194km/h側は被害者です。

大分でおきた交通事故、結論からいうと194km/h側が被害者ですね。
ところが、ネットでは相変わらずのチープな懲罰論が大勢です。
挙句、Bike乗りにとって大切な直線優先の原則まで脅かされて許せませんね。
今回はこの件について、しっかりと意見を書きたいと思います。

誰がどう見ても、右折側過失の右直事故です。

大分でおきた交通事故で、危険運転致死罪が適用されたニュースを目にしました。
ここ2~3日、ネットやテレビでいろいろと報じられています。
しかし、194km/hばかりが強調されていて、いまひとつ全容がわかりません。
そこで、どのような事故だったのか調べました。

そうしたところ、典型的な右直事故でびっくりです。
通常なら、右折側に非があることになるのですが、本件は右折側が被害者なのですね。
そこで、さらにいろいろと調べたところ、このようなサイトを見つけました。

サイトには、実際に事故現場を194km/hで走った時のシミュレーション動画があります。
その2つ目をみましたが、どこをどうみても右折側に落ち度があったとしか思えません。

この動画を参考にすると、衝突時間は0:51です。
そうすると、右折車が右折を開始したのは0:48~9あたりとなります。
何度も動画を見直しましたが、このタイミングで右折を開始するのは自殺行為ですね。
あきらかに、右折車は前をよく見ていなかったモノと思われます。

しかも、別の記事によれば、この右折車は前車に続いて右折をしていたようですね。
であれば、右折車の確認不十分は、ますますもって疑いようのない事実と考えられます。
前車に続いて危ない右折をするクルマがいるのは、Bike乗りならよく知るトコロですからね。

ところが、どの報道をみても、この点に言及しているモノはひとつもありません。
そして、194km/h側は極悪人という主張のオンパレードです。
これには、ものすごい憤りを感じてしまいました。

100mという距離だけでは、右折の可否判断はできません。

件の動画サイトには、こんな信じられない記述まであります。

一般のドライバーは、対向車のライトが交差点から100メートル以上離れていれば、通常は安全に右折できると判断するはずです。つまり、194キロという猛スピードで対向車が近づいてくることを予測するのは、極めて困難だと言えるでしょう。

ますは、100mという距離だけで右折の可否判断をするトコロが間違っていますね。
右折をするためには、対向車までの距離と、その速度を把握する必要があります。
対向車が制限速度を守っている保証はないのですから、これは当たり前の話ですね。
そして、速度を把握するためには、最低でも2秒をかけての確認が必要と言われています。

しかも、100m圏内に対向車がいる状態で右折を開始するのは、かなりリスキーです。
ぶっちゃけ、194km/hで走行するのと同等か、それ以上の危険運転とも言えるでしょう。
私は、100m圏内に対向車がいる場合は、たとえ相手が60km/hでも右折は控えますね。

194km/hで向かってこられたら、通常の可否判断の限界を超えるという主張もあります。
しかし、それが現実を知らない者の空想であるのは、件の動画をみても一目瞭然ですね。
もし、あの状況で判断ができないのなら、いますぐ免許を返納すべきだと思います。

しかし、こんなデタラメを書いてまで、194km/h側を極悪人にしたい意図は何なのでしょう。
ここまでくると、悪意にすら思えてきますね。

直線優先の原則を棄損することは許せません。

もちろん、直進側にまったく落ち度がなかったとは言いません。
ただ、いくら194km/hでも、右折側がきちんと確認をしていれば防げた事故でした。
ぶっちゃけ、194km/h側は【ぶつけられた側】なのです。
それなのに、危険運転適用で実刑8年というのは、あまりにも不公平ですね。

元々、本件は過失知事罪で起訴された事案でした。
それを、右折側遺族の強い要望で危険運転になったのです。
個人的には、自身の過失を棚に上げてと、正直そう感じてしまいますね。
加害者が、よくあそこまで被害者面できるモノだとまで思ってしまいます。

これについては、日々危ない右折車に憤るBike乗りな私のバイアスなのでしょう。
Webikerは頭がおかしいと思われるのなら、それで結構です。
ただ、これで直進優先の原則が棄損されるのは許せないですね。
この原則は、悲惨な右直事故から私たちを救済してくれる最後の砦ですからね。

この事故では、194km/h側もかなりの重傷を負っています。
その上で、8年もの実刑を科すことに、何の意味があるのでしょう。
事故の現場や時間から、194km/h側もそれなりにわきまえていたことが伺えます。
ただ、まだ19歳と未熟ゆえに、あのような場所のリスクを知らなかったのでしょう。

未熟なスピード好きの若者を血祭りにしたところで、ただの中世の公開処刑です。
であれば、まだ直線道路の危険性でも啓発するほうが建設的だと思いますね。
そして、いい加減な右折は殺人行為であることを、もっと広く知ってほしいです。