ガンマのフロントブレーキが直りました。

今年に入って、36年前に手に入れたオートバイのレストアをしています。
オートバイはスズキのRGV250ガンマ、2stエンジンのレーサーレプリカです。
長らく実家に放置していて、ブレーキが固着していました。
今回は、その固着していたブレーキの復活を、ご紹介したいと思います。

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前回の修理が失敗していたので、やり直しました。

今年に入って、36年前に手に入れたオートバイのレストアをしています。
オートバイはスズキのRGV250ガンマ、2stエンジンのレーサーレプリカです。
長らく実家に放置していて、ブレーキが固着していました。
そしてレストアを開始して3か月、ようやく固着していたブレーキが直りました。

ただし、ここまでの道のりは平坦ではなかったですね。
まずは、キャリパーに固着したピストンが外せず、ひと月近く四苦八苦しました。
そして、ようやく直ったと思ったのもつかの間、今度はキャリパーからのフルード漏れです。
ブレーキ修理は延長戦となり、今回ようやく解決することができたのでした。

ということで、今回はその延長戦からのお話ですね。
まずは、”もうやりたくない”から”もう一回楽しもう”に、気持ちを切り替えます。
そして、覚悟を決めてキャリパーを外しました。

フルード漏れは、キャリパーシールの劣化が原因と考えられます。
劣化したシールを新品に交換すれば、フルード漏れは収まるでしょう。
今回は固着などはないため、サクッとキャリパーが分解できました。
念のため、ピストンとキャリパーの寸法をチェックしましたが、問題はないようです。

ピストンとキャリパーに問題がないことを確認したら、新しいシールを組み込みます。
ヤフオクでゲットした純正新品シール、フロントキャリパー左右セットで11,750円でした。
たかがゴムのシールですが、これが命の値段なのかもしれませんね。

シール以外の部品も、新しくしました。

左が新しいシールで、右が古いシールです。
見た目は同じようですが、新しい方がやわらかい感じがしました。

ピストンシールに合わせて、ジョイントシールも新品にします。
また、意外と盲点のバンジョーボルトも新品にしました。
バンジョーボルトが入る穴も、あらためて念入りに磨き直します。

あとはピストンを組み込んでキャリパー組み立て、Bikeに取りつけてエア抜きですね。


今回はマスターシリンダーにフルードが入っているので、すぐにエアは抜けると思いました。
しかし、というかやはりというか、なかなかブレーキタッチが戻りません。
後から考えると、ピストンを目いっぱい押し込んで組んだのが敗因だったかもしれないです。

ピストンを出すのに苦労しました。

結局のところ、今回もエアを抜くのに7時間ほどかかりました。
正確には、エアは抜けているのにピストンが出てこないのです。
バンジョーボルトから気泡は出てこないのに、一向にタッチが戻ってこない。
この状態が2〜3時間も続くと、さすがに疑心暗鬼になってきますね。

それで、結論からいうと、参考になったのはこちらのWebPageです。
詳細はリンク先にくわしく書いてありますが、要はシールの復元力でピストンが出ないのですね。
この復元力をどのように突破するのかが、本作業のポイントなのでした。

パッドカバーを外してピストンの動きをみると、レバーにあわせてペコペコと動いています。
エアが抜けて圧がかかり、ピストンシールも正しく仕事をしているのは明白ですね。
そして、シールの復元力でピストンが戻り、いつまでも出てこないという図式なのでした。

ここで、パッドが新品の場合、すこしのピストン突き出し量でパッドがディスクに接触します。
ですので、32年前のオーバーホールや今回のリアブレーキは、すぐにタッチが戻ったのでしょう。
ところが、今回のフロントブレーキは、まだ半分ぐらい残っているパッドを使い回しています。
ですので、必要とするピストン突き出し量が多く、いつまでもタッチが戻ってこないのですね。

ということで、理屈はわかりましたが、あとはここからどうするかです。
パッドとディスクが接触するまで、エアでピストンを押し出すのも一計ですね。
ただ、それだと、エア抜きがやり直しになってしまいます。

そこで、物は試しにレバーの引き方を変えてみました。
握ったあとに全部戻さず、すこし戻してピストンが戻る前にまた握るという感じです。
それを10回繰り返したあと、また全部戻すを繰り返していたところ、ピストンが出てきました。
要は、圧のかけ方を変えてシールの復元力を突破させるのがコツなのですね。

ピストンは、一度動き始めれば、あとはスムーズです。
今回はシールが新品だったので、余計にピストンが動き出すまで時間がかかったのでしょう。
であれば、ホースをつなぐ前にエアでピストンを押し出しておけば時短になったかもしれません。
次回、キャリパーを分解するときは、ぜひ試してみたいと思います。

いずれにしても、苦節7時間で、ようやくタッチが戻りました。
最後に、レバーを引いた状態で一晩ほど固定しておきます。
これも、シールの復元力を考えれば納得のいく小技ですね。

翌朝、タッチを確認してみると、以前とは段違いによくなっています
もちろん、フルード漏れもありません。
1月に実家から引き揚げて3か月、ようやくブレーキの修理がおわりました。
これで、心置きなくエンジン周りの修復に取りかかれますね。

目標としていた、桜が咲くころまでの復活はかないませんでした。
とはいえ、レストアの峠は越した感じがしますね。
なんとか、GW中には復活させたいと思うばかりです。
このガンマのレストアは、まだまだ続きます。

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