桐生ツーリング2022 その3(和泉屋旅館編)

今年も遠くの友人に会いに、カブで桐生まで走ってきました。
そのツーレポ3回目は、2日目の宿について書いていきます。
昨年の桐生ツーリングでみつけて、一度泊まってみたいと思った会津田島の和泉屋旅館さん。
これが、その外観以上にすてきな旅館で感動でした。

桐生ツーリング2022 その2 は、こちら

会津田島のイメージにぴったりのレトロな旅館です。

入り口の戸を開けて宿に入ると、向かって左側が宿の人の居間を兼ねたフロントです。
そこからテレビの音が漏れ聞こえてきて、ホッとする感じがしました。
何回か声を掛けたら、明るく人懐っこい年配の女性が出てきました。
たぶん、この人が予約を承ってくれたのだと思います。

取り合えず、Bikeを玄関右側の車庫に入れて、必要な荷物だけ持ってチェックインです。

今回の部屋は12号室、その部屋番号札もレトロですね。

すでに部屋はファンヒーターで暖められていました。
Bikeで走って冷えた体に、そこがまた嬉しいです。

「冷えましたよね、まずはお風呂にしますか?」とのことで、二つ返事でお風呂をお願いします。
まずは、洗面所で手洗いうがい、ここも昭和レトロですてきですね。

廊下の突き当りの古時計もいい感じです。

お風呂は、ステンレスの大きい浴槽です。
シャワーがないので、桶で湯船からガンガンお湯をすくって洗髪しました。
キャンプでドロドロ気味だった体にこのお風呂、もうたまらないの一言ですね。

ドライヤーは、さきほどの洗面所に準備されています。

これまたレトロな体重計、計ってみたら、うん、正確でした。

お風呂入ってサッパリしたら、やはりビールが飲みたくなりますね。
ということで、居間にいったら今度はおかみさんがでてきました。
たぶん、最初に出てきた年配女性の娘さんだと思われます。
おかみさんにビールをお願いしたついでに、食事も30分ほど繰り上げてもらいました。

レトロな部屋にスーパードライ大瓶と角瓶、これは激しく旅情を搔き立てられる構図ですね。
ちなみに角瓶は持ち込み、ここはお酒の持ち込みOKの宿だったりもします。

美味しい料理とおかみさんとの会話をたのしみました。

部屋でビールをグビグビやっていると、おかみさんが料理を運んできてくれました。
まずは会津名物の馬刺し、その隣の鱒は煮つけたものを焼いてるので頭から食べられます。

天ぷらに茶碗蒸し、白子の和え物などなど、どれも素朴で美味しかったですね。

炭水化物系は、おひつ一杯のご飯と地元のお蕎麦です。
そして、デザートは会津田島名産のみしらず柿ですね。

美味しい料理をいただきながら、給仕してくれるおかみさんとの話が弾みます。
まず、南会津の人にとって、街(都会)とは基本東京なのだそうですね。
現在は鉄道で一本ですし、それがなかった時代も鬼怒川までのバスがたくさんあったようでした。

所要時間も3時間半、しかも新幹線とくらべて運賃もリーズナブルです。
ということで、同じ福島県でも郡山や福島市には行かないとのことでした。
また、ちょっとした買い出しや映画などは、那須塩原市で済ませるようです。

そして、とてもおもしろかったのが、田島の人は若松の人に対して、「東京方面は電車だけど若松方面は汽車(非電化)だから」といってマウントを取るというお話。
これには鉄である私のツボがいたく刺激されて、話は大いに盛り上がるのでした。

勝手に辺鄙なところと思い込んでいた会津田島ですが、現実ここは関東圏のようです。
なるほど、やはり地元の人と話をすると、いろいろなことがみえてきますね。
最後は、おかみさんと除雪の話で盛り上がり、雪国に住む者同士で連帯感を深めました。

翌日、旅館内を探訪しました。

食事のあとは、おかみさんからいただいた会津田島のパンフレットに目を通します。
その後、スマホでその日のルートの復習をしていたら眠くなってきました。
ということで、22時前には爆睡、布団も2枚掛けでとても暖かかったです。

そして、翌日は6時半起床、洗顔のあとは旅館内の探索です。
(事前に、宿の人の了承はいただきました。)

和泉屋旅館さんは、今回泊まった本館の奥に別館があります。
そして、これがまた立派なのですね。

まずは、別館1階にある洋室です。

洋室の隣は、これまた立派な会議室ですね。

二階には、すてきな応接室がありました。

応接室の向かいの和室が、これまた立派です。

この欄間もすごいですよね。

別館の階段はハリーポッター風でした。

ただ、こちらの別館は、いまは使われていないようです。
もちろん、清掃などはキチンと行き届いていて、いつでも現役稼働できる状態ではありました。

別館を探索したあとは、本館の方もチェックしてみます。
2階の廊下にはレトロなソファーが置かれていて、こちらも良い感じですね。

ソファーでまどろんでいたら、「おはようございます」とおかみさんから声がかかりました。
「早いですけど食事にしますか?」とのことで、朝食も予定より30分繰り上げしてもらいます。

そして、朝食もとてもよかったですね。
特に、この手の朝食ではデフォの目玉焼きが納得の美味さでした。

旅館探索が終わって部屋に戻ったときに、ファンヒーターの向きが変わっていました。
このような心遣いが、一般の宿とは一線を画していて最高です。

館内も、いたるところにお花が丁寧に活けられていて素敵ですね。
旅館の、細かな気遣いを感じさせてくれます。

食事を終えてすこし休んで、8時半に荷物をまとめて出発です。
朝から降っていた雨も小降りになって、空には晴れ間も出てきました。
清算して、お世話になりましたと挨拶です。

そうしたところ、おかみさんとそのお母さん、わざわざ車庫まで見送りに来てくれました。
しかも、これから行くお菓子屋さんに電話をして、休みかどうかを確認してくれて。
本当に、会津田島の人情を感じさせてくれる大当たりの宿でした。
ここは、そのうち家人を誘ってリピ確定ですね。

桐生ツーリング2022 その4に続く。