ネットがない環境での、Microsoft Office のセットアップ方法

Microsoft Office のセットアップオペレータをしています。
そんな私がご案内する、オフラインでのOfficeのセットアップ方法です。

オンラインが基本です。

まず、2013以降のOfficeはすべて、オンラインでセットアップするのが基本です。
これが、オフラインとなると非常に手間暇がかかります。

もし、ネット環境が準備できるのなら、そちらを優先して検討した方が確実で早いです。
たとえば、スマホでテザリングするとか、または、Free Wi-Fi を利用するとか。
あるいは、パソコンを購入したお店に相談するという手もあります。
たいていの家電量販店なら、お店のネットにつないでセットアップしてくれます。

ただ、どうしてもネット接続ができない場合は、以下を参考にしてください。
そして、とても面倒で時間もかかることを覚悟してください。

最初に、製品の切り分けを行います。

切り分けのポイントは、マイクロソフトアカウントに紐づけされるかどうかです。
紐づけされるかされないかで、インストールの手順がまったく異なります。

基本的に、2013以降のOfficeは、すべて紐づけタイプです。
2020年現在、紐づけされないOfficeは、以下の3タイプだけです。

  • プロダクトキーのカードが白色の2013
  • プロダクトキーのカードが四つ折りの2016
    ※四つ折りタイプにはPremiumもあるので注意してください。
     Premiumは紐づけされるOfficeです。
     どちらなのかは、折りたたんだ時の表紙に書いてあります。
  • プロダクトキーのカードが二つ折りで、Officeの文字色がグレーの2019
    ※Officeの文字色がオレンジのモノは紐づけタイプです。
    ※surfaceに付属のOffice2019は、二つ折りではなくめくるタイプです。
     これも紐づけするしないの切り分けは、Officeの文字色になります。

紐づけタイプかどうかは、プロダクトキーのカード形状で判断します。
プロダクトキーでは確認できませんので、注意してください。
また、ネットショップからのダウンロード品はすべて、紐づけタイプになります。

それでは、タイプ別に再セットアップ方法をご案内します。

1.紐づけタイプの場合

※2021年10月12日追記
2019、並びに2021の紐づけタイプは、オフラインでインストールはできません。
厳密には、インストールはできるのですがライセンス認証が不可能です。
理由は、2021年9月25日の仕様変更により、マイアカウントページに組み込み用のプロダクトキーが表示されなくなったためです。
2019以降の紐づけタイプについては、オンライン環境が必須です。

基本的な流れは、以下の通りです。

  • 別途、ネットができるパソコンやスマホを準備する
  • ネットができるパソコンやスマホで、Officeをアカウントに紐づけする。
    (初回セットアップのときのみ)
  • マイアカウントページで、組み込み用のプロダクトキーを確認する
  • マイアカウントページから、オフラインインストーラーをダウンロードする。

ここまでが、ネットのできるパソコン、もしくはスマホでの作業です。
次に、実際にインストールするオフラインのパソコンでの作業になります。

  • オフラインインストーラーで、オフラインのパソコンにインストールする。
  • Officeを起動する。
  • プロダクトキーの入力画面に、組み込み用のプロダクトキーを入力する。
  • 電話認証する。

結局のところ、なんらかのネット接続は必要ということですね。
それでは、具体的にやり方をみていきましょう。

1-1.Officeをアカウントに紐づけする。

ネットのできるパソコン、もしくはスマホで、office.com/setup にアクセスします。
そして、紐づけしたいアカウントでサインインしてください。
その後、Officeのプロダクトキーを入力すると、紐づけが完了します。

なお、この作業は初回セットアップのときのみ必要です。
再セットアップのときは紐づけは不要、というかできませんので飛ばしてください。

1-2.組み込み用のプロダクトキーを確認する。

紐づけが完了したら、マイアカウントページにアクセスします。
通常は、紐づけ完了後に自動的にアクセスします。
再セットアップのときは、こちらからアクセスしてください。

そこで、インストールしたいOfficeの「プロダクトキーの表示」をクリックします。
そこに表示されるキーが、組み込み用のプロダクトキーになります。
メモ帳などにコピペするか、またはボールペンなどで書き写してください。

1-3.オフラインインストーラーのダウンロード

インストールしたいOfficeの「インストールする」をクリックします。

ポップアップ画面の、「その他のオプション」をクリックします。

オフラインインストーラーをダウンロードするにチェックをつけます。

「ダウンロード」をクリックして、オフラインインストーラーをダウンロードしてください。

オフラインインストーラーのファイルサイズは、4GB強です。
通常の回線ですと、ダウンロード完了まで、15~20分ほどかかります。

1-4.インストールと電話認証

ダウンロードが終わったら、USBメモリーなどでオフラインのパソコンにコピーしましょう。
コピーしたオフラインインストーラーを右クリックして、パソコンにマウントします。
そして、setup.exeをダブルクリックしてインストールを開始します。

※2021/09/29追記
2021年9月25日より、組み込み用のプロダクトキーは表示されなくなりました。
Officeアプリを起動すると、すぐに認証ウィザードがでてくるようです。
もし出てこないときは、オンラインインストールしか対処方法はありません。

インストールが完了したら、なんらかのOfficeアプリを起動しましょう。
そうすると、プロダクトキーの入力画面が出てきます。
そこに、マイアカウントページで確認した組み込み用のキーを入力します。

キーを入力すると、今度はライセンス認証ウィザードがでてきます。

「電話を使ってソフトウェアのライセンス認証」を選んで、電話認証してください。
以上で、セットアップが完了です。

2.紐づけされないタイプの場合

このタイプは、オフラインインストーラーをダウンロードできません。
結論からいうと、マイクロソフトに電話で相談です。
そして、インストール用のDVDと組み込み用のプロダクトキーの提供を受けてください。

DVDが手元に届くまでの時間は、数ヶ月です。
また、場合によっては、数千円の手数料がかかります。

なので、紐づけされないタイプはオフラインインストールはできないと考えた方が良いです。
最初からオフラインが前提なら、紐づけタイプを選んでください。

電話認証だけで終わらないワケ

サポートの電話を受けていると、よく「昔は電話で認証できた」と言われることがあります。
確かに、それはその通りで、そして今でも電話認証のオプションはあるのです。
ただ、現在はインストールもオンラインということなのです。

  • インストール(昔はDVD、今はオンライン)
  • ライセンス認証(今も昔もオンライン、オフラインのときは電話認証)

今も昔も、Officeのセットアップは上記の二工程です。
そして、オンラインが前提の現在は、オフラインのときは何らかの方法でオフラインインストーラーを入手する必要があるのですね。

なお、このマイアカウントページからダウンロードしたオフラインインストーラー。
これは、昔のインストール用のDVDと同じです。
なので、このインストーラーと組み込み用のプロダクトキーがあれば、アカウントがわからなくても、紐づけタイプの再インストールが可能です。
ということで、紐づけタイプのユーザーなら、バックアップとしてこのオフラインインストーラーと組み込み用のプロダクトキーをUSBメモリーなどに保存しておくことをお勧めします。

それにしても、セキュリティ上、ぜったいにネットにつなげられないパソコン。
そこに、Officeの文書やデータを作って、一体どうするのでしょうね。
しかも、そんなパソコンにUSBメモリーを挿したら本末転倒のような気もするのですが。
余計な詮索ではありますが、オフラインの案内のたびに、いつも疑問に感じています。