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雑記

騙し絵の牙 – スティングではない痛快活劇

投稿日:2021年4月15日 更新日:

大泉洋さん当て書きと言われる、騙し絵の牙を観てきました。
正直、思っていたよりも、とてもおもしろくて満足でしたね。

ただ、予想とは、ちょっと違った感じの作品でもありました。
それでは、以下に感想を書いてみたいと思います。
なお、ネタバレ要素ありますので、未鑑賞の方はご注意ください。

あまりスティング的ではないです。

大泉洋さん主演の、騙し絵の牙を観てきました。
TVでの宣伝をみていて、鑑賞意欲がわいたという感じです。

ちなみに、こちらは、かなり前から予告されていた作品ですね。
予告では、大泉さんがその持ち前のトーク力で、スティングしまくるような感じです。
現にポスターを見ても、スティング感が満載ですね。

ところが、実際に観てみると、あまりスティング的ではなかったりします。
もちろん、大泉洋さん演じる速水が、次から次へと騙しを展開してはいくのですが。
でも、先が読めちゃう感じで、そこの部分はあまりエキサイティングではないのですね。

それよりも、速水に騙され倒れていく敵役の構成が俊逸でした。
それは、旧態然とした価値観のドミノ倒しという感じで、とても痛快でしたね。

しかし、その辺りを突いたレビューは、なぜか少ないように感じます。
本記事では、そのあたりに焦点をあてて、作品を語ってみたいと思います。

三つの価値観が葬り去られます。

この作品では、結果として三つの価値観が葬り去られます。
それでは、その内容を、時系列で述べてみたいと思います。

権威主義者の宮藤常務

まず最初に葬られるのが、佐野史郎さん演じるところの宮藤常務ですね。
この宮藤常務は、コテコテの権威主義者です。
なにかというと、社の看板文芸誌である小説薫風を笠に着る、鼻持ちならない輩ですね。

宮藤常務が率いる小説薫風は、時代遅れで赤字垂れ流しの文芸誌です。
しかし、社内では聖域化されていて、誰も手出しができません。

宮藤常務は常々、利益追求などに屈することなく、薫風の品性品格を守ると喚いています。
そして、目をかけた若い作家に「芥川賞を獲らせてあげる」などとうそぶくのですね。
その旧態然とした姿は、正に森喜朗さんレベルです。

挙句、失脚した際の逆ギレぶりも見事でしたね。
薄っぺらいプライドの皮が剝がれたときの醜態を、佐野さんはとてもよく演じられてました。
ちなみに、宮藤常務のような人間は、私の最も嫌いなタイプですので。
あのシーンには、捧腹絶倒しましたね。

なお、同じ権威主義者のセンで、國村隼さん演じる二階堂という大御所作家も登場します。
こちらは、途中から商業主義に転向してしまって笑えました。
そしてそこに、時代に迎合せざるを得ない個人事業主の悲哀をみたような気がしましたね。

新自由主義者の東松専務(途中から社長)

それで、宮藤常務の次に葬られるのが、佐藤浩市さん演じる東松専務です。
ちなみに、前述の宮東常務は、東松専務と速水のタッグによって葬られました。
なので、展開としては、東松専務は速水に寝首を搔かれてしまう形になります。

さて、その東松専務は、営業畑出身の現実主義的な経営者です。
宮藤常務とは違い、権威ではなくて合理性、品格よりも効率というタイプですね。
正に、新自由主義の申し子といったキャラクターです。

また、東松さんは売り上げを確認するために、現場の書店に足を運ぶような人です。
このような泥臭い一面を持つ人は、正直嫌いではないですね。

そんな東松専務は、社長就任後に思い切ったリストラ策を断行します。
それは、聖域だった小説薫風も例外ではありません。
なんと、宮藤常務が死守してきた小説薫風は、最終的には休刊になってしまいます。

ところが、そんな東松さんも、5年古いと言われて淘汰されるのですね。
その象徴となるのが、KIBAというハコモノ事業です。

KIBAは、東松さんの箱入りの事業でした。
社の資料館という遊休施設を、商業施設に再開発するという事業です。

確かに、この手は今となっては古臭い発想ですね。
その何が古臭いかというと、これはもう対象がローカルなトコロです。
要は、このグローバリゼーションの時代に、地元の人だけ集めても展開がないのですね。
そして、そんな内弁慶な東松さんの発想に、バブルの残像を感じてしまいました。

ジャパンアズナンバーワンの時代を知り、24時間戦ってきた東松さん。
そして、そんなスタイルもまた、淘汰の対象なのですね。
これには、彼と同世代の人間として、一抹のもの悲しさを感じました。

ITグローバルの申し子な創業家ジュニア

さて、そんな東松専務を葬るのは、中村倫也さん演じる創業家ジュニアです。
米国帰りの彼は、Amazonとの契約を手土産に、東松さんから社長の座を奪還するのですね。
そして、そんなジュニアとタッグを組むのがまた、大泉洋さん演じる速水なのです。

速水と東松専務は一蓮托生と見せかけておいて騙す。
なるほど、確かに騙しに騙しての展開です。

でも、なんとなく読める展開でもあります。
ここまでは、正直普通の映画だなぁという感じでした。

しかし、物語はこれで終わりではありませんでした。
実は、この創業家ジュニアも、最後の最後にうっちゃられてしまいます。

しかも、ジュニアとタッグを組んでいた速水も一緒にうっちゃられてしまうのですね。
この想定外の展開には、見事に一本取られたという感じでした。

結局は、本質を握っている人が最強です。

さて、そんな速水とジュニアをうっちゃるのは、松岡茉優さん演じる新人編集者の高野です。
彼女は、Amazonへの切り札となるハズだったある作家と組んで、出版社を興すのですね。
その結果、速水とジュニアは、はしごを外された格好になるのでした。

リリーフランキーさん演じるその作家は、十年以上所在不明だった都市伝説作家です。
高野は、ひとりの編集者として彼の作品に真摯に向き合い、信用を勝ち得ます。
そして、十数年ぶりの彼の新作を、実家の書店で専売するのですね。

販売エリアを限定することでグローバリゼーションに対抗するというのは、定番の戦略です。
結局、ジュニアのように、他人のふんどしで相撲を取ってはダメなのですね。
逆に、高野のように本質さえ掴んでいれば、何があっても無敵ということです。

高野にとって、権威主義も新自由主義も、そしてグローバリゼーションも怖くはない。
もちろん、速水の騙しも然りです。
なるほど、ちょっとファンタスティックですが、なかなか小気味いい結末だと思いました。

最後は速水も、本質のトコロに戻っていきます。
要は、何事も地に足つけて地道にやっていくしかないということですね。
とても後味の良い終わり方で、大満足です。

ちなみに、編集者の高野を演じる松岡茉優さんは、とても好演ですね。
ぶっちゃけ、主演の大泉さんよりも彼女の方が魅力全開という感じでした。

そして、今ちょっと、彼女にハマりつつあります。
確か、Amazonプライムに主演作品があったと思うので、今度観てみようと思ってます。

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