海賊版のMicrosoft Office

海賊版、つまり正規品ではないMicrosoft Office のお話です。
ぶっちゃけ、ニセモノなのでマトモに使うことはできません。
実害を少しでも少なくするために、情報をアップしたいと思います。

偽物がたくさん出回っています。

Microsoft Office のセットアップオペレーターをしています。
問い合わせを受けていると、どきどき非正規品のお客様に遭遇したりします。

この手のOfficeの怖いところは、突然使えなくなるところですね。
いますぐ仕事で使わなければと言われても、どうすることもできません。

もちろん、非正規品の場合、メーカーサポートはお断りになります。
すぐに正規版を購入していただくしか、対処の術はないですね。

結局、多少安価にOfficeを買っても、トラブルが起きては本末転倒だと思います。
そんな実害を少しでも減らすために、非正規品のことを詳しく解説していきます。

信頼できるところから購入しましょう。

現在、海賊品のほとんどは、ネットで販売されています。
家電量販店などで販売されるケースは、あまりないですね。

海賊版販売の三大ルートは、以下の通りです。

  • ヤフーオークション
  • Amazon
  • ヤフーショッピング

この中で、Amazonについては、正規版の販売も行われています。
しかし、売り場に出ているほとんどのOfficeは、海賊版のようですね。

ちなみに、以下のネットショップなら、安心して正規品が購入できます。

  • Microsoftストア
  • エディオン
  • 上新電機
  • ビッグカメラ
  • ヤマダ電機
  • ヨドバシカメラ

キチンとしたモノを使いたければ、キチンとしたところから購入するのが鉄則ですね。

具体的には、VL品とプレインストール品の横流しです。

次に、正規品と海賊版の見分け方ですが、これはもう価格になります。
基本的に、数百円~数千円のモノは、まずニセモノと考えて間違いないでしょう。
ちなみに、正規品の価格(税込)は、以下の通りです。

Microsoft Office Personal 201932,784円
Microsoft Office Home & Business201938,284円
Microsoft Office Professional201965,784円
Microsoft Office Home & Student 2019 for Mac26,184円
Academic 2019 for Mac16,800~18,000円
Office単体
(Word、Excel、Powerpoint、Outlook、Access、Publisher)
各16,284円
Visio Standard 201945,984円
Visio Professional 86,684円
Microsoft Office 365 personal12,984円/年

上記以外の製品名や価格の場合は、海賊版を疑った方がいいですね。
それでは、具体的に海賊版の解説をしていきたいと思います。

VL(ボリュームライセンス)品の横流し。

こちらは、定番の海賊版ですね。
サイトによっては、数百円から販売されています。

このタイプは、製品名で判別できます。
製品名が以下の場合は、ほぼ100%という感じですね。

  • Microsoft Office Porfessional Plus (ProPlus)
  • Microsoft Office Standard
  • Office 365 ProPlus

同じPorfessionalでも、製品名の最後にPlusがつくかつかないのかが運命の分かれ道ですね。
また、365ProPlusという製品は、その製品名からしてデタラメです。

この手のOfficeを購入しても、プロダクトキーのカードなどは送られてきません。
その代わりに、メールでプロダクトキー、またはIDとパスワードが送られてきます。

かつては、ご丁寧にDVDが送られてくる場合もあったようですね。
もちろん、正規品であれば、購入時にDVDが提供されることは絶対にありません。

Office本体はDVD、もしくはMicrosoftのサイトからダウンロードするようです。
そして、インストール後にメールで送られてきたプロダクトキーなどで認証するのですね。
これは、正規版とはまったく違う手順です。

実は、これはボリュームライセンス品(以下、VL品と表示)の手順になります。
ちなみに、VL品とは、Officeを多数使用する法人様向けの製品ですね。
法人様とMicrosoftで、特別の契約を結んで提供するタイプの製品です。

契約された法人様には、契約された数だけのIDとパスワードが提供されます。
それで、Officeをセットアップすることになるのですね。
よって、ヤフオクなどの一般市場に、これらのIDがでてくることは絶対にありません。

それでは、市場に出ないハズのモノがどうして販売されているのでしょうか?
たぶん、誰かがなんらかのライセンスを横流し、あるいは切り売りしていると考えられます。
もちろん、そのような使い方は、完全にライセンス違反ですね。

当然、これらの製品では、正式なサポートを受けることはできません。
サポート窓口に問い合わせると、大体は法人窓口を案内されますね。
そこで、VL契約が確認できなければ、ジ・エンドということになります。

なお、この手の海賊版には、ご丁寧に再インストール不可と書いてあるモノもあります。
セットアップのプロからしてみると、なんとも笑ってしまう断り書きですけどね。
まぁ、再インストールができないアプリなど、欠陥品以外の何物でもないと思います。

プレインストール品の横流し

VL品に代わり、最近、ちょくちょく目にするのがこちらのタイプです。
製品名は、Microsoft Office Home & Business 2019 と、一見正常だったりします。
販売価格も、前述のVL品よりちょっと割高で、期待を持たせてくれる感じですね。

しかし、仕様をよく確認すると、使用可能台数が1台だったりします。
通常、PCとは別売りのパッケージ版は、1人で2台まで使えるのにも関わらずですね。

VL品と違って、この手は購入後にプロダクトキーが送られてきます。
ところが、そのカードは、正規版とは違って2つ折りだったりするのですね。
ちなみに、正規品は、以下のように上部にフックのような穴の開いた1枚モノのカードです。

それで、結論からいうと、こちらはプレインストール版のOfficeになります。
要はOEM版、つまりパソコンにバンドルされるタイプのモノですね。
そして、このタイプのOfficeは、バンドルされているパソコンでしか使うことができません。

ということで、この手のOfficeを他のパソコンで使うのは、完全にライセンス違反です。
もちろん、何かあっても正式なサポートを受けることはできません。

このタイプは、他のPCに移し替えて使うことも不可能です。
また、パソコンの故障でマザーボードなどを交換してもおしまいでしょう。
これで、パッケージ版を装って販売するのは、正直詐欺だと思いますね。

海賊版を使うのは犯罪です。

ちなみに、海賊版のOfficeは、ある日突然使えなくなります。
具体的には、ライセンス認証が通らなくなるのですね。

これは、Microsoftが日々、海賊版の監視を行っているからですね。
海賊版のプロダクトキーは、そうと判明した時点でロックされます。
そして、ロックされたキーでは、二度とライセンス認証を行うことはできません。

それでも、ライセンスが通っている状態なら、しばらくは使用できます。
ところが、パソコンを初期化したりすると、再認証が必要になります。
あるいは、OSのアップデートで再認証が必要になる場合もあります。
そして、そのようなタイミングで、これらの海賊版は、ジ・エンドとなってしまうのですね。

もちろん、Microsoftが海賊版の面倒を見てくれることは、絶対にありません。
これらは、Microsoft社の利益を侵害する最たるモノですから、当たり前の話ですね。

これら海賊版に対して、Microsoftは「海賊版です。」と明確に言い切ることはありません。
通常は、「ご使用いただけないキーですね」と、やんわり言われると思います。
そして、購入元に確認するように案内されるでしょう。
でも、大抵の場合は、購入元には連絡が取れなくなってしまっているようですね。

ということで、これら海賊版の使用は自己責任になります、、、と言いたいトコロですが。
実は、そうも言い切れない部分があります。
なぜなら、海賊版と分かっていて、それを業務で使用していると犯罪になるからですね。

よく、海賊版を掴まされて逆ギレして、Microsoftを訴えてやると喚く人もいますけど。
逆に、訴えられるかもしれないのはアナタですよと、心の中で呟きながら応対しています。

また、ごくまれに、海賊版のために正規購入版が使えないというケースもあったりします。
要は、盗まれたプロダクトキーを、正規購入者が掴まされてしまったパターンですね。

もちろん、そのような場合は、Microsoftもできる限りの対応はいたします。
しかし、サポートする側としても、このような事案は、なんとも腹立たしい限りですね。

結局、海賊版というのは窃盗ですから。
つまりは、正規のライセンスを泥棒していることなのですね。

ということで、Officeに限らず、海賊版は絶対に使わないようにしましょう。
特に、仕事で使う人は信用問題にもなる話ですからね。
Office導入による仕事の効率化を思えば、正規版の価格も決して高くはないハズです。

なお、MicrosoftのWebPageにも、詳細情報が掲載されています。
あわせて、参照してみてください。