18÷0の話

ネットで、18÷0の話題を見かけました。
コメントなどもみましたが、やはりわからない人が多いのだなと思いましたね。
そもそも、教える立場の先生がよく理解していないようで、トホホという感じです。
今回は、0の割り算について書いてみたいと思います。

18÷0の答えは0??

ネットで、18÷0の話題を見かけました。
なんでも、小学校のテストでこの問題が出て、答えなしと書いたら×をつけられたとのこと。
挙句、×をつけた先生は、18÷0=0と教えたようで。
それはヤバすぎるだろうと、SNSを中心に盛り上がったようですね。

それで、この記事に関するコメントもみましたが、やはりわからい人が多いという印象でした。
実際、配偶者にも同じ質問をしたところ、答えは0と言われて愕然です。
たぶん、0÷18と勘違いをしているのでしょうね。
でも、数字に興味がない人なら、このような理解になるのも仕方ないかもしれないです。

ネットには、18÷0の解説がいろいろとありますが、正直どれも分かりづらいですね。
いちばんかんたんな理解は、掛け算に置き換えてみることです。
18÷0=□は、□×0=18ですから、答えがないのは明白ですね。
ただ、この説明は、数字にアレルギーがある人にはすこし抵抗があると思います。

ちなみに、私の理解は、割り算は割る数があってはじめて成立するモノであり。
割る数が0は割る数が存在しないということで、要は割り算としての体のなしていない。
よって、答えなしが正解以前に、18÷0という式を提示するコト自体が間違い、となります。

18÷0は、論理的にあり得ない。

なお、0÷18は、ないモノを何人で分けようが、ないモノはないで答えは0。
つまり、18÷0と0÷18は、その意味合いがまったくちがうのですね。

ただ、この説明でも、数字が苦手な人にはわかりづらいと思います。
足し算や引き算、掛け算であれば、足す数、引く数、掛ける数がなくても成立しますからね。

これについては、論理的にあり得ないと理解するしかありません。
具体的には、文章問題をつくることができないということですね。

足し算であれば、18個のリンゴがあって、今日の収穫はありませんでした。
リンゴの合計はいくつですか?という問題が作れます。

引き算も同様に、18個のリンゴがあって、今日はひとつも売れませんでした。
リンゴは何個残っていますか?になります。

掛け算なら、一箱あたり18個のリンゴが入った箱がひとつもありません。
リンゴの総数はいくつですか?といったところでしょう。

ところが、割り算は、これらのようになりません。
18個のリンゴを誰にも分けていません。一人あたりのリンゴの数は何個ですか?
これでは、分けていないのに一人あたりってどういうコト??という話になりますね。

もし、この答えが一人あたり0個としましょう。
そうすると、リンゴの数は0×0=0で、元々の18個と矛盾してしまいます。
つまり、0で割る話は、なにをどうしても論理的に破綻してしまうのですね。

数字の世界の深淵をのぞいてみるのも良い体験。

もちろん、数学というのは論理の極みのような学問です。
すこしでも論理が破綻するような話は、絶対に許されません。
よって、18÷0は答えなし以前に、このような式を立てた時点で間違いとなるのですね。

なお、高校生ぐらいになると18÷0は無限大といったようなコトを習います。
しかし、これは割る数が限りなく0に近づいたときの話で、0で割るというコトではありません。

すこし屁理屈気味ですが、これが通るといろいろな計算ができるようになります。
要は、論理が破綻しない範囲であれば、あとは便利さ優先なのですね。
そして、高校の数学でも、18÷0は存在自体があり得ないという結論になるのです。

しかし、小学校の先生が、18÷0を間違えるのはよくないですね。
小学生のときにこんな間違ったことを教わったら、高校の数学で混乱してしまうと思います。
また、これを指導要領範囲外と逃げる文科省の姿勢も微妙ですね。
割り算とゼロの数を教えておいて18÷0を教えないのは、どう考えても片手落ちです。

そもそも、私はこの0の除算を、小学生のときに習った記憶があります。
確かに、理解は難しいかもしれませんが、覚えること自体は不可能ではないですね。
もちろん、0の除算の考察は禅問答的ですので、多くの子どもはフリーズすることでしょう。
しかし、それはそれで、数字の世界の深淵をのぞき込んだという良い体験になると思うのです。

そして、そのあとは機械的に18÷0はあり得ないと、分数の割り算的に覚えればいいのですね。
もしテストに出すのであれば、答えを書かないのが正解とします。
答えなしが正解の問題など珍しいでしょうから、子ども達には強烈な印象になるでしょう。
小学校の算数であれば、それで十分だと思いますね。

そして、興味を持った者が、中学校や高校で深堀すればよいのです。
そのためにも、学校では正しく、大切なことは記憶に残るように教えてほしいですね。
そうすれば、SNSで炎上する先生も出てこなくなると思います。