オートバイで雪上走行の極意
Bikeでの雪上走行は、ネットでもいろいろと紹介されていますね。
ただ、実践に基づいた記事や動画はすくないように感じます。
今回は、雪の公道を走るための極意を、私の知見を元にまとめたいと思います。
オートバイでの雪上走行は転倒が前提です。
冬でも、カブで通勤しています。
また、シーズンに何回かは、Bikeでスキーにいったりしています。
そこで、切っても切り離せない雪上走行ですが、通常とはまったく違うテクニックが必要ですね。
ネットにも、Bikeの雪上走行がいろいろと紹介されています。
しかし、ほとんどが空き地や駐車場での走行体験談ですね。
実際に公道を走るときの記事はあまりないので、そのあたりのポイントをまとめたいと思います。
まず、Bikeでの雪上走行は転倒することが前提です。
ぶっちゃけ、これを前提にしないと、何も始まらない感じがしますね。
ですので、Bikeに1mmたりとも傷をつけたくない人は無理です。
また、Bikeでの転倒はプライドが許さない人も諦めてください。
ちなみに、私のカブにはレッグシールドがついていて、これがエンジンガードになります。
ですので、雪上で転倒する分には、Bikeが致命的に壊れることはないですね。
カブでトライする人は、レッグシールドの装着をお勧めします。
それで、後続車に追いつかれたらすぐに道を譲る、これが第一の極意です。
また、近くに歩行者がいて、すこしでも危険を感じたら、素直に停車しましょう。
安全は、すべてに優先します。
特に、公道では単独事故で済まされない場合もありますから、絶対に無理はしないことですね。
このあたりが、駐車場での雪上走行と、一番に違うトコロだと思います。
雨天走行に準じた装備と長靴が必要です。
次に、装備です。
結論から言うと、これは雨天走行のそれに準じますね。
まずは、ずぶ濡れになっても大丈夫な服装です。
空から雪が降っていなくても、雪道は泥ハネがかなりあります。
シャーベットの路面でクルマの後ろを走ると、もうそれだけで全身が泥だらけですね。
目を保護するために、ヘルメットにはシールドが必須です。
そして、足元は長靴が最強ですね。
これで、泥水を気にすることなく、後から述べる三点(もしくは四点)支持が可能になります。
なお、転倒するとはいえ、夏場のロードバイクのようなプロテクションは不要ですね。
なぜなら、そこまで高速で走ることはないからです。
ウェアはワークマンの防水機能付きの防寒着、長靴もホムセンで売っているモノで十分です。
私は、カブでスキーに行くときは、若干寒いですがスキーウエアで走ります。
Bike側の装備としては、スパイクタイヤが必須でしょう。
なお、私の住む街の郵便カブはスタッドレスです。
郵便カブの走りをみる限り、いまはスタッドレスもアリなのかもしれません。
ただ、こればかりは試したことがないので、なんとも言えないですね。
スパイクタイヤの新品は、ドライ路面でかなり滑ります。
ある程度ピンが減るまで、超絶慎重な運転を心がけましょう。
他には、ハンドルカバーとグリップヒーターがあると快適ですね。
グリップヒーターは、Amazonで売っている中華製のグリップ巻き付けタイプで大丈夫です。
ハンドルカバーは、転倒したときにすぐに手が脱げるタイプを選びましょう。
すぐに手が脱げないハンドルカバーは、大変危険です。
実際、私は手が脱げないハンドルカバーで転倒して、肋骨にヒビが入りました。
お勧めは、ヤママルトのハンドルカバーですね。
保温性がすこし弱いですが、その分すぐに脱げるので安心です。
危険は雪上路面の不整状態にあります。
それでは、いよいよ雪上走行の極意です。
その前に、私が思う雪上での危険ポイントを紹介したいと思います。
雪道でもっとも危ないのは、ブラックアイスバーンといわれます。
しかし、凍っていることさえわかっていれば、ブラックアイスバーンは意外と楽勝です。
唯一、注意するのは、信号待ちで出した足が滑って転びそうになることぐらいですね。
Bikeだと路面凍結がすぐにわかるので、逆に安全かもしれません。
一見、危険そうなブラックアイスバーンは、整地状態なので走りやすいのです。
実は、雪道の危険は、その不整状態にあるのですね。
雪の公道では、轍を走るのが基本になります。
そもそも、轍がないトコロをBikeで走るのは、至難とさえいえるでしょう。
しかし、この轍というのは、鉄道のレールのように刻まれているワケではありません。
実際は、幾重にも重なった形で刻まれているのです。
そして、轍と轍の間は、このような氷の丸太状態になっているのですね。
ここにフロントを乗り上げると、大抵は一気に持っていかれます。
ダートと違い、雪上は滑り出すまでのタメがまったくありません。
30km/h以上であれば、よほどの達人でもない限りコントロールは不可能と思われますね。
とはいえ、対向車などをやり過ごすための轍チェンジは、雪道の必須のテクニックです。
ここが、雪上走行の一番悩ましいトコロですね。
また、交差点も鬼門です。
もちろん、理由は上記の轍が交差しているためで、もはや氷の洗濯板状態ですね。
同じ理由で、除雪車の通った後も、とても危険です。
さらに、落とし穴なのがマンホールです。
マンホールの上には雪が積もらなので、まさに落とし穴なのですね。
落ちたときはともかく、そこから出るときにフロントがスリップしやすいです。
極力マンホールを避けるライン取りが、雪上では求められますね。
絶妙な速度とアンチセルフステア、そして三点支持で走り切ります。
ということで、あたらめて雪道の危険ポイントをまとめましょう。
- 轍と轍の間の氷の丸太
- 轍が交差する交差点
- 除雪車の通った後
- マンホール(あるいは、側溝にかかった鉄ふた)
そして、これらをクリアするためのテクニックは、以下の3点です。
絶妙な速度で走り抜ける
雪上走行でなによりも大切なのは、スピードコントロールです。
個人的に安定して走れる速度は、15~20km/hだと思いますね。
20km/h以上出ていると、フロントが取られたときに一気に転倒してしまいます。
かといって、15km/h以下でも転倒しやすいですね。
不整地区間では、推進力不足でフロンタイヤが横を向き、それで滑ってしまうのです。
この、15~20km/hをキープするというトコロが二つ目の極意になりますね。
アンチセルフステア
雪上走行に、セルフステアという概念は存在しません。
ハンドルの動きをBike任せにしていたら、必ず転びます。
前述した危険ポイントでは、ハンドルが不用意に動かないように両腕で抑え込みましょう。
さらに、フロントにすこし荷重をかけると安定しますね。
もちろん、荷重をかけすぎてもアウトです。
この、適度なフロント荷重が三つ目の極意ですね。
オートバイで腕がパンパンになるのは、素人の証拠と言われたりします。
しかし、雪上ではそれが正しい疲れ方ですね。
なお、フロントブレーキは基本的に厳禁です。
使うとしても、路面状態の良いトコロで停まる寸前にですね。
三点(もしくは四点)支持で走り切る。
そして、最後の極意は三点、もしくは四点支持で乗り切るです。
要は、地面に足をつけながら走るですね。
実際に郵便カブをみても、雪上では三点支持がデフォのようです。
基本的に、左足を地面につけて、右足はリアブレーキ用に残しますね。
そして、いざとなったら四点、つまりは両足を地面につけます。
これなら、万が一転倒しても、ライダーまでコケるリスクはかなり減りますね。
最後は、雪道をたのしむマインドかもしれません。
ただ、四点支持ではブレーキ操作ができません。
ですので、事前に十二分に速度を落としておく必要があります。
また、ギアチェンジをするときは、右足での三点支持になりますね。
結局、雪道では両足をバタバタさせながらのライディングになるのです。
前方に危険ポイントをみつけたら、三点支持ができるエリアで事前にシフトダウン。
足を入れ替えリアブレーキで速度を調整しつつ、あとは気合とハンドル固定で突入。
アクセルを若干開けつつ、適度な駆動力で乗り切ります。
マインド的にはビビりすぎてもダメで、最後の最後は転倒もアリの開き直りですね。
ということで、雪の公道では、他のシーズン以上に先読み運転が大切です。
路面状況やクルマ、歩行者などの動きを読み、いかに最適なラインとタイミングで走り抜けるか。
正直、心身をとても駆使する走りですが、あとはこれをたのしめるかどうかでしょう。
いずれにしても、これが私が思う、Bike雪上走行の極意です。
そして本日も、手練れな郵便カブが華麗に雪上を走っていますね。
さて、これ以上に雪上を上手く走れるコツはあるモノなのか。
引き続き、郵便カブの技を盗み見しながら、探求していきたいと思います。