GDP世界四位、だから何?

この国のGDPが、世界三位から四位になったそうです。
ぶっちゃけ、だから何?なのですが、この順位を憂いる声も多いようですね。
個人的には、GDPひとつで人の幸せが決まるほど、世の中は単純ではないと思います。
今回は、そのあたりのことについて、つらつらと書いてみたいと思います。

GDPの順位に固執する意味が分かりません。

この国のGDPが、世界三位から四位になったそうです。
テレビのニュースでは、この順位を憂いる街の声が紹介されていました。
「オリンピックでもメダルは3位までなのに」などと発言するおじさんもいて、笑いましたね。
どうにも、根本的なトコロがズレているというか、何もわかっていない感じがします。

ちなみに、GDPというのはその国の経済規模を示す指数です。
個人的に、GDPは資格試験の点数のようなモノだと思いますね。
要は、ある一定基準をクリアしていれば問題なく、他と比べることはナンセンスです。
たとえば、人口が桁違いに多い中国と比べることに何の意味があるのか、昔から疑問でした。

そもそも、誰がどう見ても中国よりも日本の方が豊かですしね。
なお、一人あたりのGDPですと、この国の順位は31位です。
これらの点からも、GDPの順位付けに何の意味もないことがわかりますね。

ところが、GDPの順位が下がるのはよろしくないとの風潮が多いです。
中には、もっと生産性をあげないといった意見もあって辟易ですね。
生産性といえば聞こえは良いですが、要は馬車馬指数のことです。
こんなことを根拠に、ますます馬車馬指数があがるなど、もってのほかだと思いますね。

結局のところ、お金儲けしたい連中が、それっぽい理屈であおっているだけの話なのです。
あらためて、こんな輩の尻馬に乗ってはいけないと感じるばかりですね。

がんばりすぎると子どもが減るようです。

このGDP世界四位と同じ時期に、韓国における少子化のニュースをみました。
なんでも、韓国の合計特殊出生率は0.72人なのですね。
この国の出生率も1.34人でかなりの低水準ですが、韓国のソレが桁違いなのに驚きました。
しかも、18年間で43兆円の少子化対策をしたにもかかわらずですから、実に衝撃的です。

ちなみに、個人的に少子化はアリだと思っています。
エネルギーや環境問題の視点に立てば、人口はすくないに越したことはないですからね。
この国など、3000万人ぐらいがちょうどいいのではないのでしょうか。
エネルギー消費が多い先進国で人口が減るのは、自然の摂理なのかもしれません。

ただ、そうだとしても、韓国の0.72人は異常すぎます。
調べてみると、韓国では子どもを持ちたいという人自体が減っているのですね。
理由はいろいろとあるようですが、そのひとつに韓国の競争社会があるようです。
あの熾烈な受験戦争を、自分の子どもにさせたくないと考える人が多いようですね。

親として、この気持ちはとてもよくわかります。
実際にそのような受験戦争を体験してきたのなら、なおさらのことでしょう。
現実には教育費も半端ないというコトで、これではあの出生率もいたし方ないと思います。

もちろん、その熾烈な競争で、韓国は驚異的な経済成長を実現したワケですけれど。
でも、いくらお金を稼いだところで、これでは本末転倒のような気がしますね。
子どもを得る幸せは、仕事や趣味で得られるそれとは次元の違うモノです。
子どもを持ちたいと思えない社会など、私は絶対に嫌ですね。

GDPに躍らせられないようにしましょう。

ということで、あらためてGDPなどクソくらえです。
GDPなど、一人あたり2~3万ドルもあれば十分ではないのでしょうか?
足るを知るということは、とても大切だと思います。

また、生産性の向上なる言葉に踊らされてもいけません。
これ以上馬車馬になったところで、いったいどうなるというのでしょう。
逆に、労働者ならできるだけ楽をして高賃金を得る方法を模索するべきですね。
それでもってはじめて、経営者側との均衡がとれるようにも思います。

韓国の現状をみるにつけ、何事もやりすぎ、がんばりすぎは良くないですね。
そのような社会が少子化で淘汰されるのもまた、自然の摂理のような気がします。
そして、同じことはこの国にもいえると思いますね。

韓国の競争社会は、遅かれ早かれ緩和されることでしょう。
現実的に、このような状態がいつまでも続くとは考えられません。
いつかは、自浄作用が働くものと思われます。
そうなったときに、再び出生率も向上するような感じがしますね。

そもそも、経済など黙っていても成長するモノです。
そこを無理に急いだところで、あちらこちらにひずみが出るだけなのですね。
あらためて、GDPはオリンピックではありません。
無責任なテレビニュースのあおりには、踊らされないようにと思うばかりです。