今のオートバイ雑誌を読んでみました。

先日、43年前のオートバイ雑誌を読んで、いろいろと感じるトコロがありました。
そして、ひさしぶりに最新版の月刊オートバイを買ってみました。
昔の雑誌と読み比べてみると、変わったこと、変わらないモノ、いろいろです。
今回は、そのあたりのことを、つらつらと書いてみたいと思います。

2024年4月号の月刊オートバイを買ってみました。

先日、43年前の月刊オートバイを読んで、いろいろと感じるトコロがありました。
そして、週末に本屋にいってみると、最新版の月刊オートバイが陳列してあります。
立ち読みしてみると、知らないオートバイの記事ばかりですね。
ひさしぶりに腰を据えて読みたくなり、購入してみました。

Bike雑誌は基本、絶版車カレンダーがついているMr.Bike BG の1月号しか買いません。
月刊オートバイを、純粋に雑誌として読みたくて買うのは何十年ぶりでしょう。
まずは、昔の雑誌よりサイズが一回り大きいことに、時の流れを感じます。

また、サイズ以上に厚みが全然ちがいますね。

月刊オートバイといえば、かつては手にした感じが電話帳でした。
ところが、今はRiders Club のようです。
紙質も良く、グラビアもとてもきれいで文字も大きく読みやすくなりました。

表紙をめくって最初の広告は、スズキのGSX-8Rです。
昔のXJ400Dのような、琴線に触れるコピーはありません。

次の広告は、KawasakiのZ900RSと600RSです。
イラスト風の写真がすてきですが、すこし盛った感じがしないでもないですね。

いずれにしても、昔の気合の入った広告と比べて、あっさりした感じがします。
このあたりは、往年のオートバイブームとの温度差なのかもしれないですね。

ひさしぶりのインプレッション記事が楽しいです。

巻頭の特集は、スズキのGSX-S1000GXでした。

このオートバイ、旅に走りに普段乗りにと、なんでもござれという感じですね。
電子制御の足回りと相まって、とても速く、乗り心地もよさそうです。
なによりも、抜群に運転しやすそうなBikeですね。

次は、同じくスズキのGSX-8Rです。
こちらも、発売されたばかりの新型モデルですね。

実はこのモデル、すこし気になっていたのでした。
なにはともあれ、形が好みです。

記事を読んでみると、エンジンが270°クランクのパラツインとのことでした。
四発だと思い込んでいたので意表を突かれましたが、メチャクチャ使い勝手が良さそうですね。
ひと言でいうと、大人向けのCBR250Rだと思います。
こちらも、旅から走りから普段乗りまで、なんでもござれの感じがしますね。

いまは、電動のBikeもいろいろあるようです。
本誌では、Kawasakiのe-1というBikeが紹介されていました。
記事によれば、400ccクラスの車体で動力性能は原付二種レベルとのことです。
それでお値段106万円ですから、ずいぶんとチャレンジングな商品だと思いました。

インプレッション記事はあいかわらず、当たり障りがなく中学生向けのような内容です。
ぶっちゃけ、インプレッションだけなら、YouTubeの試乗動画のほうがわかりやすいですね。
ただ、このようなグラビア記事を眺めつつ、あれこれと妄想するのは楽しいです。
そして、これが本来のBike雑誌の楽しみ方なのかもしれないと思いました。

キャラは変われど、アイデンティティは同じです。

インプレッション以外では、ハンターカブとトリシティの雪上走行対決という記事がありました。
私も、ここ数年は雪上走行を楽しんでいますが、いまは全国的にブームなのですかね。

しかし、同じ対決記事でも、43年前はCB1100RとGSX1100カタナの対決記事でした。
それと比べて、どこか隔世の感がしますね。

ロイヤルエンフィールドをベースにした、カスタムサイドカーの紹介記事です。
月刊オートバイらしからぬ、とてもハイセンスなグラビアにびっくりしました。

メンテナンス関係の記事は、昔と比べてなかなか秀逸だと思います。
ネジの換装に関する記事も、理にかなった内容でおもしろかったですね。

また、レース関連の記事も、あいかわらず充実しています。
レースにはほとんど興味がない私でも、読み応えのある内容でした。

ただ、さすがに「俺達のサーキット」のような不適切コーナーは皆無ですね。
また、アイドルのトークコーナーのような記事もありません。
もちろん、Bikeとは無関係な記事もありますが、その内容は頻尿についてでした。
43年前とは、ターゲット読者の年齢層が全く違うことを痛感しましたね。

また、かつての「峠越え」のような骨太記事もありません。
その代わりというワケではありませんが、オートバイ男子部というコーナーがあります。
ここでは、イケメンの若手俳優さん達が、Bikeについて爽やかに語り合っていました。

なるほど、これが今どきのBikeに乗る若者なのですね。
ひと言でいうと、とてもお行儀が良いという印象です。
43年前の読者コーナーなどにあった、泥臭くてギラついた感じは微塵もありませんね。

そして、お行儀の良さはオートバイも同じだと思いました。
巻頭のGSX-S1000GX、あるいはGSX-8Rにしても、とても優等生なマシンですしね。
今回の月刊オートバイには、別冊で国産車大図鑑がついています。
それを眺めても、昭和の頃のズキズキさせてくれるようなマシンはほとんどありませんでした。

ぶっちゃけ、巻頭特集のS1000GXや8Rには、どこか物足りなさを感じます。
その理由は、たぶんこのお行儀の良さなのでしょう。
あらためて、43年で世の中は洗練されて丸くなったのだと思います。

とはいえ、グラビアを眺めてあれこれ妄想する楽しさは昔と同じですね。
また、オートバイ男子部の俳優さん達が語ることにも、共感する部分は多いです。
結局のトコロ、世の中が変われどオートバイの魅力は不変なのでしょう。
そんな気付きを与えてくれた月刊オートバイに、すこし感謝の週末でした。