残クレのメリットは何か、考察しました。
残クレでクルマを買っています。
ディーラーから勧められ、配偶者は残クレにとても満足しています。
ただ、私は、いまひとつ釈然としない部分があったりしますね。
今回は、そのあたりの考察を書いてみたいと思います。
残クレでクルマが安く買えるワケではない。
残クレでクルマを買っています。
4年前のマツダ2購入でディーラーから勧められて、はじめて使ってみました。
結果として、出資者の配偶者は満足で、次のCX-3も残クレで購入しています。
残クレとは、残価設定ローンのことです。
かんたんにいうと、5年で下取りに出すことを前提にした自動車ローンですね。
下取り価格を差し引いてローンを組むので、月々の支払額を低くすることができます。
具体的には、240万円のクルマで、5年後の下取り価格を60万円に設定します。
そして、残りの180万円を5年のローンにするのですね。
そうすることで、通常なら4万円/月になる支払いを、3万円/月にすることができます。
同じクルマで、月々の支払いが1万円低くなるのはうれしいですね。
ただし、トータルで支払う金額は同じです。
残クレの場合、下取りの60万円はローンの残金支払いにすべて消えます。
これが残クレではない場合、下取りの60万円はすべて手元に戻ってきます。
- (240万円-60万円)÷60か月×60か月=180万円
- (240万円÷60か月×60か月)-60万円=180万円
結局、下取りの60万円が、最初か最後かだけの違いなのですね。
実際は、残クレのほうが利息が高いので割高になる場合が多いです。
しかし、それでも配偶者の満足度が高かったのはなぜでしょう。
また、クルマ必須地帯では、ほとんどの人が残クレで購入という話も聞きます。
それでは、次にそのあたりのことを深掘りしたいと思います。
残クレだと、本当に維持費はかからないのか。
残クレのメリットのひとつに、維持費の話があります。
要は、クルマが消耗する前に下取りに出すので、修繕費用があまり発生しないのですね。
担当の営業は、スタッドレスすら交換せずに買い替えると豪語していました。
それでは、この部分をすこし詳しく考察してみましょう。
我が家の年間走行距離は、12,000kmほどです。
ここで、1台のクルマを乗り潰すことを考えてみます。
年間12,000kmであれば、9年108,000kmで乗り潰すことになりますね。
さて、それでは9年間でどれだけの維持費用が掛かるがシミュレーションです。
まずは、車検費用が10万円×3回で30万円ほど、あとはタイヤ代ですね。
3年毎のスタッドレス交換と夏タイヤ1回で、32万円ほどでしょうか。
さらに、これだけ乗るとなるとブレーキやバッテリーのメンテも必要ですね。
なんだかんだで、9年で80万円ほどの維持費用がかかると思われます。
そうすると、トータルの費用は240万円+80万円=320万円になりますね。
次に、残クレで同じクルマを2台乗り継いだ場合を考えます。
このときの車両代は、180万円+144万円=324万円になります。
車検代は、10万円×1回×2台で20万円。
スタッドレスは1回交換×2台で32万円、他に修理費用はかからなかったとします。
そうすると、トータルの費用は376万円となりますね。
結局、9年間で1台を乗り潰すより、56万円ほどお金がかかるということになります。
残クレは金利も高いですから、実際は65~70万円ほどの差が出るでしょう。
要は、維持費を勘定にいれても、残クレのほうが絶対的にお金はかかるのですね。
さて、それでは残クレには、どのようなメリットがあるのでしょう。
残クレは、贅沢をリーズナブルにたのしむ制度。
残クレと乗り潰しでどれだけの費用差があるのか、シミュレーションしました。
結果、あきらかに、1台のクルマを乗り潰したほうがお金はかかりません。
しかし、話はそれほど単純ではないですね。
残クレは、9年間で2台の新車に乗れます。
片や、同じクルマを修理代を気にしながらボロボロになるまで9年間乗り続けるです。
そして、その差額が65~70万円なら、一概に残クレが損とは言い切れないと思いますね。
なんだかんだで、新車は人生に潤いを与えてくれます。
いろいろなクルマに乗ってみたい人なら、この差額での乗り換えは大いにアリでしょう。
また、5年毎に新車に乗り換えれば、トラブルの心配もほとんどありません。
現状回復のためだけの費用を、都度数万円単位で支払う必要がないのはうれしいですね。
実際、配偶者はここに一番のメリットを感じているようです。
そもそも、65~70万円ほど費用が抑えられても、9年スパンでは実感しづらいです。
それよりも、月々の支払いが1万円低いほうが、生活者としてはありがたいですね。
しかも、残クレなら常に新車です。
あらためて分析してみると、このあたりが残クレの利点になると思いますね。
結局のトコロ、【贅沢をリーズナブルに】が、残クレのメリットなのでしょう。
新車に乗れる人なら、費用を抑えつつ、次々と乗り換えができる。
ディーラーは数年単位でクルマが売れる、そして中古車市場にはよい商品が出回る。
業界全体がWin-Winの、本当によくできた制度だと思いますね。
それでも、残クレには引っかかりを感じます。
ちなみに、私は惚れたクルマとは、最後まで添い遂げたいタイプです。
たとえ、莫大なお金がかかっても、修理をしながら長く乗り続けたいですね。
クルマ好きなら自然な感情だと思いますし、実際オートバイとはそのような付き合い方です。
結局、このあたりが、私が残クレにピンとこない一番の理由なのでしょう。
とはいえ、一台のクルマを長く乗り続けるのも、これはこれで大変です。
たとえば、今年で33年目になる900SSには、すでに購入したとき以上のお金がかかっています。
要は、もう一台新車が買えたということで、そのほうが費用的には有利だったと思いますね。
もちろん、損得抜きで、900SSやガンマとは、いまでも添い遂げるつもりではいます。
しかし、さすがにその非現実性を痛感するばかりの昨今ですね。
結局、クルマやBikeは耐久消費財、いくら惚れても付き合える期間は限られているのです。
あとは、それが現実だと割り切れるかどうかの話でしょう。
当然、私はいまだ、そこまで現実主義者にはなれないです。
頭ではわかっても、気持ちがついてこない感じですね。
ですので、この先も、私が残クレを選ぶことはないような気がします。
未来永劫、私はクルマにロマンを求め続ける昭和の小僧のままなのでしょうね。
残クレの試算表を眺めつつ、かつてのスーパーカーブームを懐かしく想う今日この頃です。