趣味のシャフト溶接

溶接作業が好きだったりします。
今回も、オートバイの整備用にシャフトの溶接をしてみました。
決して上手ではないのですが、うまく接合できるとうれしいです。

φ9.5mmのシャフトを連結します。

スイングアームを壊してしまった、我が愛機900SS。
現在、交換に向けて着々と準備を進めています。

まず、交換するためには、車体をジャッキアップする必要があります。
基本的には、エンジン下にジャッキをいれてのアップですね。

ただ、直接エンジンにジャッキをかますと、オイルパンが割れそうな感じで怖いです。
オイルパンが割れたら、それこそ万事休すですね。

それで、いろいろと調べてみると、900SSにはリフトアップ用の穴があるようです。
この穴を使うリフターも、市販されているようですね。
ということで、まずはそれ用のシャフトを準備することにしました。

シャフトの径は10mm以下、長さは400mmは欲しいところです。
手元に、3/8のユニファイねじがあるので、これを使ってみることにしました。
直径は9.5mm、一本の長さが220mmぐらいなので、2本を溶接でつなぐ作戦です。

もちろん、ホムセンで鉄の丸棒を買ってくれは、溶接など不要ですけれど。
でも、今回は久しぶりに、溶接をしてみたい気分なのです。

溶接は、決して上手ではないのですが、作業自体が好きなのですね。
初めて溶接したのは大学の工作実習のときで、ちょっと虜になったのでした。
その後、ホーム用の100V溶接機を買ってからは、気が向いた時に楽しんでいます。

ちなみに、熔接機はスズキットのホームアークナビプラスですね。
12年前に、一万円を切る価格で売られてるのをみて、衝動買いしたのでした。
個人的には、家庭用100Vで溶接の醍醐味が味わえる、とても素晴らしい製品だと思います。

まずは、下準備がいろいろあります。

溶接は、これまでもいろいろやってきましたが、2本の丸棒をつなぐのは初めての挑戦です。
まずは、サンダーでボルトの頭を落としました。

そのあと、接合部分がL字型になるように、これまたサンダーで削っていきます。

ほとんど目感ですが、いい感じに削れました。
ちなみに、大学の実習では、溶接個所はV字型にすべしと習った記憶があります。
ということで、今回はそこを狙って加工していきます。

接合部分の加工が終わったら、こんどは万力でまっすぐに固定ですね。
曲がった状態で溶接したらお終いですから、ここは慎重にすすめていきます。


固定ができたら、点付で仮溶接ですね。

なんとか、万力と溶接してしまう事なく、仮留めすることができました。
ここまでできたら、いよいよ本格的に溶接していきます。

まずは、万力を2つ使って、シャフトをきっちり固定します。
この固定の良し悪しが、溶接の成否を決めるカギになりますね。

接合部分も、いい感じでV字型に仕上がっています。

そして、熔接に入る前に、ガスバーナーで接合部分を10~15秒ほどプレヒートします。
パワーの足りないホーム用溶接機であればこその策ですね。

プレヒートが済んだら、いよいよ溶接ですね。
一か所につき溶接棒1本のペースで、思う存分に溶かし込んでいきます。

ジジジジというアークの音、飛び散る火花、そして真っ赤に焼ける鉄の匂い。
この、いかにも機械工場的な雰囲気が、とても好きなのですね。
溶接棒でワークを溶かし込むほどに、日々に疲れた精神も浄化されていきます。

そして、溶接個所が冷えたらハンマーでスラグを取ります。
もはや、気分は街の鍛冶屋さん、とても楽しいひとときですね。

思った以上にうまくできました。

溶接が終わったら、サンダーで仕上げていきます。

上下左右と四か所から、じっくりアークを当てただけあって、よく溶け込んでいますね。
一応、足で踏んで体重をかけても折れないぐらいの強度はあるようです。

家庭用100Vの溶接機では、元のワークと同じ強度を得るのは無理といわれていますけど。
でも、これだったら、なんとかBikeを上げられるような気がします。

リフト用の穴にも、うまく収まって一安心ですね。

何はともあれ、今回はまっすぐに溶接できたのがうれしかったです。
この万力、やっぱり買ってよかったですね。

あとは、ジャッキアップしてどうなるかですけど。
もちろん、ダメだった場合は、素直にホムセンから丸棒を買うだけの話ですね。

作業を終えて洗面台で手を洗っていたら、腕時計が異様に光っているのに気づきました。

蛍光塗料がこれだけ光っているのは、はじめてみました。
やっぱり、アーク溶接の光量って半端ないのだと、再認識しましたね。

そしてその日の夜、Amazonを眺めていたら、自動遮光のお面が格安で販売されていました。
熔接を愛するモノとしては必須のアイテム、折をみて購入しておこうと思っています。