得意なこと、好きなこと

自分の得意なことって何なのか、知ってみたいと思いますよね。
しかし、これって好きなこと以上にわからなかったりするモノです。
私も、自分の得意なことがわかったのは、つい最近なのでした。
今回は、得意なことを知るための手段や、仕事への活かし方などを書いてみたいと思います。

林修さんのコメントがきっかけです。

先日、林修さんがTV番組で、塾講師は好きでやっているワケではないと発言されていました。
林さんといえば、塾講師のスーパーヒーローです。
それなのに、好きでやっているワケではないとは、驚きでした。

林さんは、ずっと金融トレーダーの世界に憧れていたそうです。
最初の就職も、金融業界でした。
しかし、残念ながら林さんには、トレーダーの才能はなかったのだそうです。

逆に、塾講師は友人の代理で教壇に立った日から、ぜひ翌日もと懇願されたとの由。
要は、才能があったのですね。
それで、この分野で生きていくと決めて、今に至るとのことでした。

これを聞いて、ああなるほどと、思い当たるところがありました。
実は、私も好きなことと得意なことにギャップがある人間です。
そして、好きなこと以上に得意なことはわからないモノだと、あらためてそう思いました。

得意なことは、他人が知っている

ちなみに、私が得意なことは、以下の2点です。

  • 人あたりの良さ
  • トーク力

たしかに、昔からクセのある人間からも気に入られて、仲良くなるのが得意です。
また、人前でしゃべったり、あとはプレゼンなども苦になりません。
そして、なかなか好評だったりします。

しかし、これらが得意という自覚は、まったくありませんでした。
あまりにも当たり前にできるので、自分ではよく分からなかったのです。

このことを、最初に指摘してくれたのは、会社時代の友人でした。
彼は、結婚披露宴のスピーチで、私のことを「フレンドリー」と評してくれました。
そして、それを聴いていた仲人役の部長が、そのスピーチをとても肯定するのです。
「フレンドリー!!うん、確かにその通りだな。」と、部長は何度もつぶやいていました。

これには、ちょっと驚きました。
そして、「へぇぇ、自分ってフレンドリー、、なの??」って思いました。

今にして思えば、私の人あたりの良さを、彼はそう表現してくれたのでしょう。
なんとも、ありがたいことですね。
部長も常日頃からそう思っていて、それで私を営業に引っ張ったのだと思います。

しかし、私がそのことに気づくのには、もうしばらく時間がかかります。
私がそれを自覚できたのは、コールセンターのオペレータを始めてからでした。

いずれにしても、自分が得意なことは他人が知っているということですね。
つまり、自分の得意を知りたければ、他人に聞いてみるしかないのです。

得意なことと好きなことが真逆でした。

私が長らく、自分の得意を自覚できなかったのは、これが理由です。
私の得意と好きは、悲しいかな真逆なのでした。

もし、私が自分の得意を仕事に活かすのなら、営業やコンサルなどの分野でしょう
ところが、私は孤独と人工物が好きな人間です。
なので、小さい時から技術や研究職が向いているのだと思い込んでいました。
かつ、営業のような人づきあいの仕事は、まっぴらごめんという感じでした。

そして、人には好きこそものの上手なれという側面もあります。
好きで就いた開発・設計の仕事は楽しくて、まさに天職という感じでした。
夢中で取り組めるので、スキルもそれなりに向上していきます
なので、仕事もそこそこはできていたと思います。

ただ、私に開発・設計の才能があったかといわれれば微妙ですね。
あの分野の仕事には緻密なこだわりが必要ですが、私は基本的に大雑把な人間です。
いま考えると、私があの分野で大成することはなかったと思います。

かといって、やっぱり人づきあいは嫌いです。
いくら得意でも、嫌いなことをするのは苦痛でしかありませんね。

それでは、このように得意と好きが違うときはどうしたらいいのか?
それを、私の経験から考えてみたいと思います。

どんなふうに生きたいかで決めるといいです。

結論は、これですね。
具体的には、以下の通りです。

  • 勝者になりたい人:得意なことを活かす
  • ゆるく生きたい人:好きなことにこだわる

たとえば、林さんは前者ですね。
そして、私は後者です。

ちなみに、ネットでこのテーマを検索すると、その答えはハイブリットです。
要は、「好きなことの分野で、得意なことをする」ですね。
確かに、理屈ではそれが正解だと思います。

でも現実問題、そう簡単にハイブリットの仕事など見つからないでしょう。
それに、そこにこだわっては、逆に可能性を狭めてしまうようにも思います。

なので、まずは生き方のポリシーに従って、どちらかに絞ってみることをお勧めします。
そして、実際に働くなかで、ハイブリットも見つかってくると思うのです。

たとえば、私の場合、今の仕事がひとつの答えでした。
コールセンターのオペレータなので、人あたりの良さやトーク力が求められます。
かつ、技術的なアドバイザーなので、やっていて面白いです。
まさに、ハイブリットですね。

もちろん、ここにたどり着くまでは紆余曲折でした。
そして、これが答えだったとは、つい最近まで思いもしませんでした。

でも、いろいろな仕事をしているウチに、誰にでも答えが見つかるような気がするのですね。
たとえば、私が開発・設計の仕事を続けていたとしても、結局は後進の指導役といったところに落ち着いたようにも思うのです。

ということで、得意なことに好きなこと、あまり深く考える必要はないですね。
試行錯誤しているウチに、答えは必ず見つかります
得意と好きが真逆だった私でもそうでしたから、大丈夫です。

そして、得意なことは、自分では絶対にわかりません。
なので、他人の評価には、素直に耳を傾けましょう。
それもまた、生きていく上での大きなヒントになると思います。