成人式は周りの大人のためのモノ

今年、息子が成人式を迎えました。
これまで、成人式にはあまり感慨がなかったのですが、はじめて良いモノだと思いましたね。
なるほど、成人式とは周りの大人たちのためのモノなのだと、この歳で気づくことができました。
では、そのあたりの心情を、つらつらと書いてみたいと思います。

息子が成人式を迎えました。

今年、息子が成人式を迎えました。
彼がやってきて20年、早かったような、でもいろいろなことがあった20年でしたね。
もちろん、式典には参加というコトで、朝からバタバタと準備です。
ひさしぶりに小中学校時代の友人と会えるので、彼もどこかうれしそうでした。

そんな彼を横目で見ながら玄関掃除をしていると、お隣にクルマが停まりました。
クルマから降りてきたのは、晴れ着姿のお嬢さんです。
お隣のお嬢さんは息子と同い年で、彼女も今年成人式なのですね。
そして、彼女の振り袖姿にいたく感動してしまったのでした。

お隣さんが引っ越してきたのは18年前、あのとき2歳の彼女はとても小さかったです。
ママに手を引かれてあいさつに来てくれた日のことを、今でも鮮明に思い出すことができますね。
あの頃の彼女を知る者として、この振り袖姿には感無量のモノがありました。
本当にきれいで可愛くて、よいお嬢さんになったなぁと感慨もひとしおですね。

ということで、振り袖姿の彼女を囲んでお隣さんとテンションも上がります。
ぜひ配偶者にも見てほしいとなり、最終的には息子も混ざって皆で記念写真となりました。
二人ともしっかり大人になってくれたことに、親としては感謝しかありませんね。
そして、この歳にしてはじめて、成人式も良いモノだなと思ったのでした。

成人式の意義がよくわからずにいました。

ちなみに、長らく私は成人式の意義がよくわからずにいました。
ぶっちゃけ、二十歳になったからといって何かが大きく変わるワケではありません。
個人的には、クルマの免許が取れる18歳の方が劇的変化です。
それなのに、あのようなお祭り騒ぎをする意味が、まったくもって理解不能なのでした。

実際、私が二十歳のときは、成人式は出ても出なくてもどちらでもよい感じでしたしね。
あのときは、ただただ母親の願望につきあったといったトコロです。
彼女にとって、成人した息子にオーダーメイドのスーツを着せることは一世一代の夢なのでした。

しかし、そのような母親のこだわりなど、息子の側からすれば迷惑なだけですね。
しかも、そのスーツがダッサダサのデザインで、あれで旧友に会うのがたまらなく嫌でした。
すごく不貞腐れた顔で写っているあのときの私の写真が、まだ実家に残っていますね。

当時は、クシタニの革ツナギに身を包み、オートバイで参加したいぐらいに思っていたモノです。
現に、普段着で参加している人もいてうらやましかったですね。
成人式など、別に頼んでもいないのに祝ってやるから的な、上から目線の高慢ちきで下劣なイベント。
そんな風に考えての反発心のようなモノもあり、我ながらなんとも若かったと思うばかりです。

そして今回、息子やお隣のお嬢さんの晴れ着姿をみて、ようやく理解することができました。
なるほど、成人式とは周りの大人たちのためのモノなのですね。
今であれば、母親が私にオーダーのスーツを着せたかった気持ちもよくわかります。
あのとき、もうすこし嬉しそうな顔をすればよかったかもしれないと、今更ながら反省しました。

成人式は、周りの大人が成人を祝うお祭りです。

あらためて成人式を調べてみると、発祥は埼玉県の蕨市なのですね。
元々は、終戦で意気消沈した若者を励ますために始まったイベントとのことです。
その後、なかなか良いイベントというコトで全国に広がり、最後は国民の祝日になったようでした。

当時は勤労青年も多く、悩める若者がたくさんいたのでしょう。
若者を周り大人が励ますというイベントは、現代でも大いにアリだと思いますね。

ちなみに、蕨市での第一回成年式では、式典のほかに芸能大会やバザーなどもあったようです。
なんと、3日間にわたって繰り広げられたといいますから、まさに祭りですね。
このような歴史を知っていれば、成人式に対する見方もまた違っていたかもしれないです。

そして、お祭りという元々の意義を思えば、振り袖姿でキャッキャする女性の姿は自然なことですし、あるいは仮装パレードのような連中がいたり、さらにはヤンキー車で大立ち回りする輩もアリなのかと思ったりするのでした。単純に、成人式についての課題は、祝う側と祝われる側のジェネレーションギャップだけなのかもしれないですね。

息子の成人式については、彼を送迎ついでに傍聴してきました。
新成人による手作り感のある式典で、とてもよかったですね。
会場ではかつてのパパ&ママ友とも再会できて、こちらもまるで同窓会のようでした。

息子も小中高と連日の同窓会で、大いに楽しめたようですね。
春からインターンが始まる彼にとっても、よい癒しと励みになったと思います。

いくら世の中が豊かになっても、若者の悩みが尽きることはないでしょう
そして、高齢化が進む昨今、彼らは社会の宝ですからね。
成人式は終わりましたが、これからもお節介にならない程度に支えていきたいと思うばかりです。