代車のCB250R

900SSのクラッチ修理で、代車を借りました。
代車はホンダのCB250R、前から興味があったホンダの250シングルエンジン搭載のモデルです。
ということで、代車なのにもかかわらず、あちらこちら乗り回しました。
今回は、そんなホンダ CB250R の試乗記です。

よく確認したら、乗ってみたいBikeでした。

クラッチが壊れた900SSをBike屋さんに預け、その日は代車での帰還になりました。
代車をあてがわれたときには、もう陽も沈みあたりは暗く、車種などは確認できない状態です。
ナンバーから250、タンクのエンブレムからホンダというのだけはわかります。

マグネットのタンクバックが装着できないことから、タンクは樹脂製のようですね。
跨ってみると、コンパクトな割にはシートが高くハンドル幅がとても広いのが印象的です。
とても軽いクラッチをつないで走り出してみれば、可もなく不可もなくですね。
すこし非力なエンジンの、良くも悪くも代車です。

その日はそのままガレージにしまい込んでしまいました。
そして翌日、よくエンブレムを見ると、この代車はCB250Rでした。

これは、お隣の息子さんが乗っているCBR250Rの兄弟車ですね。
CBR250Rは、一度乗ってみたいBikeでした。
ということで、俄然この代車に興味津々となってしまったのでした。

まずは、外観のチェックです。

まずは全体像、よくみるとなかなか気合の入ったデザインです。
フロントは倒立で、ちょっと戦闘的でもありますね。

公式サイトによれば「トラディショナルでありながら新しさを纏う」がコンセプトのようです。
ただ、トラディショナルの割には、キャスター角が立ちすぎている印象ですね。

丸筒ではないマフラーのBikeに乗るのは、初めての体験かもしれません。
そもそも、現役で販売中のBikeに乗るのが10年ぶりぐらいです。

リア周りの造形は、これはいかにも現代風です。
シートが短く、その下からひょろーんと伸びたフェンダーの先にはナンバープレート。
ドカのディアベルあたりがハシリの造形ですが、いまはこれがスタンダードです。

個人的には、もっと長いシートで人や荷物が積みやすいのが好みですけれど、これも時代ですね。
シートの後ろに大きめのキャリアがついているのが、せめてもの救いという感じでした。

メーターはコンパクト、視認性にも優れていてすばらしいですね。
なんといっても、最重要計器であると思う時計が、もっとも見やすい位置にあってナイスです。
また、生死に直結する燃料計が大きくて見やすいのもいいですね。
さらに、意外とどうでもいいタコメーターが、上辺でピコピコしているのも個人的には好みです。

このメーター、現在のホンダ車で広く使われているようですが、流用ぜんぜんアリですね。
900SSやカブのメーターもこれに換装したいと思うほどの、よくできたメーターだと思います。

ハンドル幅をのぞけば、よくできたBikeだと思います。

見た目をチェックしたら、いよいよ試乗ですね。
コースは、いつもの蔵王エコーラインです。
宮城側までは高速を使いますので、一通りのステージを試してみることができます。

ETC使わないのはひさしぶりでした。
出口が自動精算機になっていてびっくり、ちょっと支払うのに戸惑ってしまいました。

それで感想ですが、まずはエンジンがいいですね。
インジェクションらしいツキのよさで、シングルとは思えないほどウルトラスムーズに回ります。
もちろん振動など皆無、コンパクトでスリムでまさにオートバイエンジンの鏡ですね。

元々はCRF用のエンジンとのことですが、これならオフでもオンでもなんでもござれでしょう。
真のオールマイティエンジンだと思いますね。

それと、このCB250Rはエキゾーストノートがすばらしいです。
タンタンタンと歯切れがよく、信号待ちしているときなど本当に気持ちがいいですね。
このBikeについては、絶対にノーマルのマフラーで乗るべきだと思います。

最初は非力と思ったパワーも、6000rpmも回せばそこそこ走ります。
ただ、高速やワインディングの上りですと、すこし物足りなさを感じますね。
この部分については、海外向けの300CCエンジンが最適なのかもしれません。

ということで、エンジンはとても良かったのですが、個人的にはポジションが気になりました。
要は、ハンドル幅が広すぎるのです。

このBike、ジオメトリー的にはフロント旋回タイプだと思います。
それであのポジションは、やはりどうしても違和感ですね。
今回はワインディングを40㎞ほど走りましたけど、最後まで慣れることができませんでした。

確かに街乗りでの取り回しや、あるいはダート走行なら、あのハンドル幅もアリかもしれません。
ただ、あのキャスター角から考えると、それを前提にしているとも思えないのですね。
たぶん、あのハンドル幅はデザイン上のモノで、であればちょっと迷走しているなと感じました。

もちろん、それでもコーナーリング速度はそれなりに速いです。
また、これだけの距離を走っても、900SSと比べてぜんぜん疲れません。
さらには燃費が、回しても35km/l、普通に乗れば42km/lで、カブもびっくりの好スコアです。

これで、キャスターがもうすこし寝ていてハンドル幅がノーマルなら言うことなしですね。
そしてそう考えると、やはりお隣のCBR250Rは最強なのかなと思いました。

一週間後、900SSの修理が上がりました。
その帰り道、ひさしぶりに900SSを走らせてみると、重い・遅い・タルイの三重苦です。
CB250Rとあまりにもインプレッション違っていて、思わず笑ってしまいましたね。
やはり、30年における技術の進歩というのは、半端ないようです。

でも、個人的は「900SSには短し、カブには長し」のCB250R。
とてもよいBikeだとは思いますが、これを手にすることはたぶんないと思います。
やはり、Bikeというモノは、デキが良ければいいというモンでもないのですね。

いずれにしても、今回はいい体験をさせてもらって満足です。
また機会があったら、いろいろなBikeを楽しんでみたいですね。