福島の浜通りをドライブしてきました。(前編)
家族で、福島の浜通りをドライブしてきました。
この方面に出かけるのは、四半世紀ぶりぐらいです。
原発事故があってからは、近づくこともできませんでした。
今回は、ひさしぶりに訪れた福島の浜通りについて書いてみたいと思います。
元々は、磐梯熱海への温泉旅行でした。
先般の週末は、息子を含む家族三人で温泉旅行でした。
行先は、福島の磐梯熱海温泉です。
今年はなにかと忙しく、やっと家族で温泉旅行ができました。
泊ったのは山城屋という旅館です。
こじんまりとした宿で、温泉と料理がとてもナイスな旅館でした。
家族で温泉旅行は、やはりいいですね。
お湯につかりながら、息子の近況を聞くのも楽しいです。
ひさしぶりに、人としての幸せを感じることができたひとときでした。
翌日は、郡山で遊ぶつもりでいました。
ところが、息子があまり乗り気ではありません。
それでは、どこか行きたいところがないか尋ねてみると、なんと檜枝岐村とのことです。
GWに檜枝岐村まで家族でドライブしたときに、その雰囲気にハマったようです。
息子が言うには、檜枝岐村はあか抜けた田舎とのこと。
その意味は、私にはよくわかりませんけど。
ただ、このタイミングで檜枝岐村までドライブするのもおもしろいと思いました。
ところが、配偶者が檜枝岐村は遠いし、この前行ったばかりだと難色です。
それではということで、今回は浜通りにいってみることにしました。
息子は、福島県下一~二の街といわれるいわきに行ってみたいとのことです。
そして、配偶者は、後述する原子力災害伝承館にいきたいようです。
この、両者の思惑が一致した形になりました。
ということで、まずは磐越道を東進です。
ひさしぶりの磐越道東側エリア、ここはもうオール4車線なのですね。
かつては2車線区間も多く、いわきまでは時間がかかった記憶がありました。
いやはや、なんとも世の中は便利になるばかりですね。
ひさしぶりのいわきは、あか抜けていました。
磐梯熱海から小一時間ほどで、いわきに到着しました。
ここがそれほどの都会ではないことは、私や配偶者は既知です。
そして、福島県下一~二の街に期待していた息子は、すこしショックだったようですね。
でも、ひさしぶりのいわきは、駅前のあたりがとても整備されていました。
そして、横丁にはいい感じの飲み屋が並んでいて、実に好みの雰囲気ですね。
駅前のラトブを、小一時間ほどプラプラします。
ここの1Fに入っているみよしというお菓子屋さんのクレープ、おいしかったですね。
家族でいわきをプチ堪能して、いよいよ双葉町にある原子力災害伝承館を目指します。
ひさしぶりの国道6号線は、雰囲気が激変でした。
当初は、いわきから高速で双葉町に向かう予定でした。
しかし、レーンの選択をまちがえて乗りそびれてしまいます。
そして、そのままR6を北上することになりました。
R6は、かつては交通量がやたらと多い国道でした。
それプラス、延々と続く片側一車線で慢性的に流れが悪いです。
また、海沿いの国道なのに、海はほとんど見えません。
ぶっちゃけ、ツマラナイ国道No.1で、あまり訪れることはなかったのでした。
ところが、いまは常磐道が全線開通しているので交通量が激減です。
四倉から久之浜にかけては風光明媚で、なかなかの快走路ですね。
これはうれしい誤算だと、快適なドライブが続きます。
そんな快走路は、広野町のJヴィレッジぐらいまで続きます。
しかし、富岡町に入り福島第二原発を過ぎたぐらいから様相が変わってきました。
まずは、クルマがまったく走っていません。
そして、道の左右は廃墟だらけです。
緩やかにアップダウンしながら伸びるR6は、さながら世紀末の様相ですね。
というか、これはもうマッドマックスの世界そのものです。
時折、Bikeの集団を見かけますが、まるでツゥーカッターの集団にしかみえません。
記憶にあるR6とあまりに様子が変わっていて、愕然としてしまいました。
夜ノ森の標識をみつけて左折します。
夜ノ森の桜並木は、30年ぶりぐらいですね。
ここに初めて来たのは、学生のときでした。
福島第一原発を見学するソロツーリングで、立ち寄ったのでした。
あのときも初夏の頃で、この桜並木がキラキラ輝いていたのが今でも忘れられません。
いまも桜並木は変わりませんが、その周りは激変です。
一言でいえばゴーストタウンですね。
地域の6〜7割は、更地になっています。
生活感のある新しい住居もありますが、街自体が死んでいる感じでした。
原発事故も一段落して街もすこしづつ復興していると思っていましたが、現実は違いますね。
人っ気のない桜並木にたたずみ、しばし呆然とするのでした。