモノがあります.

マッハに死神を結びつける楠先生のセンスが冴えわたっています。
本当に楠先生は、クルマオートバイがメルヘン的に好きなのですね。

そして、このあとの水曜日のシンデレラで、ララバイは公道バトル編に路線変更を果たします。
SRX-6を駆る爽やか大学生の早瀬クンが登場して、いよいよバブル期に突入という感じですね。

シンデレラと勝負がついたあとは、友美ちゃんといっしょの沖縄編です。
この沖縄編は、かつての不良抗争編への回帰ですね。
この、三歩進んで二歩下がる的なエピソード構成が、本当に秀逸だと思います。

沖縄編といえば、やはりこのカットですね。
嘉手納のあたりの雰囲気が、本当によく表現されています。
楠先生は、北海道に行かずして北海道編を描いたそうですが、沖縄はどうなのでしょうか。

沖縄編は、とてもハードボイルドなお話です。
それに、研二クンや友美ちゃんのキャラが、とてもよい感じに融合していますね。
ララバイ話で盛り上がった友人は、この話が一番好きだと言っていました。

そして、沖縄のあとは、公道バトル編のクライマックスである首都高キング編です。

このキングが醸し出す、速いヤツオーラがたまりませんね。
楠先生の画力には、あらためて驚くばかりです。

そして、このキング編はキリンの世界観に通じるモノがありますね。
これはこれで、沖縄編とはまた違ったテイストのハードボイルドだと思います。

キングは、最後まで素顔を出さないのもシブいです。
ラストシーン、片手をあげて渋滞の中に消えていく様が、またなんともですね。

劇中、研二クンと引き分けたのはキングだけです。
ララバイで最速の漢はキングだと、個人的にはそう思いますね。

やはり、星屑兄弟の話が一番好きです。

キングとバトルしたあとは、皆川るみ子ちゃんとのラブコメで一息です。
このあたりから、研二クンは追う立場から追われる立場になるのですね。
そして、私が一番好きな星屑兄弟の話になります。

星屑兄弟は、ララバイで最初で最後的に、事故死について向き合ったエピソードですね。
これまでと違って、根底に切なさや悲しさが漂っているお話です。

あらためて読むと、ボンバーの親父と井田さんの会話がよいですね。
オートバイという趣味の本質について、いろいろと考えさせられます。
そういう意味でいうと、とても真摯でマジメな話のようにも思えますね。

もちろん、そこに研二クンのキャラが良い感じでミックスされて。
切ないながらもまた前を向いて歩いていけるような、そんな気持ちにさせてくれるエピソード。
バトルの最後はエンジンブローというのも秀逸です。
そして、ラストシーン、この爽やかな研二クンの見開きが泣けますね。

ということで、個人的にはこの星屑兄弟で実質的なエンディングです。
そのあとの、不良抗争回帰版のようなニューヨーク編も悪くありませんが。
研二クンがサーキットでレースするようになったら、物語はお終いでしょう。
ラストシーン、横浜をバックにした研二クンと友美ちゃんとZⅡが、素敵すぎます♪

ちなみに、私はララバイのラブコメ部分も好きです。
その観点ならば、研二クンと友美ちゃんより、恭介とじゅんですね。

北海道編のこのシーン、夕陽をバックにした恭介の後ろ姿がシブです。
このあと、じゅんの告白シーンと続いて、ラブコメ的にはここが一番好きですね。
というか、やはり恭介は良いです。そもそもが、ドカ乗りですしね。

ということ、ララバイを語り始めると、いくらスペースがあっても足りません。
そして、令和の今、読み返してもおもしろいのがすごいですね。
いつでもどこからでも読めるように、近々、kindle版で全巻を揃えようと思います。