仕事のよろこびについて

昨年夏のネット記事ですが、良い話だと思ったので紹介します。
仕事というのは、楽しいことばかりではなかったりするモノですが。
でも、このような体験が一回でもあれば、それはとても幸せなことだと思いますね。

9年前の作品が、陽の目をみた話です。

昨年夏のネット記事ですが、良い話だと思ったので紹介します。
若いころの仕事が、9年を経て陽の目をみた話ですね。
主人公のSさんのよろこびが、じんわりと伝わってくるところが秀逸だと思います。

記事の内容を要約すると、Sさんは20代の主婦。
絵を描くのが好きで、若いころに映像制作会社に勤務されていました。
そこで描いたフライパンメーカーのキャラクターが、9年後に有名になったという話です。
お風呂でみていたX(旧Twitter)で知ったというコトで、これはうれしかったでしょうね。

急いでお風呂から上がり、すぐに旦那さんに伝えたとのこと、気持ちがとてもわかりますね。
最終的にはメーカーに手紙を出して、キャラクター入りのフライパンを送ってもらったようです。
記事を読んで、すごくほのぼのとした気持ちになりました。

キャラクターはネットでも高評価のようで、すばらしいことです。
仕事で苦労していた時期の作品というところがまた、胸を熱くさせますね。
本当に、クリエイター冥利に尽きる話だと思いました。

私にも、同じような体験があります。

実は、私にも同じような体験があります。
私は若いころ、ある大手事務機器メーカーでバーコードスキャナの開発・設計をしていました。
ぶっちゃけ、バーコードに何の思い入れもありませんでしたが、夢中になって仕事をしましたね。
連日、夜遅くまで図面を引き、落下試験などに明け暮れていたのは懐かしい思い出です。

その後、開発の現場を離れて数年ぐらいが経ったときのことです。
旅先のホテルのカウンターで、自分が手がけたスキャナをみかけました。
あのときの製品が実際に使われている、これにはとても感動しましたね。
徹夜続きの苦労が報われた感じで、とてもうれしく思いました。

当時の上司も、これが技術者にとっての一番のよろこびだと言っていました。
陽の目をみない製品も多い中、このような体験ができたのは本当に幸せですね。
この体験があったので、記事で紹介されていたSさんにとてもシンパシーを感じたのでした。

多くの人に手がけた製品を使ってもらえる、これがものづくりのだいご味というヤツでしょう。
たくさんの利益を出したり自己実現を果たしたりと、仕事のよろこびもいろいろとありますが、シンプルにこれが最上級だと、個人的にはそう思いますね。

儲けることだけが仕事ではないです。

そんな私も、いまはフリーランスのオペレーターです。
一件いくらの仕事なので、どうしても稼ぎを意識してしまう状況ですね。
もちろん、たくさん儲かれば、それはそれでうれしいのですが、自分が手掛けた製品が活躍しているよろこびといったトコロからは、すこし離れてしまったのかなと感じました。

ドラッカーによれば、企業がやるべきことはマーケティングとイノベーションです。
要は仕事とは、世の中で必要とされるモノを高次に生み出すために革新を続けることなのですね。
そして、利益は条件であり、目的ではありません。
そんな風に頭の中ではわかっていても、現実はどうしても儲け一辺倒になりがちですね。

とはいえ、いまでも電話の相手から感謝されれば、儲けとは別の視点でうれしいです。
この記事を読んで、仕事に向かう心構えを再認識した感じがしました。

仕事をしていると、ときには困難な事案に遭遇することも多々あります。
そのようなとき、かつての成功体験は自信となり支えになってくれることでしょう。
このような成功体験は、人生における大切な財産だと思いますね。

私も、仕事で心が折れそうになることが時折あります。
そのようなときは初心を思い出して、乗り越えていきたいと思いますね。