東京五輪のゴタゴタについて想うこと

波乱含みの東京五輪、森喜朗さんの辞任で一息と思ったら、またゴタゴタしていますね。
今回は、Perfume、そしてMIKIKO先生のファンとして、看過できないモノがありました。
それでは、そんな私が感じるところを書いてみたいと思います。

オリンピッグが空から降り立つ…。

仕事中のPCに、東京五輪の開閉会式責任者が辞任とのニュースが飛び込んできました。
なんでも、かなり不適切な発言をされたとのことです。
その後、NHKのニュースで、その内容を詳しく知ることになりました。

ニュースによれば、その責任者は渡辺直美さんのことを豚に見立てたとのことです。
グループラインのログとして証拠も残っているようで、言い逃れはできないようでした。

まずは、五輪開会まであと四か月のタイミングで、こんな話がでてくることに驚きですね。
発端の、「オリンピッグ=渡辺直美さんが空から降り立つ」というアイディアも醜態です。
また、グループラインというプライベートなやり取りが流出というところにも戦慄しました。
しかも、この話があったのは約一年前のことのようです。

この件を報じたのは文春オンライン、俗にいう文春砲ですね。
正直、またかよという感じでした。
最初は、こんなことでちゃぶ台返しを喰らった組織委員会が気の毒に思いましたね。

ただ、その後Twitterなどをみてみると、このオリンピッグはイントロダクションのようです。
実際のところは、敬愛するMIKIKO先生を巻き込んだ陰謀劇なのですね。
そして、知れば知るほど、だんだん腹が立ってきたのでした。

文春オンラインの記事を読んでみました。

まずは百聞は一見に如かず、私も文春の有料記事を読んでみました。
それによると、問題の演出チームは、2017年に発足したようですね。
メンバーは、映画監督の山崎貴氏や能楽師の野村萬斎氏など。
それに、リオの閉会式メンバーを含めた8人でスタートしたようです。

なお、リオの閉会式メンバー加入は、森前会長の肝いりとのことです。
そこには椎名林檎さん、そして今回やり玉にあがった佐々木さんも入っていたようですね。

当初、メンバーの中心だったのは山崎さんでした。
しかし、彼が提案する演出プランは、どれもコンセンサスを得られなかったようです。
その後、2018年からは野村萬斎氏が音頭を取りますが、状況は変わらなかったようですね。

開催まで残り一年の時点で企画案は白紙、なんか、それも凄すぎる話です。
そして結局、私が敬愛するMIKIKO先生に、白羽の矢が立ったようなのでした。

ご存知のように、MIKIKO先生はPerfumeの振り付けをされている方です。
広島のFランアイドルだったPerfumeをSランアーティストに育て上げた立役者。
四人目のPerfumeとまで言われる先生の、その誠実で一生懸命な性格は折り紙付きですね。

ちなみに、私は一度、生MIKIKOをみたことがあります。
リアルの先生は八頭身で手足が長くて、とても優雅なお辞儀をする素敵な方でした。

そして、さすがはMIKIKO先生、通常なら2年かかるプランを2ヶ月弱で完成させたようです。
また、そのプランは、IOCから絶賛されたとのことでした。

まぁ、この辺りは、すこし誇張があるのかもしれませんけど。
でも、Perfumeの成功を知る者としては、すごく納得ができる話です。

ところがその後、先生のサポート役だった電通社員が社内のパワハラ騒動で失脚。
そして、コロナ禍による五輪の一年延期で開閉会式は仕切り直し。
その仕切り直しを任された佐々木氏が、MIKIKO先生を排除したようなのですね。

MIKIKO先生の排除には、森前会長も絡んでいるようです。
そして、これが本件の真相と、文春オンラインは伝えていました。

リークされるということ自体が異常

文春の記事を読んだ限りでは、演出チームの派閥争いという感じですね。
少々、佐々木氏をヒールに仕立て上げすぎの雰囲気も、無きにしも非ずという感じです。
ネットには、クリエイティブな現場によくある話と、割り切った意見もありました。

確かに、これだけのクリエーターがガチで議論すれば、対立することもあるでしょう。
また、アイディア出しの段階で、一線を越えた話がでてることも理解できます。
正直、あれぐらいでなければブレインストーミングの意味はないとも思います。

ただ、それがスキャンダルとして公表されるのは、あきらかに異常ですね。
普通の感覚なら、仕事上で意見が対立したぐらいで、あのようなリークはしないと思います。

ちなみに、本件についてはリークしたヤツが悪いという意見も散見されますね。
確かに、あれは卑劣なテロだと思います。
あのリークで、佐々木氏は社会的にほぼ抹殺されたワケですからね。

ということで、本件は、やはりただ事ではないということですね。
少なくとも、リークした人には相当の覚悟があってのことだと考えられます。
ましてや、五輪の組織委員会関係者なら、人間的に立派な方がほとんどでしょうし。
そう考えれば、チーム間の足の引っ張り合いといった単純な話ではないと思えるのですね。

リークされるだけのことがあったのだと思います。

これについてのマスコミの論調は、おおむね及び腰ですね。
端的に言えば、渡辺直美さんへの侮辱はよろしくないで寸止めされている感じです。
その中で、唯一踏み込んだ発言をしていたのが、サンデージャポンのテリーさんでした。

テリーさん曰く、五輪の演出などは、本当にクリエイティブでないとできないとのことです。
そして、渦中の佐々木氏は、クリエイターではなくてアレンジャーとおっしゃっていました。
なので、彼には五輪の演出は荷が重かったのではないかと、テリーさんは推察してましたね。

さすが、その道のプロの意見だと思います。
これには、すごく納得させられましたね。

確かに、佐々木氏の作品は、ソフトバンクにしてもBOSSにしても、すべてアレンジ物です。
たとえば、リオの閉会式におけるマリオの安倍首相などは典型例ですね。
複数の有名アイテムを持ち出して、それらを意表を突く形でアレンジする。
そして、世間をあっと言わせるのが、彼の得意技なのだと思います。

ただ、きびしい言い方をすると、それは既存の価値におんぶしているだけとも言えますね。
実際、彼の作品をみても、悪ノリ以上のおもしろさを感じることができません。
これでは五輪の開閉会式として、やはり物足りないだろうとは思いますね。

それと比べて、MIKIKO先生の作品は、恋ダンスひとつとっても創造的です。
また、リオ五輪におけるあの直方体を使った演出も、独創的で素晴らしかったですね。

しかし、佐々木氏は業界内で天皇とまで呼ばれる存在です。
そんな現状を鑑みますと、やはり相当のゴタゴタがあったのだろうと推測しますね。
テリーさんは、「佐々木さんもホッとしている」と、彼をうまく立ててまとめてましたけど。
でも、あんなリークが起きるということは、かなり酷いことがあったのだろうと想像します。

膿を出し切ってもらいたいです。

結局、本件は因果応報なのだろうと、個人的にはそう思っています。
つまり、リークされた人は、されても仕方がないことをしていたということですね。

また、本件は森前会長の辞任とも無関係ではないでしょうね。
逆に、あれをきっかけに、この話も浮上してきたと考えるのが自然だと思います。

いずれにしても、運営側には、もっと哲学をもってもらいたいですね。
今回も、取りあえず有名どころを集めておけばという安易な考えが起因のようにも思えます。
そこには、いいトコ見せよう、クールジャパン!というチープな思惑が見え隠れしますね。

間もなく開幕のタイミングでの、このドタバタ劇。
橋本新会長の会見などを見るにつけ、関係各位には本当に気の毒なことではありますが。
でも、この機会に膿はしっかり出し切ってほしいですね。

そして、返す返す気にかかるのはMIKIKO先生のことです。
文春の記事によれば、今回の騒動で体調を崩されたとの由、とても心配ですね。
このような旧態然としたカオスに翻弄されていたとは、本当に気の毒でなりません。

まずは、先生にはゆっくり休んでいただき、また素晴らしい作品を見せてほしいですね。
そして、時代遅れのロートル達には、これ以上邪魔をしないでくれと痛切に願うばかりです。

追記

このブログを書いたあと、MIKIKO先生からコメントが公表されました。
まずは、体調も快方に向かわれているということで、安心しました。
そしてやはり、理想と大人の事情の間で翻弄されていたようですね。

先生は、それぞれの立場で正義があるとおっしゃっています。
確かに、それはその通り、そして理念なき正義ぐらい最悪なモノはないですね。
そのようなモノを振りかざす輩は、早く消え去ればいいのにと思うばかりです。