私スキやバブルは遠くなりにけり。
ひさしぶりに、私をスキーに連れてってを観ました。
40年近く前に作られた不朽の名作は、あいかわらずおもしろかったです。
そして、自分にとってバブル時代とは何だったのか、いろいろと考えてみました。
職場の上司からDVDを借りました。
ひさしぶりに、私をスキーに連れてってを観ました。
この映画、最近YouTubeでダイジェスト版のような動画が頻繁に流れてきます。
それで、あらためて通して観たいと思っていました。
ところが本作、どの動画配信サービスをみても、配信はされていないようです。
そんな話を職場でしたら、同い年の副所長と【私スキ】の話でとても盛り上がりました。
そして、彼が持っているDVDを借りて、本作をたのしむことができたのでした。

ちなみにこの映画、リアルタイムでは観ていません。
当時、購読していたビックコミックスピリッツで、その存在は知っていました。
ただ、見栄講座といった、おもしろくも取るに足らない本を出すようなホイチョイの映画です。
たぶん、軽薄の極みで観るに堪えられないような代物なのだろうと、食わず嫌いだったのでした。
その後、なにかの折で観てみたら、とてもマトモな映画でびっくりです。
そして、存外におもしろくて、以来、本作品のファンなのでした。
ただ、ひさしぶりに観ると、やはり封切から40年という年月を感じる部分は多分にありますね。
まず、カップルをアベックと言ってしまうのは仕方ないとして。
例えば、文男(三上博史)の上司や、そのまた上の取締役は、普通にパワハラ野郎ですし。
ヒロコ(高橋ひとみ)がバニーガールの格好なのも、今となってはジェンダー的に微妙ですね。
優(原田知世)に対する文男(三上博史)の態度も、どこか亭主関白的です。
また、優が着ている服が、実にバブリーですね。
もちろん、それをサラリと着こなしてる知世ちゃんはさすがですけど。
さらに、全編においてクルマの運転が粗すぎるのにも時代を感じました。
そして、一番に40年の月日を感じるのは、あのスキーに行くときの高揚感ですね。
この映画は、あのなんともいえない高揚感が、とてもよく表現されていますけど。
でも今現在、たかがスキーに行くのに、あそこまで高揚するかなと思ったりしたのでした。
バブル期は、決して豊かな時代ではありませんでした。
本作は、当時のしみったれ日本映画を一新する意気込みで作られた作品だったと記憶しています。
とはいえ、どうしても、当時の日本社会のしょっぱい部分が顔を出してしまうのでしょうね。
バブル期は豊かで華やかだったというイメージがありますが、決してそんなことはなく。
本作が公開された1987年頃は、まだまだ日本は貧しかったと思います。
当時は、戦前から戦中にかけてのダサくて貧乏臭いモノが、まだまだ巷に溢れていました。
個人的には、それらと決別する最終決戦の時代だったように思いますね。
豊かなようで、でも豊かになり切れていなくて。
そして、その豊かさとやらに対して、腹を空かせたライオンのようにもの凄くハングリーで。
もう、すべてがアグレッシブだったバブル時代。
それが、作中のパワハラ上司やクルマの運転の粗さに滲み出ているのかなと、そう思いました。

冒頭の、小洒落たロッジで仲間とパーティーしながらのスキーツアーシーン。
今となっては、どうってコトないシーンですが、昭和の頃はあれが憧憬でしたね。
そんなバブル期を懐かしく、そして愛おしく思い返しながら、映画をたのしみました。
私スキは、不朽の名作です。
とはいえ、そのような些末なツッコミとは別に、あいかわらず映画自体はおもしろいです。
わかりやすい勧善懲悪、志賀万座ルートの伏線回収、そして奥手な男女のかわいいラブロマンス。
結局のトコロ本作は、映画としての骨格のようなモノがシッカリしているのですね。
ですから、40年経っても色褪せないおもしろさがあるのだと思います。
文男のカローラⅡリトラも、何度も観ても格好いいです。

ぶっちゃけこのクルマは、それほど魅力的な車両ではありません。
それが、とても素敵にみえるあたりもまた、本作がマジメに作られたコトの証左なのでしょうね。
そして、ラブコメ好きとして一番にお気に入りなのは、やはり前半のクライマックスです。
文男が万座から5時間クルマを飛ばして、志賀高原の優に会いに行くシーン。

ユーミンのA HAPPY NEW YEAR、新年の花火が鳴る音。
そして、優の「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」のセリフ。
何度観ても良いですね。
というか、もはやヘビロテ状態です。
日本映画史上、類稀なる普遍的傑作シーンであるコトを再確認しました。

というコトで、やっぱり私スキ大好きです。
そして、エンディングのスキー天国サーフ天国を聴きながら、つくづく思いました。
私スキやバブルは遠くなりにけり。





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