ブログについて
ネットを始めて20年、ここにきて初めてブログをやろうと思ったのはFaceBookのせいである。早い話、FaceBookへのアンチテーゼがキッカケだ。
FaceBookは、ずっと食わず嫌いできていた。いや、食わず嫌いというよりかは必要なかったという感じだった。それでもアカウントを取ってみたのは今年の初め。正月明けに久しぶりに飲んだ学生時分の友人の一人がFaceBookをやっていたのだ。
「SNSやっててね~」という彼は、我々がが飲んでる姿を店員さんに自分のスマホで撮らせて、何の躊躇もなくFaceBookにアップ!それまでのネット経験から「おいおい、何の断りもなくアップかよ」と思いつつ、彼がどんなネット活動をしているのか知りたくてアカウントを取ってみたのだ。
で、彼の投稿を見てみると、食べ歩きのラーメンばっかり。（笑）
ああ、なるほどこんな感じなのねと思いながら周りを見てみると、これがご近所さんから子供の保護者仲間、お世話になってる保険屋さん、あるいは昔の同僚にネット仲間に配偶者の知り合いまで、いやはや、こんな沢山の人たちがFaceBookをやっている事に驚いた。
それで、しばらく眺めてはいたモノの、ぶっちゃけ友人のラーメン食べ歩きもそんなに興味が惹かれる内容ではなく、かといって投稿してみたい気になるワケでもなく、正直、この手のSNSはFaceBook以前に十分事足りていたという事情もあり、2週間もしないウチに遠ざかってしまったのだった。しかし、今春にセガレが中学入って部活を始めてから状況一転。コーチと保護者間はFaceBookで連絡取り合いましょうになり、突然にFaceBookが日常に入ってきたのだ。
インターネットを始めたのは1996年、雑誌に載ってるURLを打ち込んでは、それのWebPageをただただ眺めるところから始まり、その後Yahoo! Japanなるページを知って、「あっ、確かにネットには検索サービス必須だな」なんて思った頃からのネットユーザーである。
当時は、Yahoo!はポータルサイトというよりかは検索サイトのイメージが強かった。最初に表示するページを便利なYahoo!に設定したまま20年、私のポータルサイトは現在までYahoo!である。で、そのうち、Yahoo!は検索以外にも色々なサービスを始めるようになって、2000年頃から私はその中のひとつであるYahoo!掲示板、通称「ヤフ板」にハマっていくのである。その頃は職場で不本意な配置転換をされていた時期で、そのうっ憤をヤフ板で発散させていたのであった。趣味のオートバイカテにガンガン書き込みをしているうちにどんどん仲間が増え、挙句は全国大会と称したツーリングオフ会まで開催して、それはそれで凄く楽しかった。あれは、30代前半にして私の青春の集大成だったように思う。
そんなこんなで、一時期はヤフ板オートバイカテの有名人だった私だが、今度はそこで知り合った友人からMIXIを紹介される。そこは、それまでのやるかやられるか（笑）の戦場でプライベートな事など一切書けないヤフ板とは違い、勝手知った仲間たちと緩く繋がれるコミュニティであった。当然、ある程度のプライベートも公開できる癒しのスペースでもある。ヤフ板で特別に仲良くなった仲間と閉ざされたコミュニティを作り、その中で日々の出来事や子供の成長などを共有するのは楽しかった。勿論、そこは職場や家庭、あるいは旧友やご近所といったリアル社会からは完全に切り離された独立した人間関係空間である。当時のMIXIは本名使用が建前だったが匿名での利用も可能で、当然私は匿名、つまりヤフ板での通り名で使用していた。
という事で、ネット空間で遊ぶことには手慣れた私ではあるが、そんな私からしてみるとFaceBookの空間というのは、それまで体験してきたネット空間とは雰囲気が全く違う。それまでのネット空間はは全て匿名空間だったのだが、実名参加のFaceBookはまるっきりリアル空間の延長なのだ。正に、職場や旧友やご近所の世界が端末の中に展開している。つまり、これまでの匿名空間のように、文章によるキャラだけで成立している空間で、ゼロから新しい人間関係を構築していくという部分が全くないのだ。
私などは、この文章によるキャラだけの空間に、こちらも新たなキャラを作って参加して、全く新しい人間関係を構築するのに面白さや醍醐味を感じるものだが、しかし多くの人にしてみれば、そんな新たなキャラ設定や人間関係の構築などは面倒なだけの話だろう。ネット掲示板やSNSの最大の楽しみは自分の書いた文章に沢山のレスが付く事だから、であれば実名空間で素性の分かる相手を見つけて楽しむ方が安全で手っ取り早いハズである。それ故に、FaceBookはあれだけ流行るのだろう。しかし、私のように匿名空間での自由闊達さを一度でも経験してしまうと、リアルの延長であるFaceBook空間では物足りないのだ。リアル故に思い切った言動はできないし、それ以前に、こちらはネットでしばしリアル空間から逃れたいと思っているのに、そこでリアルの人間関係に縛られるのでは本末転倒である。
勿論、セガレの部活動関連ではFaceBookのお世話になるしかないのだが、それにしても必要以外の部分を色々と押し付けてくるところがまた、あのサービスのウザったいところである。
よって、そんなFaceBookに触れるにつれて、改めて匿名にて自由闊達に言動できるスペースが欲しくなり、この度のブログ開設に至ったのである。古巣のヤフ板は制度疲労を起こしており、もはやかつての面白さはない。MIXIも、あの決まりきった仲間内以上の広がりは期待できないであろう。となると、解決策は匿名にてブログをする事になるのかなと思い至ったのである。まぁ、匿名といっても分かる人には分かるように、あちこちに伏線は敷いているつもりだが。（笑）それにしても、ブログが流行り始めた頃は、自分の日記を世間に晒して何が面白いのかなどと思っていたモノだが、人も世の中も変わっていくものだとつくづく思う今日この頃である。さて、このブログが今後どんな展開を生むのか、あまり過大な期待はせずにのんびりと楽しんでいこうと思う。