転職顛末記-08
このOJTとは、トレーナーがつきっきりで実際にお客様対応をする訓練である。まぁつきっきりといってもそこは遠隔、応対内容を聴きているトレーナーが状況に応じてチャットで次々に指示を出してくるやり方だ。そして熟練度が上がるにつれて、トレーナーからの指示が減ってくるという図式である。「OJTはトレーナーさんの指示に従えばいいから大丈夫ですよ~。」とは、遠隔研修中に聞いた話ではあるけれど、実際にやってみるとお客様の話を聞きながら複数の業務システムを操作し、かつトレーナーからのチャット画面もチェックしながらなので非常に忙しい。もう端末の前で聖徳太子状態である。それでも、トレーナーさんがいてくれるのは非常に心強いし、これがなくてはとてもデビューできないであろう。
という事で、いよいよの初受電。システムを待ち受けに切り替えて間もなく電話が鳴る。2コール目に意を決して電話を取る。記念すべき最初のお客様は年配の女性だ。 先週末にPC調子が悪くなり再インストールするも何かが変。 そして今朝立ち上げてみたら、WordもExcelもすべて消えてしまったとの由。 もう会社の仕事ができなくて困っているとの訴えである。 すかさず、トレーナーからアドバイスが飛ぶ。一日10回の接続訓練を自らに課して会得した得意技の遠隔操作で無事に復旧と相成った。
「あ~、よかった~。ありがとうございます!」
こんなにお客様に感謝して頂いたのは何年ぶりだろう。 こちらも嬉しい気持ちになるし達成感も大きい。仕事でこんな感じを得るのは本当に久しぶりである。
その後も6件の受電をこなしてOJT一日目は終了。トレーナー役のYさんが「どんな感じでしたか?」と聞いてくる。「生意気かもしれませんが、すごく楽しかったです。」「それはよかった、本当に良かった!」仕事を変えてよかったと思った。まずは、なんとかやっていけそうな感触を得て一安心である。
そんなこんなでOJTを続ける事8日間、最初は当たって砕けろ的だった受電もさすがに慣れて、5日目ぐらいからは対応にも余裕も出てくる。男性トレーナーのYさんも実に分かりやすくフィードバックしてくれるので、それまで難解だったナレッジがスルスルと頭の中に入ってくる。ここにきてようやく、全てのナレッジが自分のモノにできた感じだ。やはり、この手は実践を積むのが一番なのである。
そしてOJTが始まって9日目、トレーナーさんから「良いログが取れました。本日でOJT終了となります。」とのお話あり。最終関門のデビュー認定は、OJTのログをマイクロソフトに提出しての判定待ちとなるのだ。
翌金曜日は待機日。久しぶりの平日休み。これまでの苦労を労おうと、久しぶりにドカで走りに出る。そして夕方に帰宅後、業務用端末でメールをチェックするにデビュー判定合格との由。しゅふJOBでこの仕事を見つけて3ヶ月月半、ようやくもって転職活動が完了したのであった。
そして無事デビュー後の今は、自分のペースで在宅で、日々楽しくコースセンター業をこなしている。色々と思うところはあったが、しかしひと月ちょっとでずぶの素人を一端のオペレーターに仕立てるのだから、なかなかに優れた研修だと思う。(勿論、全員が全員オペレーターになれるワケではないけどね。)オペレータとしてはまだまだひよっこだし、もっともっと勉強も必要とも思う。初心忘れず精進を続け、お客様から頼られる事でバリバリと稼げるオペレーターを目指していきたいモノである。