「その年、私たちは」13、14話レビュー

韓国ドラマ、「その年、私たちは」の13、14話が公開されました。
あらためて、作り手の良心を強く感じさせてくれる素敵な回でしたね。
ラブコメとしては山場を越えたのに、まったく失速しないところもすごいです。
それでは、今回もレビューを書いていきたいと思います。

11、12話のレビューはこちら

キャラが変わったヨンスが、とても可愛いです。

韓国ドラマ、「その年、私たちは」の13、14話が公開されました。
あいかわらず、物語は淡々と、そしてとても丁寧に展開しています。
この、あえて奇をてらわないストーリーに、作り手の良心を感じてうれしくなりますね。

ウンとヨリを戻してから、ヨンスはキャラが変わってとても可愛くなりました。
そして、そのヨンスを演じるダミちゃんが、これまた超絶キュートで悶絶です。
たとえば、こんなダミちゃんを観られるのも、この作品ならではですね。

第13話で、ヨンスは再びウンと破局しないようにと、あれこれ策を巡らせます。
そして、ネットの心理学情報をもとに、新たな一面をみせる作戦にでるのですね。
このときのウンとのやり取りが、まんま夫婦漫才で笑いました。
ウシクさんとダミちゃんのケミは、やはり最高ですね。

それにしても、ダミちゃんは相変わらずスタイル抜群です。
彼女が着ると、どんな服でも3割増しにみえてしまいますね。

もちろん、シリアスなシーンも素敵です。
ウンと別れるにあたって、ヨンスがリハーサルまでしていたのには涙でした。

そして第14話のラスト、ハルモニの前で幼子に戻るヨンスが切ないですね。

この、今まで見たことがないヨンスの表情に心奪われてしまいます。
やはり、ダミちゃんは最高ですね。
ヨンスを演じるなら、もうこの人しかいないの域まで達していると思います。

ヨリを戻した二人のその後が、丁寧に描かれています。

さて、お話のほうは、ヨリを戻した二人のその後が、とても丁寧に描かれています。
ヨリが戻ったところでハッピーエンドというドラマも多い中、これは新鮮ですね。

でも、すこし考えれば、ヨリを戻すというのは、そんなにかんたんなことではありません。
一度、傷つけあって別れた過去は、復縁しても消し去ることができないモノですからね。
現実には、あの第11話のラストシーンで終わる話ではないでしょう。

第13話のラストで、ウンがその本丸に迫ります。
まずは、大学は卒業していないと、あっさりカミングアウトするウン。
そして、それにとても驚くヨンス、あらためて二人の価値観の違いが浮き彫りになります。

もちろん、その違いゆえに、二人は付き合うことになるのですけどね。
価値観は真逆でも、お互いとてもいい人なので、好意は揺り返し的に大きくなる。
まさに、ジウンがいうところの、愛情と憎悪は同時に現れるというヤツですね。

しかし、この価値観の違いは、二人の間に横たわる埋めがたい溝でもあります。
そして、ウンの「卒業証書は必要な人がもらえばいい」という決定的な発言。
この発言に、ヨンスは固まってしまうのですね。

ウンのこの老子的な人生観には、ヨンスのそれまでの努力を全否定する残酷性があります。
そして、それはヨンスの劣等感を刺激するのですね。
なぜなら、彼女はあの幼い日の劣等感をバネに、これまでがんばってきたのですから。
これが、5年前に二人が別れた根本原因という構図なのですね。

ということで一見ラブなウンとヨンス、でも肝心なところはまだ何も解決していません。
そして、あの離別の原因は、ヨンスのいまだ癒えない心の古傷でもあるのです。
なので、ウンに別れの理由を尋ねられても、彼女はそれに答えることができないのですね。

ただ、5年前と違うのは、ウンがこの構図をよく理解してくれているところです。
ハルモニとのサシの会話で、ウンはヨンスの孤独や寂しさをやっと知ることができました。
これが今回の最大の救い、やはりここ一番で頼りになるのはハルモニですね。

帰宅途中のヨンスがふり返ったとき、そこにウンが立っているシーン。
そこで、古傷を抱えるヨンスを、いつか話してくれると信じてありのままに包み込むウン。
そのときのヨンスの表情に、ウンの深淵な愛がにじみ出ていて感涙しました。
ここは、屈指の名場面だと思いますね。

ここにきて、まだまだ心を揺さぶってくるこのドラマ。
本当に、良心的な作品だと思います。

ジウンの強烈な塩味が、ドラマを引き立てます。

ウンとヨンスが少しずつ関係を深めていくのに並行して、他の話にも進展がありました。
まずはジウン、こちらはもう、気の毒なぐらいの展開ですね。

編集室でヨンスと二人きりって、観ているこちらも絶句のシチュエーションです。
しかも、ジウンの気持ちを知らないヨンスは、動画の中のウンに夢中ですし。
キツイですよね、本当にキツイと思います。

大好きな子が他の男とデキてしまったときの、あの胸をえぐられるような憔悴感。
それが、画面全体からにじみ出ていて圧巻でした。

韓ドラ界には、キス職人の他にチャクサラン職人もいるのですね。
キム・ソンチョル、本当に素晴らしい演技です。

しかし、NJをふくめて韓ドラの二番手は、とことん片想いさせられるのですね。
そして、それが強烈な塩味になり、主人公二人の甘味をさらに引き立てる。
また、ウノとソリさんのスピンオフな関係は、口直しのチェイサーでしょうか?
このような味付けは日本のドラマにはなかなかないモノで、これもまた新鮮ですね。

第14話のエピローグではオモニ問題までぶち込まれて、まさに四面楚歌のジウン。
でも、劇中で一番の人格者である彼には、絶対に幸せになってもらいたいですね。

ジウンの本命チェランは、病んでいないヨンスといったキャラで個人的には大好きです。
通常、あそこまで片想いを引きずると、最低一年は他の人にいけないモノですけど。
あと残り2話でなんとか、チェランの一発逆転に期待したいと思います。

最終的なハッピーエンド確率は、95%と予測します。

今回は、ヨンスの職場飲み会シーンもお気に入りですね。
存外に同僚から好かれていて、戸惑いながらもはにかむヨンスが可愛いです。
ヨンスの会社の社長さん、はじめていい人に思えました。

このような経験を重ねれば、いつかウンに別れの原因を話せるようになるかもしれません。
ヨンスマニアとしては、大いに期待したいところです。

ということで、次回がいよいよ最終週ですね。
ここまでくると、次の展開をあれこれ考える意味もないように思います。
これまで通り、淡々とした話の中で激しく感情を揺さぶってほしいですね。

残り2話にしては、回収すべき伏線がやや多い感じもしますけど。
個人的には、ジウンとNJ、チェランの片想い、そしてヨンスのハルモニ離れ。
あとは、ウン両親のカミングアウトに決着が欲しいところです。

本作、現時点でのハッピーエンド確率は95%といったところでしょうか。
そして、同じハッピーエンドでも、それはとても切ないモノになる予感がします。
次回の配信、期待して待ちたいですね。