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雑記

SMAP所感

投稿日:2016年9月11日 更新日:

SMAPの解散が発表されて、間もなくひと月になろうとしている。私自身は特にファンというワケでもないのだが、配偶者が20年ちかくファンクラブに入っているフリークで、それ故にファンの方には失礼かもしれないが、野次馬の立場で一連の事象を眺めている。例えばつい先日も、工藤静香女史が何やら意見を述べたようだが、現状に対して一言いいたい彼女の気持ちはよく分かるし、しかしだからといって状況はますます悪化するであろうことも推測され、そしてそこから色々と世の中の普遍的なモノが見え隠れするような気もするのである。

配偶者に連れられて、一度SMAPのライブを観に行った事がある。1990年代後半から2000年頃にかけて、当時の私の職場でも参戦する人がちらほらいるぐらい、SMAPライブ参戦はちょっとしたブームだった。大抵は、奥さんがファンで連れていかれて、そのままハマる人はハマるという図式である。私も、話のネタに一度ぐらいは観ておくかぐらいの気持ちで出かけた。ライブ自体は、まぁなかなか楽しかったが、それよりも私の目を引いたのはライブ会場に詰め掛けているファンの方々の雰囲気だった。

SMAPライブの前に、私は一度Kinki Kids のライブにも行っている。これもまた、Kinkiファンな配偶者のお供で参戦したのだが、その時の東京ドームに集結したKinkiファンの方々の雰囲気には少なからずカルチャーショックを受けたモノだ。小太りで色白で眼鏡をかけて、ちょっと首元が伸び気味のTシャツを着て、そしてゲームやアニメの世界に没頭している秋葉原系の人々というカテゴリーが世の中には存在するが、それ系の女子というのもいるのだなと、あの時私は初めて知ったのである。なるほど、あのような方々に夢を売るというアイドルの仕事は、なかなかに立派で大変な仕事だなと感じ、またジャニーズのファンというのはあのような方々が多くを占めているのだなとずっと思っていたのだが、しかしSMAPのファンはそれとは雰囲気が全く違っていた。一言でいうと、SMAPのファンはイケイケのヤングママさん達、皆さん、綺麗で立派でいい大人の女性、一見ジャニーズタレントから夢を売ってもらう必要がないような方々が、どうした事かジャニーズタレントのSMAPに夢中になっているのである。これは長年、私の中でのささやかな疑問の一つであったのだが、今回の騒動でSMAPのマネージメントが他のタレントとは独立していたことを知り、ようやく納得できた。なるほど、他のジャニーズタレントとは感じさせるモノが違うのだろう。ジャニーズタレントにインスパイアされない私としては、客観的事実から初めて分かる話である。

そんな私がSMAPを知ったキッカケは木村拓哉である。1990年代初め、既に目ざとい女性ファンの間では有名人だった彼だが、そんな彼を私が具体的に知ったのはテレビドラマあすなろ白書であった。劇中で彼はヒロインに対する対抗役である取手を演じていた。原作に忠実に、わざわざ黒縁の眼鏡をかけてまで取手役に徹していた彼であったが、しかし世間の反応からは本命の掛井役であるところの筒井道隆を完全に食っていたように記憶している。私はあのドラマを最後まで観ていないのだが、あれだけ対抗役が本命役を食った状態でドラマが原作通りに進行できたのか、未だに心配な部分があるぐらいだ。

まぁ、当時の彼は間違いなく、いい男の象徴的存在であった。女性の子宮に訴えかけるような色気は勿論の事、それにプラスして男性心情に共鳴するような男気を併せ持っているところが、彼の魅力の根源だったように思う。現に当時、彼の格好や言動を真似する男性は少なくなかった。1970年代のサブカルチャーをアンチテーゼにしてきた1980年代世代の私に、長髪も悪くないと思わせたぐらいだから相当だと思う。このようなタレントは、それまでのジャニーズ事務所にはいなかった。マッチや東の格好や言動を真似る男性を、私は未だ見た事がない。

で、そんな木村拓哉のようにスーパータレントが登場すると、その素性を知りたくなるのが人間の性である。そして間もなく、彼はジャニーズのタレントでSMAPなるグループに属している事を知る由となるのである。SMAP?、そういえばそんなグループってあったかな?という事で、少なくとも私の中では木村拓哉あってのSMAPであり、当時の一般の方々の認識もそうではなかったのかと推測している。中井君や慎吾ちゃん、あるいは吾郎ちゃんや草彅君などは、私の中では正直、木村拓哉の後からついてきた人達なのだ。兎も角、木村拓哉はそれまでのジャニーズタレントとは一線を画しており、なるほどこれなら彼が率いるSMAPとベタなジャニーズタレントであるKinki Kidsのファン層が違うというのも、凄く納得できるという話なのである。

というこれまでの私のSMAP感からいくと、今回木村拓哉のみが事務所残留を表明したことは、凄く納得のいくところではある。彼の、モテ系男性タレントとしての才能は特別なモノであり、それ故にSMAPが成功し、如いては光GENJI以降停滞気味だったジャニーズの中興の祖だったことは誰の目からも明確であろう。常識的に考えれば、そんなSMAPけん引役の彼は事務所の中でも特別扱いだったように思う。あのラスボスキャラの副社長から目をかけてもらっているのも、工藤静香との結婚以前からのような気がするのである。それと比べて他の四人は、例えば中井君の司会業にしても吾郎ちゃんの俳優業にしてもSMAPにしてはよくやっているのレベルだし、草彅君が僕の生きる道シリーズであれだけのハマり役を得られてブレークしたのもSMAPの看板故の事だし、慎吾ちゃんに至ってはもはやSMAPの末っ子キャラだけでやっているようにも見えてしまう。多分、この図式は当の本人体が一番自覚している事で、それが今回の分裂の構図に色濃く反映されているように思えるのである。

勿論、実際の事情はもっと複雑で摩訶不思議なのであろう。挙句、現在の木村拓哉裏切り者の論調に至っては、なるほど世間とは、正しい正しくない以前に、納得しやすいし難いで現状を判断するモノという事を、改めて認識させられる次第である。ただ、根本的なところは、木村拓哉裏切り&工藤静香黒幕話以前に、もっとシンプルだと思う。結局のところ、今回の件はSMAPがブレーク時から抱えていた内部歪みが原因であり、それが専属マネージャーというタガが外れた事で発露しただけの事のように感じるのである。

配偶者は解散発表以降、SMAPの話題には意図的に触れないようにしているようである。今年はツアーがあるかもしれないと内心心待ちにしていたところだから、その落胆は計り知れない。今回の解散騒動、SMAPファンに対しては実に罪深い所業である。しかし、内部歪みを抱えたまま四半世紀もトップアイドルの地位を維持してきた彼らもまた、お疲れ様であった。何とも、アイドル稼業とは立派で大変な仕事だと思うばかりである。

-雑記

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