退職金制度がこの国のすべて
サラリーマンが転職するにあたって、悩みどころの退職金。
今回は、この退職金制度について感じるところを書いてみたいと思います。
雀の涙の退職金でした。
ちょうど10年前に、最初に勤めた会社を退職しました。
新卒で入社して、約20年勤めた会社でした。
ある程度覚悟はしましたが、退職金は雀の涙でした。
定年まで勤めれば2,000万円という話でしたが、それの10%ぐらいでしたね。
これについては、いまでも忸怩たる思いがあります。
あのときは、会社が突然解散になって、多くの社員が不本意な転勤を強いられました。
退職というオプションもあったのですが、それを選べる人はほとんどいなかったですね。
もちろん、退職が選べなかった理由は給与などの待遇面、そして退職金の縛りです。
中には、退職金のためだけに、他県に単身赴任した女性社員もいました。
一生涯において退職金は無視できない金額ですから、仕方のないところかもしれません。
でも、これって何かおかしいと思うのですよね。
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従業員のためのようで、実は会社のための退職金
あのとき、多くの人を惑わせた退職金制度。
あらためて調べてみると、ルーツは江戸時代ののれん代なのですね。
その後、終戦後ぐらいに、今の制度に近い形で整備されたようです。
当初は、従業員の福利厚生の側面が強かったようですね。
でも、いまは完全に、従業員を社畜化するためのモノに成り下がっていると思います。
結局のところ、多くのサラリーマンはこれに縛られて気兼ねなく転職ができないのですね。
還暦過ぎてからの2,000万円は、ぶっちゃけ人生を左右するだけの金額です。
そもそも退職金は賃金の後払いですから、これは会社が人質とっているのと同じことですね。
いずれにしても、これで会社はは従業員を縛り付けておくことができるということです。
人質を握られている以上、従業員は不本意な異動や転勤も甘受しなくてはいけないのですね。
しかも会社側は従業員を切りたくなったら、退職金の上乗せという技を使うことができます。
もちろん、トータルでは会社側にメリットがあるということで、とても不平等を感じますね。
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労働環境改善の足かせになる退職金
ちなみに、この退職金がなくなれば、転職のハードルはもっと下がると思います
要は、労働市場の流動化が、より加速されるということですね。
この流動化のメリットについては、産業界の活性化ばかりが注目されます。
でも、もっと大切な点があると、個人的にはそう思いますね。
流動化のもう一つのメリット、それは労働環境の改善です。
転職がしやすくなれば、ブラックな会社は淘汰されると思います。
なぜなら、ブラックな会社からは、人がどんどん流出するからですね。
そして、会社はよりよい労働環境を提供するように努力することになるでしょう。
つまりは、労働市場にも競争原理ということですね。
これからは、より働きやすく稼げるところに、人が流れるような仕組みが必要です。
そして、それを加速させる手段の一つに、退職金制度の撤廃があると思うのですね。
でも、なぜか退職金廃止が議論されることはないのですね。
やはり、これは労働者のための制度と思われているからなのでしょうか?
しかし、逆にこれが労働者を苦しめていることは明白だと思うのですけどね。
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退職金を人質に従業員を縛り付けるようなやり方は、今すぐ是正が必要だと思います。
ここが改善されない限り、この国の社畜文化がなくなることはないでしょう。
産業界の発展と労働者の幸せのために、この悪しき制度の撤廃を強く望むところです。