メルアド考

たかがメルアド、されどメルアドですね。
メールを使うようになって四半世紀、情勢もずいぶんと変わりました。
そのような中で、長年メールを使ってきた私が考える、最強のメルアド取得術です。

ダメなメルアドはトラブルの元

Microsoft Office の、セットアップオペレーターをしています。
通常のセットアップの他に、いろいろなトラブル対応も行っています。

数あるトラブルの中でやっかいなのは、やはりアカウント絡みのモノですね。
アカウントがわからなくなったり、パスワードが通らなくなったり、いろいろです。

それで、この手は基本、リセットになるのですが、これも100%できるモノではありません。
特に、本人確認ができなくて万事休すになるパターンが多いです。
要は、アカウントに登録したメルアドが不通でアウトということですね。

かつて、ネット黎明期のころは、メルアドは本当にただのアドレスでした。
プロバイダーを替えてメルアドが変わっても、知り合いに通知すれば済む話でした。

しかし、ネットサービスが増えた現在、メルアドは身分証明書のようなモノになりました。
たとえば、私自身もメルアドをIDにしているアカウントが40近くあったりします。
ということで、メルアドに必要とされるモノも、昔とは変わってきていますね。

個人的に、メルアドに必要と思われるモノは以下の通りです。

  • ユニークであること
  • 安定していること
  • 不変であること

それでは、その辺りを念頭に、最強のメルアドを考えてみたいと思います。

最強なのは、やはり独自ドメイン。

まぁ、言わずもがなですが、独自ドメインのメルアドは、最強&最高ですね。
実際、私が自宅サーバーを始めたのも、これが大きな理由のひとつでした。

まず、独自ドメインですと、いくらでもメルアドを作ることができます。
しかも、他のサービスにありがちの、このアドレスは使えませんといった制約がありません。
ぶっちゃけ、@より前の部分は一文字だけとか、やりたい放題です。

このユニーク性の部分については、他の追従を許さないですね。
そもそも、@より後ろのドメイン名からしてユニークですから最高です。
お気に入りのメルアドを、心ゆくまで作ることができるのが最大の魅力ですね。

また、独自とメインの場合、そのメルアドは不変です。
プロバイダーが変わろうが、端末が変わろうが、メルアドが変わることはありません。
メルアドがID代わりの昨今において、これは強力なアドバンテージになりますね。

それに、一度削除したメルアドも、独自ドメインならかんたんに復活させることができます。
パスワードがわからなくなっても、復旧は容易です。
この使い勝手の良さを体験すると、他のサービスは使えなくなりますね。

さらに、独自ドメインのメルアドは、匿名性も高いです。
whoisの設定を間違っていない限り、個人が特定されることはないでしょう。

欠点は、やはり手間暇とスキル、あとはお金がかかることでしょうか?
実現するには、レンタルサーバーを借りてメールサーバーを構築しなくてはいけません。
また、定期的なメンテナンスを怠れば、最悪メールの送受信ができなくなってしまいます。
独自ドメインの安定性については、自分次第というところですね。

お金に関しては、サーバー代とドメイン費用で、月に千円ちょっとというところです。
これで最強の環境が手に入るのなら安いとは思いますが、ここはその人次第でしょうね。

それよりも、やはりスキルの面がポイントになるかと思います。
すくなくても、pop3とimap、そしてsmtpの違いぐらいはわからないときびしいでしょう。
もし、わからないのなら、独自ドメインは考えない方がいいですね。
それでは、独自ドメインは敷居が高いと感じる方に、次点の方法をご案内します。

意外と使えるフリーメール

独自ドメインが難しい方には、大手IT企業が提供しているフリーのメールがお勧めです。
具体的には、以下のサービスですね

  • GoogleのGmail
  • Yahoo! JapanのYahoo!メール
  • Appleのicloud.com
  • Microsoftのoutlook.jpメール

これらのメールサービスも、ほぼ不変です。
プロバイダーや端末などを変更しても、消えたり変わることはありません。
もちろん、これら大手のIT企業であれば、サービスもほぼ未来永劫続くことでしょう。

安定性やセキュリティについても、これらのサービスなら安心ですね。
また、これらのフリーメールは、メールアプリの設定もかんたんです。
メルアドとパスワードを入力すれば、パソコンでもスマホでもすぐに使えるようになります。

この使い勝手の良さは、とても魅力的ですね。
これなら、メールの仕組みがわからない方でも、問題なくメールが使えることでしょう。

また、フリーメールですので、匿名性が担保されるところも嬉しいです。
それと、個人で何個も取得できるところもいいですね。

唯一の欠点は、思った通りのアドレスが作れないところでしょうか?
不特定多数の人が使っている以上、こればっかりは仕方がないですね。
がんばって、納得のいく世界で一つだけのメルアドを考えましょう。

なお、フリーメールは2つ以上を所有して、それぞれにそれぞれの連絡先を登録しておきます。
そうすることで、万が一のときでもパスワードなどを変更することができるようになります。
ここまで設定しておけば万全ですね。

かつては、フリーメールではID登録できないサイトも多かったです。
しかし、最近はGmailかicloudオンリーのサイトもあったりしますね。
ネット黎明期を知る者としては、隔世の感です。

いずれにしても、今現在、最も現実的なメルアドは、これらのフリーメールでしょうね。
四半世紀かけて築かれた、これらのサービスの信頼性を、利用しない手はないと思います。

使ってはいけないのは、プロバイダーのメルアド。

ちなみに、今現在、使ってはいけないメルアドは、プロバイダー提供のモノですね。
具体的には、OCN、biglobe、eonet、あるいはplalaといったメールです。

理由はかんたんで、プロパイダー乗り換えで使えなくなるからです。
そして、一度使えなくなったアドレスは、二度と復活させることができません。

現に、私もネットを始めて四半世紀で、8回もプロパイダーを替えました。
回線の進化やコスト対応などを考えると、これは当たり前の事だと思います。
もちろん、プロパイダーを替えるたびに、メルアドも変わりました。

それでも、昔はアドレスが変わったことを知人に連絡すれば済みました。
しかし、今はこのアドレスで登録していたIDを、すべて変更しなくてはいけません。
そして、どうしても抜け漏れがでて、それが後日、致命的なことになるのですね。

実際、Officeのサポートをしていても、この手のトラブルは多いです。
そして、パスワードがどうしてもリセットできなくて買い直しになるのですね。

プロバイダーのメールは、お金もかかります。
最初の一個は無料でも、二個目以降は有料のパターンが多いですね。

また、思った通りのアドレスが作れるとも限りません。
メーラーへの登録も、フリーメールのようにかんたんではなかったりします。
そして、こちらもプロパイダーを変更すると最初からやり直しです。

ということで、今となっては何一つメリットのないプロパイダーのメルアドですね。
でも、年配の方を中心に、まだまだ現役で使われている方も多いです。
確かに、かつてはこれがデフォルトでしたけどね。
何事も転ばぬ先の杖、できるだけ早い時点での切り替えをお勧めします。

すぐにやめるべきなのはキャリアメール

現時点で最悪なのは、ガラケー時代に普及したキャリアメールですね。
具体的には、docomo.ne.jp、ezweb.ne.jp、i.softbank.jp といったモノです。

まず、この手のメルアドは、マトモに使うことができません。
たとえば、マイクロソフトアカウントは、これらのメールでは取得ができないです。

もちろん、携帯のキャリア(会社)を替えれば使用できなくなります。
また、格安SIMやプランの場合は、提供されない場合も多いですね。
ユニーク性、安定性、そして不変性、すべてにおいてNGです。

そもそも、このメールは、2G時代のSMSの欠点を補うツナギでした。
将来的には廃止されるモノと考えた方がいいですね。
現に、これらのメールを使う人も減っていると思います。

ただ、ごくまれに、これらのメールを申告される方もいらっしゃいますね。
一刻も早く、普通のメールに変更されることをお勧めします。

いまや、メールアドレスは電話番号と同じ、一生モノになっています。
新生活が始まって、新たに取得される人も多いことでしょう。
たかがメルアド、されどメルアド、すこし吟味をして良いモノを準備してほしいと思います。