ガンマのエンジンが始動しました。
今年に入ってから、学生時代に入手したオートバイのレストアをしています。
レストアしているのはスズキRGV250ガンマ、1988年に発売されたモデルです。
前回までで、キャブレターの組み立てとチャンバーの再塗装が終わりました。
今回はこれらを取りつけて、いよいよエンジンの始動にチャレンジします。
この前記事は、こちら。
一日にひとつづつ、部品を取りつけていきます。
ガンマのレストアも、ようやくゴールが見えてきました。
キャブレターとチャンバー(マフラー)を取りつければ、エンジンが始動できます。
ただ、週末にまとまった時間は、なかなか取れないですね。
そこで、平日朝の仕事前に20〜30分ほど時間を捻出して、取り付けを進めました。
まずは水曜日、アーマオールで磨き上げたリアフェンダーを取りつけます。
宙ぶらりんだったリアブレーキホースのフィッティングも、これでようやく完了しました。

そして、木曜日に右側チャンバー、金曜日に左側チャンバーを取りつけます。
ここまでくれば、週末にキャブレターを取りつけてエンジン始動までこぎつけるでしょう。

ということで、週末の土曜日は、朝からキャブレターの取り付けです。
まずは、0.9mmの針金でアイドリング調整をしました。
取りつけてからは調整できないので、ここもすこしトラップですね。

キャブレターを取りつけて、マニュアルをみながらホースを通していきます。
そうしたところ、分解前よりもかなりスッキリと仕上がりました。
裏を返せば、33年前の分解整備がどれだけテキトーだったかという話です。

次に、オイルポンプを調整しますが、ポンプカバーを締結しているプラスネジが回りません。

今回は、インパクトドライバで叩いて、なんとか取り外すことに成功しました。

古いオートバイはプラスネジの使用率が高く、精神衛生上よくないですね。
もちろん、今後のことを考えて、ここは六角穴付きボルトに換装です。
なお、オイルポンプはきちんと位置合わせができているようで、こちらは一安心でした。
バッテリーを取りつけて、ETCの電源ラインを設置します。
ここまでくれば、ゴールはもうすぐですね。
ここで、タンクを取りつける前にETCの電源ラインを設置しておきます。
もちろん、メインキー連動ということで、今回はオイル残量ラインから分岐することにしました。
このタイミングで、通電確認するためにバッテリーを取りつけます。
イグニッションをオンにすると、排気バルブを動かすアクチュエータが無事に動きました。
実は、このアクチュエータもワイヤーがガビガビで、きちんと動くのか心配でした。
もちろん、ワイヤーはグリスアップしましたが、あらためて動作が確認できて一安心です。
通電を確認したら、自作ハーネスでETCの電源ラインを分岐します。

あとは、ハーネスを這いまわして、接続コネクタをハンドル下に設置しました。
ETC本体の取りつけは、エンジンなどがキチンと復活できてから考えることにします。

最後に、プラグを新品にします。
前シリンダーは小物入れに入っていた33年前のプラグ、後ろは現在のプラグです。
同じ型番でもメッキが違っていて、そこに時の流れを感じますね。


エンジン始動の準備は整いました。
あとは、タンクの取りつけですが、こちらも一筋縄ではいきません。
まずは、取り付けネジが曲がっています。
作業をいったん中断して、近所の工務店までカブを走らせてあたらしいネジを購入しました。

ところが、あたらしいネジで取りつけても、タンクがグラグラして安定しません。
確認すると、タンク前部の固定用ゴム部品がヘタリきっているようです。
たぶん、この状態で走っていたので、タンクの取りつけネジが変形したのでしょう。

これについては、手持ちのゴムシートを固定用ゴム部品に挟み込むことで解決しました。
また、タンクとフレームの間のゴムもヘタッていたので、ゴムシートで補強しました。
これで、タンクはしっかり固定されたので、今後は取りつけネジの変形も大丈夫でしょう。
無事にエンジンがかかりました。
ここまでくれば、リアカバーとフロントカウルを取りつけて、いよいよエンジン始動ですね。

ちなみに、ヘッドライトにはカタナで使っていたイエローバルブを取りつけました。
やはり、この年代のモデルは、イエローバルブが似合うと思います。

この時点で、日曜日の夕方4時です。
丸二日かけて、やっとここまでたどり着きました。
最後に、自宅から坂下にあるスタンドまで、惰性でガンマを走らせて給油します。
まだ、満タンにするのは時期尚早と思い、給油は5Lに留めておきました。
そして、自宅まで押し歩くつもりでしたが、疲れた体にガンマの重さが堪えます。
そこで、ダメもとでキックしてみました。
そうしたところ、キック3発で始動です。
ものすごい紫煙とともに、四半世紀の時を超えてガンマが目覚めました。

水鉄砲エンジンの2stはしぶといと聞いてはいましたが、本当にそうですね。
こんなにサクッと復活するとは、正直思っていなかったので、ちょっとびっくりです。
それにしても、ひさしぶりに聞くガンマのエキゾーストノートは、意外と野太いです。
記憶のエキゾーストノートと違っていて、こちらもすこし戸惑いました。
というか、愛機の音を忘れていたことに、自分自身で愕然としましたね。
いずれにしても、無事にエンジンが始動してホッと一安心です。
自宅まで自走もできて、こちらも本当に助かりましたね。
クラッチが張り付いていて、当初は1速に入れるとエンストする状態でした。
こちらは、2速発進で解決です。
ただ、やはり一発でアガリにはなりませんね。
自宅に戻ってしばらくすると、後ろ側のキャブレターがオーバーフローです。

また、給油のときに気づきましたが、タンクキャップのパッキンがボロボロです。
さらに、数日するとチャンバーが謎に濡れ始めました。
よくよく確認すると、燃料コックからもガソリンが漏れているようです。
ということで、もうすこし手直しが必要ですね。
とはいえ、ここまでくれば、あともうちょっとで完全復活できるでしょう。
この連載も、あと1~2回で終わることができると思われます。
この記事のつづきは、こちら。