あいつとララバイ、再び
友人ととあるSNSで、あいつとララバイ話で盛り上がりました。
やはり、この作品のファンは多いですね。
本作については、以前にもこのブログで取り上げています。
前回は登場人物への想いを書いたので、今回はストーリーについて書きたいと思います。
あらためて読み直してみました。
友人ととあるSNSで、あいつとララバイ話で盛り上がりました。
あらためて、本作のファンは多いことを実感しましたね。
本作については、以前にもこのブログで取り上げています。
前回は登場人物への想いを書いたので、今回はストーリーについて書きたいと思います。
ちなみに、現在手元にあるのは沢木の章が始まる12巻からです。
数年前にkindle版を購入したときに、取りあえずここからって感じで揃えました。
実家には1巻から北海道編まで揃っていますが、今回は沢木の話から書いてみたいと思います。
今回、3年ぶりに読み返してみて、本作はエピソードの構成も巧みなことに気づきました。
時代の変化にあわせつつ、不良抗争編と公道バトル編、そしてラブコメが交互に登場します。
ですので、飽きずに読み続けることができるのですね。
それで、この研二クンにBikeを教えた沢木の話は、不良抗争編の締め括りになります。
本作の連載がはじまった1981年は、まだまだツッパリや暴走族がメジャーな存在でした。
積木くずしというドラマが流行り、近藤マッチがハイティーンブギを歌っていた頃ですね。
しかし、そこから数年で、これらの風潮は下火になります。
そして、時代の変化にあわせ、あいつとララバイも路線変更になったのでしょう。
この話で、旧世代の準レギュラーであるヒロシや本牧レディは事実上の引退となりました。
そして、恭介はキャラ変更されることで、最終話まで登場するコトになります。
この、実に巧妙なストーリー展開には、思わず唸ってしまいました。
楠先生には、とても優秀な編集スタッフがついていたのだと、個人的にはそう思います。
この話を読むと、あらためて沢木にシンパシーを感じますね。
一番の理由は、沢木のクセであるステップへのつま先立ちです。
実は、私もつま先立ちだったりするのですね。
沢木のスタイルが自分と同じであることに、妙なうれしさを感じます。
このあたりは、オートバイ乗り特有の感慨かもしれないですね。
北海道編を経て、リアルな公道バトル編に移ります。
沢木のあとは、カオリのラブコメ話で閑話休題。
恭介との首都高逆走バトルを経て、場所を変えての北海道編がはじまります。
しかし、この首都高逆走バトルというのもすごい話ですよね。
個人的には、最も好きなバトル話ですが、今なら炎上必須でしょう。
「どれだけハートが熱くなるか…」で済まされた時代が、とても懐かしいです。
北海道からマキオまでの原宿テディボーイスが、不良抗争編から公道バトル編への過渡期。
このあたりまでは、まだノーヘルの人が多数登場します。
それにしても、死神ライダー赤木は、あいかわらず格好いいですね。
2st乗りの端くれとして、グッとくるモノがあります.
マッハに死神を結びつける楠先生のセンスが冴えわたっています。
本当に楠先生は、クルマオートバイがメルヘン的に好きなのですね。
そして、このあとの水曜日のシンデレラで、ララバイは公道バトル編に路線変更を果たします。
SRX-6を駆る爽やか大学生の早瀬クンが登場して、いよいよバブル期に突入という感じですね。
シンデレラと勝負がついたあとは、友美ちゃんといっしょの沖縄編です。
この沖縄編は、かつての不良抗争編への回帰ですね。
この、三歩進んで二歩下がる的なエピソード構成が、本当に秀逸だと思います。
沖縄編といえば、やはりこのカットですね。
嘉手納のあたりの雰囲気が、本当によく表現されています。
楠先生は、北海道に行かずして北海道編を描いたそうですが、沖縄はどうなのでしょうか。
沖縄編は、とてもハードボイルドなお話です。
それに、研二クンや友美ちゃんのキャラが、とてもよい感じに融合していますね。
ララバイ話で盛り上がった友人は、この話が一番好きだと言っていました。
そして、沖縄のあとは、公道バトル編のクライマックスである首都高キング編です。
このキングが醸し出す、速いヤツオーラがたまりませんね。
楠先生の画力には、あらためて驚くばかりです。
そして、このキング編はキリンの世界観に通じるモノがありますね。
これはこれで、沖縄編とはまた違ったテイストのハードボイルドだと思います。
キングは、最後まで素顔を出さないのもシブいです。
ラストシーン、片手をあげて渋滞の中に消えていく様が、またなんともですね。
劇中、研二クンと引き分けたのはキングだけです。
ララバイで最速の漢はキングだと、個人的にはそう思いますね。
やはり、星屑兄弟の話が一番好きです。
キングとバトルしたあとは、皆川るみ子ちゃんとのラブコメで一息です。
このあたりから、研二クンは追う立場から追われる立場になるのですね。
そして、私が一番好きな星屑兄弟の話になります。
星屑兄弟は、ララバイで最初で最後的に、事故死について向き合ったエピソードですね。
これまでと違って、根底に切なさや悲しさが漂っているお話です。
あらためて読むと、ボンバーの親父と井田さんの会話がよいですね。
オートバイという趣味の本質について、いろいろと考えさせられます。
そういう意味でいうと、とても真摯でマジメな話のようにも思えますね。
もちろん、そこに研二クンのキャラが良い感じでミックスされて。
切ないながらもまた前を向いて歩いていけるような、そんな気持ちにさせてくれるエピソード。
バトルの最後はエンジンブローというのも秀逸です。
そして、ラストシーン、この爽やかな研二クンの見開きが泣けますね。
ということで、個人的にはこの星屑兄弟で実質的なエンディングです。
そのあとの、不良抗争回帰版のようなニューヨーク編も悪くありませんが。
研二クンがサーキットでレースするようになったら、物語はお終いでしょう。
ラストシーン、横浜をバックにした研二クンと友美ちゃんとZⅡが、素敵すぎます♪
ちなみに、私はララバイのラブコメ部分も好きです。
その観点ならば、研二クンと友美ちゃんより、恭介とじゅんですね。
北海道編のこのシーン、夕陽をバックにした恭介の後ろ姿がシブです。
このあと、じゅんの告白シーンと続いて、ラブコメ的にはここが一番好きですね。
というか、やはり恭介は良いです。そもそもが、ドカ乗りですしね。
ということ、ララバイを語り始めると、いくらスペースがあっても足りません。
そして、令和の今、読み返してもおもしろいのがすごいですね。
いつでもどこからでも読めるように、近々、kindle版で全巻を揃えようと思います。