パレスチナ問題について想うこと

今月に入って、パレスチナが大変なことになっていますね。
音楽フェスが襲われたり、あるいはガザ地区の100万人が家を失ったり。
これについては、個人的には津波のようなモノだと考えています。
今回は、そのあたりのことをつらつらと書いてみたいと思います。

無関心でいたことに、すこし反省です。

今月に入り、パレスチナのあたりがとてもきな臭くなってきました。
連日のニュースでも、ロシアのウクライナ進行を抑えてトップ項目です。
そして、その内容はかなり凄惨ですね。

音楽フェスの会場で260人超が射殺されたとか、100人以上が人質として連れ去られたとか。
日本でこれだけの人が殺戮された事件など、ここ数十年発生したことなどないでしょう。
ネットには壮絶な動画もアップされているようで、唖然とするばかりですね。
想像を絶する非人道な行為に、怒りをおぼえる人も多いことでしょう。

パレスチナ問題については、1993年のオスロ合意で一区切りしていたモノと思っていました。
ですので、最近のミサイル攻撃や迎撃のニュースは、正直意味不明だったのです。
あらためて確認すると、いまはハマスというテロ集団がガザ地区を牛耳っているのですね。
これまで、この問題に無関心でいたことに、まずは反省です。

今回の奇襲攻撃で、イスラエル側はハマスを根絶やしにするといっていますね。
国を挙げての掃討作戦ということで、地上戦も時間の問題のようです。
しかし、その気持ちはわかりつつも、この姿勢に賛同できない人も多いのではないのでしょうか。
かくいう私も、素直にハマスせん滅には賛同できない心持です。

ぶっちゃけ、因果応報だと思います。

ハマスせん滅に素直に賛同できない理由は、ハマスが牛耳るガザ地区の恒常的な惨状ですね。
ぶっちゃけ、あれはゲットーです。
因果応報でハマスのような組織がでてくるのも、あれでは必然だと思いますね。

そしてハマスの存在よりも、それが支持されていることが問題です。
たとえば日本でも、ハマスのような過激な組織はゼロではありません。
しかし、あのようなことにならないのは、支持する人がほとんどいないからです。

逆にいえば、パレスチナの人たちはそれだけ追い込まれているということですね。
たぶん、ハマスの構成員ひとりひとりは純粋でマジメで一途な人たちなのだと思います。
それゆえに支持を集め、あのような組織的な襲撃ができるのでしょう。
考えれば考えるほど切なくなるばかりですね。

飢えたライオン以上に、飢えた人間ほど怖いモノはありません。
あの音楽フェスの惨劇は、パレスチナ人民の苦難の裏返しなのです。
ですので、たとえハマスを根絶やしにしても問題はまったく解決しないでしょう。
もちろん、それは第二、第三のハマスが登場するからですね。

そう考えると、やはりハマスせん滅には賛同できないです。
かといって、ハマスの暴力が許せるものでもありません。
同じ人間としてどのようなスタンスに立つべきなのか、非常に悩ましいところですね。

個人的には、津波のようなモノだと思います。

第三者として、イスラエルがもっと譲歩すればいいようにも感じます。
しかし、彼らにとって、それはとてもハードルの高い話なのでしょう。

イスラエル人は、2000年以上にわたって迫害されてきました。
そこで民族的に培われた、「やるかやられるか」の意識は相当のモノだと思われます。
それは、パレスチナ自治区との間に建てられた壁の高さからひしひしと伝わってきますね。
これを解消するには、迫害されていた2000年間と同じだけの時間が必要なのかもしれません。

また、あの一帯は古代から、多数の民族が入り組んで共存しているトコロです。
そこに、単一民族国家を樹立すること自体に無理があるのでしょう。
そのひずみが影響している部分も大きいと感じられますね。

しかし現代の国際社会は、民族国家を構成単位として成立しています。
このスキームは、あとしばらくはかわることはないでしょう。
そう考えると、このパレスチナ問題は本当に根深いと思いますね。

私は、この事案については津波と同じだと考えることにしました。
音楽フェスや空爆の犠牲者は、突然の津波に飲み込まれてしまったようなモノなのです。
ここまでなすすべがないのであれば、これはもう自然災害と同じですね。

戦争や紛争は人間が引き起こすモノなので、人為的に抑え込めるように思えます。
しかし、それもまた一種のおごりなのかもしれません。
そしてそう考えれば、やるべきことも見えてくるように思います。

もちろん、和平に向けた交渉とやらも必要でしょう。
ただ、それに頼るというのは、いまだ方式が確立していない地震予知に頼るのと同じですね。
ましてや、ハマスの根絶やしなど、まったくもってナンセンスです。
これでは津波対策として、海の水を干してしまおうといっているようなモノですからね。

津波に対してもっとも有効な対策は、安全な高台に移動することです。
これがパレスチナ問題に対して、いま一番に必要なことでしょう。
具体的には、希望するパレスチナ人民に海外移住の道を示すといった支援ですね。
これしか、この問題を解決する手段はないように思います。

「私たちには恐怖から逃れる術がない」
そういって泣き崩れるガザ地区の女の子の映像が、TVで流れていました。
彼女が安穏するためには、一刻も早くこの危険地域から脱出するしかありません。
そのようなスタンスで、これからもこの問題を注視していきたいと思います。