奥会津を走ってきました。(後編)

先日の土曜日、奥会津方面を走ってきました。
飯豊トンネルが通行止めというトラブルはありましたが、なんとか桧枝岐村まで走りました。
ところが、そこからの帰り道に大トラブルが発生です。
後編では、その辺りのことをくわしく書いてみたいと思います。

奥会津を走ってきました。(前編)は、こちら

桧枝岐村から木賊温泉までの林道は極上でした。

桧枝岐村の入り口で木賊温泉行の標識をみかけて、ついフラフラと入り込んでしまいました。
標識には「林道」と書かれているので、途中からダートになってしまうリスクもあります。
でも、心惹かれてしまったので、ダートのときはそのとき考えることにしてBikeを走らせます。

結果、ダートは杞憂、そしてこれが大アタリの林道で歓喜です。
ここ、めちゃくちゃ気持ちいいの良い峠道ですね。

静かな森の中に響き渡る、900SSのエキゾーストノート。
そして、晩夏のやさしい陽の光に包まれながら、コーナーをひとつひとつ丁寧に抜けていく。
これはもう、なんとも至極のひととき、癒しの走りでした。

峠のトンネルが真っ暗で、これにはすこし驚きましたけど、人っ子一人いない雰囲気が最高です。
とにかく、ここが今回の走りのハイライトという感じでした。

突然、クラッチが切れなくなりました。

ということで、桧枝岐村から20分弱で木賊温泉に到着しました。
ここは、18年前にBike仲間とツーリングに来たことがあるので、とても懐かしいです。

18年前に仲間と楽しんだ、あの渓流沿いの露天風呂も確認できました。
今回はタオルがないのでスルーしましたけど、次回はぜひ入湯してみたいと思います。

ひとしきり写真撮影などをして、再び自宅に向けて出発です。
そうしたところ、突然に大問題が発生、なんとシフトチェンジができないのです。

いくらシフトレバーをかき上げても、1速から2速に上げることができません。
Bikeを道端に停めてチェックすると、クラッチがぜんぜん切れていないことが判明しました。
クラッチ側のマスターシリンダーからオイルがダダ洩れしているのが原因のようです。

とにかく、クラッチの切れないマニュアル車ほど、どうしようもないモノはありません。
奥会津の山奥で、5秒ほど途方に暮れました。

以前、カタナのクラッチワイヤー切れたときは、観念してBike屋さんを呼びました。
しかし、こんな山奥まですぐにレスキューしにきてくれるとは思えません。
また、代金を考えたらJAFの方がいいのか?などと頭の中はグルグル状態です。

でも、すこし冷静になって考えれば、Bikeはクラッチを切らずにシフトチェンジができますね。
油圧ゆえにまだ若干はクラッチが切れますので、2速セル押し掛けができるかもしれません。
そこで、まずはそれでどうにかならないかトライしてみることにしました。

まずは、2速セル押し掛けは、、、なんとか成功です。
そして、走り始めてしまえばシフトチェンジもどうにかなりそうでした。
ということで3〜4速を駆使しつつ、最寄りのICを目指すことにしました。

なんとか、帰還することができました。

クラッチが切れない状態ですので、あとはできるだけ停まらず走り切るだけです。
頭の中でシミュレーションするに、会津下郷からR289で白河ICを目指すのが最善でしょう。
距離的には90kmもありますが、信号などがすくない山奥なのが幸いでした。

途中、甲子トンネルが工事による片側交互通行で、ちょっと心折れそうになりましたけど、ここも900SSが持ちこたえてくれて、なんとか無事に通過することができました。
そしてようやく、そしてどうにか白河ICにたどり着くことができたのでした。

ETCのゲートを抜けて帰還の目途がつきました。気分はアポロ13号の乗組員です。
ここで冷静になって考えるに、このまま自宅ガレージに入庫したら2度と動かせなくなりますね。
もちろん、自分で直すという手もありますけど、余るであろうブレーキ液の処理が面倒です。
これは動くウチにBike屋さんに持ち込むべきだと、作戦を改めました。

ということで、直帰をやめて松川PAに滑り込みます。
そこでBike屋さんにTEL、私が到着するまでお店は開けててもらうことになりました。
ここまで段取りが整ったら、いよいよ今回のラスト・ミッションですね。

それは、この松川PA名物のビックチキンカツカレーを食べること。
これ、いつかチャレンジしようと、虎視眈々と狙っていたのでした。
クラッチの故障であきらめざるを得ないかとも思いましたが、なんとか口にできてうれしいです。

それにしてもこのカツカレー、まずはボリュームが素晴らしいですね。
カレーはすこし甘めで、これがサックサクのチキンカツにベストマッチです。
カツもラードが多めのジャンクなモノ、ちょっとカレーが足りない感じですが満足ですね。
とにかく、朝から何も食べていない体に染み入りました。

お腹も落ち着いたところで、再びBikeを走らせます。
ミスファイヤーを派手に打ち鳴らしながら、2速セル押し掛けで始動&発進に成功。
駐輪場でその様子を眺めていたカワサキ乗りのお姉さん、目を丸くしていました。

米沢で夕暮れ、そして住む街の灯りが見えてきたときは本当にほっとしましたね。

Bike屋さんには、18時半にたどり着くことができました。
900SSの様子を見たBike屋さんに開口一番「よくこんなんで帰ってきたね。」と言われました。
すこし期待していた言葉だったので、ちょっとうれしかったです。

ということで、全行程610km、11時間30分の走りでした。
想定外のトラブル続きでちょっと疲れましたが、それも含めて楽しかったです。
そしてつくづく、魚沼往復コースにしなくてよかったと胸をなでおろしたのでした。
魚沼往復については、いつかまたチャレンジしたいと思います。