最上川と加茂川

こちら、河川ではなく日本酒のお話です。
このふたつの銘柄は、最近の我が家のツートップ、どちらも地元のお酒です。
素朴ながらとても味わい深いお酒で、たいへん気に入っています。
今回は、この銘柄と日本酒について、想うトコロを書いてみます。

素朴で飲み飽きしないお酒です。

最近はまた、日本酒をメインにお酒を楽しんでいます。
そして、現在の我が家のツートップは、小屋酒造の最上川と株式会社加茂川の加茂川です。
どちらも、素朴ながら、とても味わい深いお酒でお気に入りです。
そして、飲み飽きもせず価格もリーズナブルと、もはや言うコトなしですね。

最上川は一昨年、新庄に遊びに行ったときに、新庄駅のお土産売り場で出会いました。
見るからにおいしそうなオーラが出ていて、飲んでみたら予想以上です。
完全にハマって、今では最上方面に行くたびに一升瓶で購入しています。

そして、もうひとつの加茂川は、今年に入って白鷹町の産直で出会った一本です。
こちらも見るからにおいしそうで、四合瓶で買ってハマって、今回一升瓶で購入しました。
ちなみに、ここの酒蔵は、あの愛染峠の白鷹側入口の鮎貝という集落にあったりします。

肝心のお味ですが、最上川はどっしりとした、いかにもといった感じの純米酒です。
しかも、ただどっしりしているだけではなくて、その中にまろやかさと品があるのですね。
飲み進めると、どこか懐かしい感じがして、もちろんまったく飲み飽きしなくて。
地元ならどこでも手に入り、お値段も一升瓶で2,800円と良心的で、とてもお気に入りなのです。

加茂川も、基本的には最上川の路線ですが、こちらはもうちょっとワイルドですね。
このワイルドなところが非常に私好みで、しかも一升瓶で2,200円という価格も魅力的です
そして、これらツートップで日々の疲れを癒している、今日のこの頃なのです。

お酒が美味しくても、酒蔵の経営は大変。

最上川は、元々は最上川酒造という蔵で造られていました。
数年前に蔵が廃業になり、同じ最上地方の小屋酒造がブランドを引き継いで造っています。
また、加茂川も、四年前に蔵が自己破産しました。
こちらは、米沢の酒卸業者が出資して設立された新会社で、なんとか続いている状態です。

やはり、いくらお酒がおいしくても、地方の酒蔵経営は大変なのですね。
どちらも、地元は過疎が進み、全体的な需要が減っているのが一番の理由だと思います。
お酒を飲む人がいなくなれば、蔵も存続できなくなるのは自明のことですね。

ここで思うのが、十四代を造る、同じ地元の高木酒造との対比です。
十四代は、いまとなっては地元でも入手困難なプレミアム酒ですね。
実は、今年の三月に、この十四代を口にする機会があったのでした。

ひさしぶりに口にした十四代は、確かに、間違いなくおいしいお酒です。
そしてそれプラス、よくマーケティングされたお酒だなと思ったのでした。
要は、世の中にウケる味というモノがよくわかっていて、それを具現化している感じなのですね。
なるほど、それで高木酒造はあれだけ成長したのだと、妙に納得したのでした。

もちろん、マーケティング自体は悪いことではありません。
酒造りも企業活動である以上、それが正道であるとも思います。
そもそも、狙った味をあれだけの高次元で造り出す技術力がすごいですね。
ただ、それだからこそ、あまり商売っ気がない最上川や加茂川の素朴さに惹かれてしまうのです。

お酒は、その土地に吹く風を愛でるように。

この国には、集落の数だけお酒があります。
そして、それは醸し出されるその土地に根ざしているのですね。
これについては、日本酒に限らずワインやウィスキーなど、他のお酒でも同じことです。
原材料や水、そして発酵条件などで、お酒のキャラクターは千差万別なのですね。

なおかつ、アルコール発酵というのは、実はとても身近な現象だったりします。
ですので、古今東西、人間の傍らにはお酒があり、そして人類の友人なのでしょう。
このあたりは、実際に酒造りを体験してみると、とてもよくわかります。
お酒とは、なにもそんなに特別なモノではないのですね。

あらためて、マーケティングは正道だと思います。
ぶっちゃけ、それなしでは生き残れない世の中ですしね。
十四代は、まさにビジネスの教科書通りの事業展開で、これはこれですばらしいことです。

ただ、その結果として、必要以上においしすぎて、さらに地元でもおいそれとは手に入らない。
これでは、お酒と人類の関係に立ち返ったときに、本末転倒のような気がするのですね。
お酒はもっとナチュラルに、その土地に吹く風を愛でるように楽しみたいです。
それでこそ、お酒は人類の友人足りえるのでしょう。

ということで、最上川や加茂川のようなお酒が、これからも存続しますように。
一酒飲みとしては、そう願うばかりですね。
いま住む地域のお酒ですし、これからもささやかに応援していきたいです。
そして今宵も、地元のおいしいお酒で晩酌を楽しみたいと思うばかりですね。