不要不急のツーリング

GWにカブでショートツーリングに行ってきました。
不要不急の外出は控えるべしとのお達しで、走りを自粛する方も多かった今年のGW。
でも、不要不急の本来の目的を取り違えなければ問題ありませんね。
ささやかな走りでしたが、とてもリフレッシュになりました。

完走できなかった県道のリベンジです。

不要不急の外出は控えなくてはいけない2020年のGW。
そのためかどうか、山形辺りは庭いじりや畑仕事と決め込んだ人が多かったようです。
かくいう私も、その一人でした。

さて、庭いじりするにも、まずは肥料や柵などの資材が必要です。
ということでホームセンターに向かうと、そこはもう3密な混雑ぶりで愕然としました。

もちろん、私としてもこんなところでクラスターに巻き込まれるのは勘弁です。
ならばと、庭いじりはひとまず保留にして、普通にカブで走りに行ってきました。
激混みのホムセンよりも、誰もいない山奥に走りにでも行った方が明らかに安全ですね。

さて、そんな今回の目的地は、県道289号線です。
この県道、山形県朝日町から西川町の大井沢に抜ける、よい感じの山道です。
実は10年以上前に、家族て一度訪れているのでした。

あの時は、晩秋の頃でした。
大井沢に遊びに行った帰り、地図で朝日町に抜ける道をみつけました。
これは近道だろうと、ガードレールもないこの山道を四輪で必死に走ったのでした。

そして、朝日町の集落にたどり着いたと思ったら、眼前にゲートが立ちはだかったのでした。
間もなく積雪するとの事で、朝日町側が通行止めになっていたようです。
素直に手前の案内板に従えばよかったものの、後の祭りでした。

結局、あの狭い山道で泣きながらUターンして大井沢まで戻るハメになりました。
まだ、息子は赤ん坊でチャイルドシート、日は暮れかけるし本当に参りました。
そんないわく付きの県道に、今回再チャレンジです。

季節が違えば印象も違います。

今回は、以前とは反対の朝日町側から入ってみました。
あの時の絶望のゲートは、本日はちゃんと開いていて一安心です。

県道289号線、相変わらず、カードレールも途切れ途切れな沢沿いの山道です。
四輪だとちょっと緊張の連続ですど、カブならおあつらえ向きの快走路でした。

五月の新緑がとてもまぶしいです。
以前はとても寂しい感じがしましたが、季節が違うだけで雰囲気が全然違いますね。

沢を流れる水の音が爽やかです。
ただ、写真を見てもらっても分かるように、なにげに落石があるような所です。
快走路とはいえ、油断は禁物ですね。

ナイスなキャンプ場をみつけました!

そんなこんなで自宅を出発して1時間半、ようやく本来の目的地にたどり着きました。

山形県朝日町の古寺キャンプ場です。
ひと月ほど前、GoogleMapでみつけて、それからずっと気になっていたのでした。
今回の走りの本当の目的は、このキャンプ場の下見だったのです。

キャンプ場はほどほどの広さで、炊事場にトイレと設備は必要最小限です。
サイトは県道に面していて、思っていたよりも実にナイスなロケーションでした。

折角ですので、ちょっとキャンプっぽいことをしてみます。
まずはお約束の、カブからコールマンに給油です。

キャンプ場のすぐそばには、いい感じの渓流が流れていました。
スキー積載の要領で積んできたチェアーとテーブルで、さっそく店開きです。

まずは、コーヒーを淹れます。
小一時間半カブで走った体に、コーヒーが染み入ります。

コーヒー飲んで落ち着いたら、いよいよお約束のステーキ肉です!

ガレージで食べるのもいいですけど、やっぱ自然の中で食べるのは格別ですね。
コーヒーもおかわりして、しばし至極のひとときです。

何年かぶりに、五月の新緑が心地よかったです。

それにしても、このキャンプ場はとても気に入りました。
なんといっても、サイトと炊事場とトイレだけという最小限仕様が最高です。

しかも、ここは携帯の電波が届きません。
いやおうなしに、大自然と向き合わざるを得ないのです。

これが山形市の河川敷とかですと、コンビニにスーパーにとなんでもござれです。
それはそれで快適ですが、でもなんか、個人的にはちょっと違和感です。
やはり、キャンプはミニマリズム的にやりたいと思うのですね。

ということで、年内に絶対ソロキャンプ来るぞと誓ってキャンプ場を後にしました。
サイトそばの遅咲きの桜がまた、綺麗でした。

さて、帰りは県道27号と思いきや、なんと全面通行止めでした。
春の開通に向けて除雪をしたら、道路が陥没していたようです。

ということで、ちょっと遠回りして大井沢からR112経由での帰還となりました。
走行中、ずっと目の前に見える月山が、涙が出るほど美しかったです。

45歳を過ぎたころから、あれだけ好きだった五月の新緑が苦手になりました。
どうにも、あの生命力のオーラを浴びるとくたびれてしまう感じです。

逆に、あれだけ嫌いだったもの寂しい秋が快適になりました。
ぶっちゃけ、死期が近づいているのだろうなぁと、少し寂しく思ってました。

でも、今回の走りでは、久しぶりに五月の新緑がとても気持ち良かったです。
私にも、まだ五月の新緑を楽しめる部分が残っていたんだなぁって、少し安心しました。

不要不急といいながら、私にとってはそれなりに必要な走りのようでした。
また折を見て、ウィルスとは無縁の山奥に独り走りに行きたいと思います。