愛染峠にいってきました。後編
朝日鉱泉と白鷹町を結ぶ、愛染峠にいってきました。
先日、朝日鉱泉にいったときから気になっていた峠です。
今回は白鷹町側からアタックしましたが、想定外に大冒険の走りになりました。
それでは、その後編を書いていきたいと思います。
愛染峠に行ってきました。前編は、こちら。
朝日町側は廃道で走行できませんでした。
朝日鉱泉と白鷹町を結ぶ愛染峠アタック、白鷹町から峠までは想定通りでした。
ネット情報によれば、峠の先の朝日町側はしばらく舗装路とのことです。
しかし、その快適なハズの舗装路がボロボロでした。
とりあえず、道は続いています。
しかし、突然トラップのような大穴があったりするので怖すぎですね。
これに気づかず突っ込んだら、谷底に真っ逆さまです。
そして、最終的には道はただのブッシュになってしまいました。
どうやらこの山道、激しくがけ崩れしていて、そのまま放置状態のようです。
先日の朝日鉱泉で、オフローダーの兄さんが言っていたことの意味がはじめてわかりました。
がけ崩れの廃道で遭難しかけました。
ともかく、愛染峠の朝日町側は、がけ崩れで廃道状態です。
カブなら走破できるかもしれないと思いましたが、かなり厳しい状況でした。
一番厳しいのは、道路の真ん中に雨水の溝があることです。
ここにハマると、いくらカブでも二進も三進もいきません。
かといって、あまりに崖側に近づくと転落しそうですし、山側はブッシュです。
ツタや枝がカブにからまり、クモの巣にとらわれたような感じでした。
それでも、このときまでは写真を撮る余裕がありました。
右ミラーに映り込んでいる、自分の愕然とした表情に苦笑いですね。
さて、ここからどうするかです。
来た道を戻るという選択もありますが、あの山道をまた1時間かけて戻るのは大変です。
それに、せっかくここまで来たのなら、なんとか愛染峠をコンプリートしたいですね。
ここを突破すれば、ゴールの朝日鉱泉は目の前です。
ブッシュは十数メートルほどだろうと、なんの根拠もなく思い込んでしまいました。
そして、この危険地帯にカブを突っ込ませてしまったのです。
ところが、いけどもいけども、ブッシュは続くばかりです。
30分ほど格闘したところで日も暮れかけてきて、遭難の危険を感じました。
遅まきながら、ここで勇気ある撤退です。
ところが、撤退ができるかどうかも非常に怪しい状態でした。
そもそも、これまでは下り道でしたが、撤退となると急峻な上り坂です。
最悪、ここにカブを放置することも考えながら、全力でカブを持ち上げUターンしました。
転倒で打った右ひざが痛む中、泣きながらブッシュの中でカブを走らせます。
今回は、カブもがんばってくれました。
溝にハマり、ツタにからまり何度も立ち往生するも、奇跡的にブッシュを離脱です。
まさに、九死に一生を得た感じでした。
振り返っての朝日連峰側、紅葉がきれいでしたね。
そしてカブを見ると、箱のフタがなくなっています。
どうやら、ブッシュで引っかけて落としてしまったようですね。
悲しいですが、あのブッシュに引き返す時間も気力もないので、このまま帰ることにしました。
愛染峠アタックは、完全敗北でおわりました。
ということで、1時間かけて登ってきた山道を戻ります。
時計の針は15時、モタモタしていると日が暮れてしまうかもしれません。
復路で勝手がわかることもあり、すこし早めのペースでカブを走らせます。
これで日が暮れ雨など降ってきたら、命の危険にかかわりますからね。
そうしたところ、先日溶接で直したキャリアが破断しました。
箱に積んでいた雨カッパやウェスも、どこかに落としてしまったようです。
最終的には反対側の溶接も外れ、箱が落下寸前になりました。
ここで、共締めしていたリアサスの袋ナットまで落とさなかったのは不幸中の幸いです。
車載工具でキャリアごと箱を外し、シートにくくりつけました。
愛染峠からふたたび走ること1時間、なんとか山道の入り口まで戻ることができました。
気分は、現世に戻った千と千尋の千尋の気分です。
ここからは、最短ルートのR348で、17時過ぎに帰還です。
120.3km、5時間半の走り、カブも泥だらけになりました。
ということで、今回の愛染峠アタックは、完敗&惨敗でした。
右ひざを強打し、キャリアを壊し雨カッパを失い、配偶者からは大目玉です。
これまでも、二口林道や田代峠などの林道にアタックしてきました。
しかし、ここまで敗北したのははじめてですね。
一番の敗因は、参考にしたネット情報が古かったことでしょう。
あとから確認すると、どの記事も10年以上前のモノでした。
それと、思い込みでブッシュに突っ込んでしまったことですね。
多少時間がかかっても、まずは徒歩で踏破できるかどうか確認するべきでした。
ただ、ガソリンを満タンにしていたのは心強かったです。
ここは、秘境に分け入るときのマスト項目ですね。
今回の走りは楽しいながらも、さすがに恐怖を感じました。
気軽な休日の林道走りとはいえ、絶対に油断は禁物ですね。
いずれにしてもこれからも、死なない程度に秘境巡りを楽しみたいと思います。