戦争もまた自然災害

戦争について、いまの私の考えをまとめておきます。
結論からいうと、戦争もまた自然災害なのですね。
最近は、戦争を人為的なモノと考えるからおかしなことになるのだと思うようになりました。
異論があることも承知の上で、そのあたりのことを書いてみたいと思います。

二つの視点から、戦争は自然災害だと考えます。

一昨年から、きな臭いニュースを目にする機会が増えました。
もちろん、それはロシアのウクライナ侵攻であり、あるいはガザ地区の惨状ですね。
それ以外にも、世界中の国際社会が注目しないところで、戦争や紛争が起こっています。
なんとも、せつない現実だと思いますね。

戦争や紛争に巻き込まれると、日常生活が壊され人生が破滅します。
しかも、厄介なのは終わりがみえないことですね。
10年以上続く戦争や紛争もザラにありますから、たまったモノではありません。

このような惨劇に胸を痛めている人は多いと思います。
かくいう私も、どのようなスタンスで受け止めるべきか、いろいろと考えてきました。
そして、最近は戦争や紛争も大地震や津波と同じ自然災害と思うようになりましたね。
いや、そう思わなくてはいけないのではないかとも感じています。

その理由は、以下の二つの視点ですね。

  • 不毛な負の連鎖を断ち切るため
  • 戦争の淵源となる人の心もまた、人知の及ばない自然現象のため

それでは、以下に詳しく書いてみたいと思います。

人間のせいにしている限り、負の連鎖はおわらない。

戦争や紛争がなくならない理由のひとつに、負の連鎖がありますね。
要は同害報復、やられたらやりかえすの心理です。

わかりやすいのは、ガザ地区における惨劇ですね。
あの地におけるパレスチナ人の扱いをみれば、ハマスが出現するのも必然だと思います。
片や、イスラエル側にも2000年近くの迫害されつづけた歴史があるワケで、まさに同害報復のドミノ倒しですね。

同じことは、ロシアのウクライナ侵攻にも言えるでしょう。
西側では一方的にプーチンが悪者になっていますが、事情はそれほど単純ではありません。
あの地域は昔から、親ロシア派とアンチロシアの対立が続いているトコロです。
現実にはパレスチナ同様、やられたらやりかえすの連鎖が深く横たわっているのだと思いますね。

いずれにしても、やられたらやりかえすを繰り返していては、争いは収まりません。
これを断ち切るためには、戦争や紛争もまた自然災害だと捉えるしかないと思います。

災いで生活基盤が壊れ人生計画が狂い、親しい人を亡くすのは耐えがたき悲劇です。
しかし、大地震や津波のような自然災害であれば、誰かを恨みつらみすることはないでしょう。
それと同じ心持が、戦争や紛争に対しても必要な気がするのですね。

そして実際、戦争や紛争も一種の自然災害なのです。
それについての私の考えを、次に書いてみたいと思います。

集団心理の大きなうねりはコントロールできない。

戦争や紛争は、一握りの指導者層が独りよがり的に起こすものだと思われがちです。
昨今のウクライナ侵攻も、プーチンが独裁的に引き起こしているように報じられていますね。

しかし、これは錯覚だと思います。
古今東西、どのような戦争でも国民の支持なしに行うことはできません。
実際にロシアを戦争に駆り立てているのは、ロシア国民一人一人の心のつぶやきです。
プーチンは、その象徴にしかすぎないのですね。

同じことは、先の太平洋戦争にも言えると思います。
あのときも、この国を戦争に突き動かしたのは、当時の国民一人一人の心持でした。
鬼畜米英などやっつけてしまえという個々の無責任なつぶやきが、あの悲劇の淵源なのです。

もちろん、平時であれば、このような泡末のつぶやきなどは問題になりません。
ただ、飢饉や不景気などで世の中が不安定になると、これらのつぶやきはうねりとなります。
そして、それらが高く重なり合って津波となり、世の中を飲み込むのでしょう。
これが、戦争や紛争が起きるメカニズムだと思います。

これは、人間が不完全な生き物である以上、仕方のないことかもしれません。
あんな奴ら、やっつけてしまえという個々の感情を完全になくすことは、絶対に不可能です。
また、飢饉や不景気といった社会不安を確実に避ける手法も、まだ確立されていないですね。
であれば、人為的と思われる戦争や紛争もまた、自然災害と同じように思えるのです。

もちろん、戦争や紛争を回避する不断の努力は必要です。
しかし、一度このような流れが発生すると、もうかんたんに止めることはできないのですね。
そう考えると、北朝鮮に対するミサイル配備など、実に危険なことだと思うのです。
「やっつけてしまえ」という大きなうねりは津波と同じで、誰にも止めることはできません。

いずれにしても、人はもっと謙虚になるべきですね。
結局のところ、人の手でできることなど限られているということです。
戦争や紛争は人為的なモノだから何とかできるなどと考えてはいけないのですね。
そのスタンスに立つことが、最終的な世界平和につながるのかなと思います。