最新日本経済入門第6版を読みました。

ひさしぶりに本を読みました。
読んだのは最新日本経済入門第6版、息子の大学のマクロ経済学講座の教科書です。
これが経済学は門外漢の私にもとてもおもしろく、ひと夏かけて読了しました。
今回はその感想と、そこから思うことをつらつらと書いてみたいと思います。

息子の大学の教科書にハマりました。

ひさしぶりに本を読みました。
読んだのは最新日本経済入門第6版、息子の大学のマクロ経済学講座の教科書です。

GWに息子のアパートに行ったときに、なにげに部屋に転がっていた一冊です。
最初は、いったいどんな勉強をしているのかと軽い気持ちで手に取ってみました。
そうしたところ、これがメチャクチャおもしろくて、すっかりハマってしまったのです。
そして、帰省する息子にお願いして持ってきてもらい、ひと夏かけて読了したのでした。

本書はマクロ経済学の入門書で、高校を卒業したばかりの者にも理解できる内容になっています。
とはいえ、序盤から「三面等価の原則」といった基本原則が理路整然と述べられています。
私は、これまで何となくの理解だったGDPが、これでようやくキチンと分かるようになりました。

また、貿易の項では「比較優位論」が述べられています。
これについては、こんな事も知らずに30年近く企業人をしていた自分がヤバすぎでしたね。
このような経済学の基本原則は大学の教養講座、いや高校の政経で教えて欲しいと思いました。

ちなみにこの本、序章で筆者の立場や考え方(バイアス)が述べられています。
経済学の性質上、これはとても大切なことで、そこからして本書はとても良心的です。
そして、その割には書いてあることが非常にニュートラルで腑に落ちる話ばかりなのが凄いです。
さすが大学の教科書に採用されるだけのことはあると、とても感心しました。

常識と思っていたことが間違っていたりします。

本書にはコラム形式で、一般に信じられている説の矛盾なども紹介されています。
たとえば、軽減税率のパラドックスですね。
生活必需品が対象ゆえにお金持ちが得する制度になることが、数値で明確に示されていました。

また、厚生年金などの企業負担についても、おもしろい考察が載っていました。
結局、企業が何パーセント負担しようが、経済学的には労働者100%負担になるとのことです。
この理屈は、サスペンションのプリロードにも似ているところがあっておもしろかったですね。

財政赤字がヤバいことの、本当の理由も興味深いモノでした。
財政赤字については、海外からの借入ではない限り破綻の心配はないようです。
ただ、あまりに赤字が膨らむと金利が上がって、他への有効な投資ができなくなるのですね。
また、財政の硬直化や、また財政赤字は無限に発散するところも問題とのことでした。

数値でみると、日本の財政赤字はかなりヤバい水準なのですね。
日本の家計資産は1860兆円もあるから大丈夫との話もあり、私もそれを信じていたのですが。
でも、マクロ的に裏を返せば、これらは国債などの負債になっているワケなのですね。
国の破綻はないにしても、このままいけば重大な問題になることは明白のようです。

となると、社会保障のあり方などもよく考えていかなくてはいけない話になります。
本書によれば、この国の格差で一番問題なのは、シングルマザー(ファーザー)とのこと。
ここもすごく合点のいくところで、これは少子化問題にも絡む話だと思います。
いずれにしても、読み進めるほどに目から鱗がボロボロと、100枚ぐらいは落ちた感じでした。

この歳にして、経済学はすごいと思いました

息子と同じころ、機械工学を専攻した私は断面二次モーメントなどと格闘していました。
もし、あの時期にこのような勉強をしてたら、また違った人生になっていたような気もします。
というか、ほとんどの人が企業人になる昨今、これらの知識は必要不可欠だと思いますね。

もちろん、現実の会社経営には、経済理論などはあまり必要なかったりはします。
ぶっちゃけ、断面二次モーメントを知らなくても機械設計ができるのと同じことですね。
会社経営に必要なモノは、一にも二にも「他人を出し抜いて儲ける」という気概でしょう。
そして、それで世の中結果オーライなのが資本主義だと思っています。

ただ、政策設定などの事情を自分なりに理解するには、やはりそれ相応の知識が必要ですね。
企業人、いや一社会人として人生をサバイバルするにあたって、このような経済学の原理原則を知っていることは、絶対に強みになると思います。
そして、やはり学問というのは実践あってのモノダネだと、あらためてそう思いましたね。

現状把握しかできない経済学は古典力学以前の段階だとは、P.ドラッカーの受け売りですが。
そして、それゆえに若いころは学ぶ意味があるのか?とまで思っていた経済学でした。
しかし、今はそんな小生意気なガキだった私も、だからこそ探求する意味があるのだと思います。

この心境の変化も、ひとえに30年近く企業人として経済現場の最前線にいたからのことでしょう。
やはり、生きていくのに必要な知識はどん欲に吸収できるモノなのですね。

また、本書は1990~2019年までの日本社会を俯瞰しつつ、原理原則が述べられる構成です。
ということで、読み進むほどに自身の企業人人生の答え合わせをしているようでもありました。
そこも、本書にハマった大きな理由のひとつですね。

いずれにしても、ひさしぶりに楽しくためになる本に出会えて満足です。
ちなみに、息子もマクロ経済学はおもしろいとのことでした。
彼は、私と違って人間や社会に興味がある人なのでしょう。
そんことをもしみじみと感じる、夏休みの読書でした。