Microsoft Office 2019 について

Microsoft Office のセットアップオペレータをしています。
そんな、プロの私がご案内する、Microsoft office 2019 のイロハです。

Microsoft office 2019 は、現行の永続版タイプのOfficeです。
2016同様、こちらもいろいろなバリエーションがあり複雑です。
この記事では、その複雑なバリエーションをできるだけ簡潔にまとめてみました。
再セットアップなどの一助になれば幸いです。

メインストリームサポート中の製品です。

Microsoft Office 2019 は、2018年9月に発売されたモデルです。
エディションは、以下の通りです。

エディション入っているアプリ対応OS
PersonalWord Excel OutlookWindows10
Home & BusinessWord Excel Outlook PowerPointWindows10 / MacOS
ProfessionalWord Excel Outlook PowerPoint Access PublisherWindows10
Professional AcademicWord Excel Outlook PowerPoint Access PublisherWindows10
Home & StudentWord Excel PowerPointMacOS
Academic for MacWord Excel Outlook PowerPointMacOS
アプリ単体Windows10 / MacOS

Academic版は、教職員・学生向けのエディションです。
購入の際は、その旨の証明が必要になります。

一番のポイントは、Windowsは10のみに対応というところですね。
8.1以前のWindowsでは使えませんので、注意しくてください。
ちなみにMacOSは、Big sur、Catalina、Mojave に対応しています。(2021/2/8現在)

また、パッケージ版のHome & Business とアプリ単体版は、WindowsとMacの両方で使えます。これは、他の永続版にはない、2019特有の仕様です。

なお、AndroidやiOSには対応していません。
スマホやタブレットでOfficeを使うには、別途Office365を契約してください。

次に、サポート期間は、以下の通りです。

  • ライフサイクル開始日:2018年9月24日
  • メインストリームサポート終了日:2023年10月10日
  • 延長サポート終了日:2025年10月14日(Mac版を除く)

メインストリームサポート中の製品なので、電話でサポートを受けることができます。
インストールのサポートは無償、その他についても保証期間中なら無償です。
保証期間をすぎている場合は、以下のいずれかの有償契約が必要です。

  • Assure テクニカル サポート:10,405円/年
  • プレミアム テクニカル サポート:3,000円/回

要は、年間契約なら10,405円、一回だけなら3,000円ということですね。
契約は、マイクロソフトアカウントにクレジットカードを登録して電話で行います。
※2021年10月28日をもって、Assureテクニカルサポートは販売終了になりました。

なお、保証期間は、Office導入後から30日間になります

また、延長サポートまでの間は、更新ファイルが提供されます。
よって、2025年10月14日までは、セキュリティの心配なく使用できます。
ただし、延長サポートのない 2019 for Mac は、残念ながら例外になります。

Microsoft Office 2019 は、大きく4種類あります。

それぞれのエディションごとに、大きく4種類あります。
種類によって、セットアップなどの内容が大きく異なります。
セットアップの際は、どのタイプになるのか、よく見極める必要があります。

それでは、以下に違いをまとめます。

PIPC版法人向けPIPC版POSA版ダウンロード版
形態プレインストールプレインストールパッケージ版パッケージ版
購入PCバンドルPCバンドルPCとは別購入PCとは別購入
プロダクトキーのカード二つ折り
Officeの文字がオレンジ
二つ折り
Officeの文字がグレー
上部にフック穴が開いた一枚もの(なし)
マイクロソフトアカウント紐づけされる紐づけされない紐づけされる紐づけされる
ライセンスバンドルされていたPCのみバンドルされていたPCのみ利用者:1人
PC:2台まで
利用者:1人
PC:2台まで
PC移し替えできないできないできるできる
再セットアップここからここからここからここから
プロダクトキー紛失アカウントでセットアップ買い直し
※条件により再発行可能
アカウントでセットアップアカウントでセットアップ
アカウント失念買い直し
※条件により調査可能
プロダクトキーでセットアップ買い直し
※条件により調査可能
買い直し

かなり入り込んでいまずが、最大のポイントはプロダクトキーのカード形状です。
特に、PIPC版は、カードの表紙にかかれたOfficeの文字色がポイントになります。
まずは、これでしっかり切り分けをしてください。

次に、違いについて詳しく解説していきます。

プロダクトキーのカード

あらためて、Microsoft Office 2019 のプロダクトキーカードは、以下の通りです。

  • 二つ折りタイプ
  • 上部にフック穴の開いた一枚もの

二つ折りは、プレインストールモデルです。
上部にフック穴は、家電量販店から購入したパッケージ版です。

ちなみに、同じパッケージ版でも、ネットショップからのダウンロード版には、プロダクトキーカードはありません。
プロダクトキーは、ショップからの購入確認メールに記載されています。

そして、これら以外の場合は、非正規品である可能性が高いです。
たとえば、DVDにプロダクトキーやIDのメモがついているといった製品ですね。
正規のMicrosoft Office 2019 に、DVDディスクが付属するモノはありません。

また、パッケージ版の中には、アカウントに紐づけできないモノもあります。
よく調べてみると、法人向けPIPC版の横流しだっりします。
ヤフオクなどで、900円前後で販売されていることもあるようです。

もちろん、そのような製品は、正規のサポートは受けられません。
どうしてもというときは、購入したところに相談です。

マイクロソフトアカウントへの紐づけ

セットアップにあたっては、ここが最重要です。
切り分けは、プロダクトキーのカード形状になります。
具体的には、以下の通りですね。

  • 二つ折りタイプでOfficeの文字がグレーのモノは、アカウントに紐づけされません。
  • それ以外は、アカウントに紐づけされます。

紐づけタイプとそれ以外では、セットアップ方法が全く異なります。
セットアップの際は、プロダクトキーの形状で、タイプをよく確認してください。

ライセンスとPC移し替え

こちらは、プレインストール版かパッケージ版かで大きく違います。
まずは、プロダクトキーのカード形状で、しっかり切り分けをしてください。

プレインストール版は、バンドルされていたPCでのみ使えます。
他のPCにインストールすることはできません。
その旨、プロダクトキーのカードにも書いてあります。

厳密には、インストールはできるのですが、起動すると上限エラーになります。
要は、使用台数オーバーのエラーですね。
たまに、納得できないという問い合わせもありますが、できないものはできません。

それに対して、パッケージ版は2台のPCにインストールすることができます。
そして、PCを移し替えることも可能です。
たとえば、AとBの2台のPCで使っていて、そのうちのAをCに替えることができます。

もちろん、このときも上限エラーがでるので、電話認証になります。
マイクロソフトに電話をしてその旨を伝えれば、認証をしてくれます。
そういう意味では、パッケージ版は自由度が高いですね。

ただし、パッケージ版の利用者数は一名です。
たとえ、親子や兄弟でも、二名以上での利用は許されません。
大学生の娘と使うと申告した時点でサポート打ち切りになりますので、注意してください。

初回セットアップ

紐づけされるタイプかどうかで、大きく異なります。
切り分けは、プロダクトキーのカード形状で行います。

紐づけタイプ

まずは、Officeを紐づけ(=登録)するマイクロソフトアカウントを準備しましょう。
アカウントがない場合は、こちらを参考にしてアカウントを作ってください。

アカウントができたら、office;com/setup にアクセスします。
アクセスできたら、サインインのボタンをクリックします。
そして、officeを紐づけしたいアカウントでサインインしましょう。

サインインするとプロダクトキーの入力画面が出てきます。
そこに、カードに記載されたプロダクトキーを入力していきます。

あとは、国・地域を日本、言語を日本語にして次へをクリックです。
そしてまた、次へのボタンをクリックします。
これで、サインインしたマイクロソフトアカウントにOfficeが紐づけされます。

Officeが紐づけされると、自動的にマイアカウントページに切り替わります。
マイアカウントページに、紐づけしたOfficeが表示されているのを確認しましょう。
あとは、紐づけしたOfficeのインストールをクリックすると、インストールが開始されます。
また、プレインストールモデルで既にOfficeが入っている場合は、プロダクトキーの表示で表示されるプロダクトキーでセットアップすることもできます。

紐づけされないタイプの場合

このタイプは、WordかExcelを起動して、プロダクトキーを入力するだけです。
あとは、画面の指示に従えばセットアップは完了します。

再セットアップ

紐づけされるタイプかどうかで、大きく異なります。
切り分けは、プロダクトキーのカード形状で行います。

紐づけタイプ

マイアカウントページにアクセスします。
すると、「サインイン」、もしくは「サービスとサブスクリプション」の画面がでてきます。

「サインイン」のときは、Officeを登録したアカウントでサインインしてください。
そうすると、サービスとサブスクリプションの画面に入れます。
そして、そこに登録されているOfficeが登録順に並んででてきます。
あとは、そこからインストールしたいOfficeをインストールするだけです。

もし、インストールしたいOfficeが表示されないときは、アカウントが違っています。
そのときは、正しいアカウントでサインインし直しになります
詳しくは、こちらの「1.紐づけタイプの場合」を参照してください。

紐づけされないタイプ

さあ、はじめましょう。のページにアクセスします。
そして、任意のマイクロソフトアカウントでサインインします。

アカウントは、どのようなモノでも大丈夫です。
もし、アカウントが不明、もしくは持っていないときは、新たに作成しましょう。

サインインすると、プロダクトキーの入力画面が出てきます。
そこに、手元のカードのプロダクトキーを入力してください。
あとは、画面の指示に従って進んでいけば、インストールが開始されます。
詳しくは、こちらの「2.紐づけされないタイプの場合」を参照してください。

プロダクトキー紛失

紐づけされないタイプの場合、プロダクトキー紛失は致命的です。
基本は、買い直しと思ってください。

ただし、一定の条件が満たされていれば、再発行できる場合もあります。
その条件は、以下の通りです。

  • PCに、Officeがインストールされていて起動ができる。
  • Officeのライセンス認証が通っている。

この場合は、プロダクトIDを確認してください。
確認方法は、WordやExcelなどのOfficeのアプリから行います。

なんらかのアプリを立ち上げて、左上のファイルからアカウントをクリックしてください。
(Outlookのときは、Officeアカウントをクリックしてください。)
そして、アカウント画面の右側の、バージョン情報ボタンをクリックします。
そこの2行目に表示されるのが、プロダクトIDです。
それを控えて、マイクロソフトに相談しましょう。

ちなみに、ライセンス認証が外れているときは、0がたくさん並んだIDになります。
そのときは、残念ながらプロダクトキーの再発行はできません。
詳しくは、マイクロソフトに確認してください。

紐づけされるタイプは、プロダクトキーがなくても再インストールできます。
プロダクトキーをなくしても致命的なことにはなりませんので、安心してください。

なお、PIPC版の場合は、紐づけタイプかどうか判断できないことがあります。
そのときは、心当たりのアカウントで再セットアップを試みてください。
そして、マイアカウントページにインストールしたいOfficeがでてこないときは、紐づけされないタイプということになります。
残念ですが、買い直しを検討してください。

アカウント失念

紐づけされるの場合、アカウント失念は致命的です。
基本は、買い直しと思ってください。

ただ、PIPC版とPOSA版なら、条件によってアカウント調査できる場合があります。
プロダクトキーを準備して、マイクロソフトに問い合わせしてみてください。

ダウンロード版については、復旧策はまったくありません。
たとえば、こちらを試してみて、それでダメなら新しいOfficeを買った方が生産的です。
また、パスワードが不明でリセットもできないときも同様です。

紐づけされないタイプの場合は、アカウントが分からなくても大丈夫です。
アカウントが分からないときは、新しくアカウントを作ってセットアップしてください。

Microsoft Office 2019 とのつきあい方

以上が、Microsoft Office 2019 の概要になります。
これらが分かれば、サポートがなくてもセットアップはできると思います。

2019については、WindowsとMacのハイブリットエディションに時代を感じますね。
サポートをしていても、MacでOfficeを使う方が。随分と増えてきているように思います。
OSの垣根というのは、本当に低くなったと思います。

ただ、相変わらず、Mac版には延長サポートがありません。
また、Windows版も、延長サポートが短いのが気になります。
これまでの製品は10年でしたが、2019の延長サポートは7年です。

やはり、マイクロソフトとしては、サブスクリプション化を推し進めたいのでしょう。
もしかすると、永続版のOfficeは、この2019が最後になるのかもしれません。

ちなみに、サブスクリプションタイプの365 Personalは、常に最新の状態で使用できます。
あわせて、マイクロソフト製品について、手厚いサポートを受けることができます。
Officeのバージョンアップが3年ごとならば、費用的にはHome & Business とほぼ同じです。

ということで、2019と365のどちらが良いのかは、一概には決められませんが。
あとは、Officeの使用頻度や、使用するPCの台数で判断ですかね。
また、最後の永続版になるかもしれないということで、サブスクリプション嫌いの人は、2019を抑えておいた方がよいかもしれません。

いずれにしても、Officeは仕事をするためのツールです。
本記事などを参考に、最適のスタイルで、ご利用いただければと思います。