オートバイ乗りのスタイルについて

先日の酒田・肘折ツーリングで、自分自身のツーリングスタイルを再確認しました。
やはり、私は食事などはせずに、ただただ走り回るのが好きなようです。
ただし、走らせ方のスタイルはひとそれぞれで、どれが正しいというモノでもありません。
今回は、そんなオートバイ乗りのスタイルについて、徒然と書いてみたいと思います。

自分にとってオートバイとは何なのか。

先日の酒田・肘折ツーリングでは、ひさしぶりに食事や温泉を楽しみました。
それはそれでよかったのですが、しかしあらためて、私は食事やお風呂はなしで、ひたすら走り回るツーリングが好きなことがわかりました。

そのような話をSNSでしたところ、いろいろな反響がありました。
ツーリング先で食事をしないのはイレギュラーという意見もあれば、私のスタイルを肯定する方もいました。ツーリングでの食事やお風呂は邪道だと、すこし攻撃的な書き方の割には炎上がなかったところをみると、意外と私のようなスタイルの人は多いのかもしれません。

そうしたところ、旧知のオートバイ仲間が、若い頃にネットに書き込んだ文章を再掲してくれました。なかなかの名文なので、紹介したいと思います。

僕とバイクの関係は、いつもそっと背中を押してくれる友人のようだ。
男性なのか女性なのかはわからない。
だけどいつも困難な状況に置かれた時に勇気を与えてくれる。
 
走りつづけることは自分と向き合う時間でもある。
 
独りであれこれ考えつづけることに嫌気がさして自己嫌悪に陥っていた。
気がついたらバイクを選び取り再び走り始めていた。
 
最初は持て余した独りの時間を埋めてくれる存在だったかも知れない。
気がつくと走ることに喜び(悦び?歓び?)を見出している自分がいた。
 
バイクは剥き出しの存在そのままで、失いかけていた野生=生きる意思を思い出させてくれる。
そしてちっぽけな自分と他者との関わりを教えてくれる存在でもある。
 
未知の場所へ赴く時に、そして遠く離れた所からの帰り道に、そっと寄り添い支えてくれる。
 
決して甘やかしてはくれないし、気の利いたセリフを言うわけでもない。
いつも何やら色んなノイズとノートを発しながら勝手にやっているだけだ。
 
素っ気無い奴だが頼りになる奴。

Bikeはむき出しの存在そのままで、生きる意思を思い出させてくれるが良いですね。
かつては、私もオートバイに対して、このような気持ちでいたモノでした。

オートバイ乗りを形づくる三要素

ただ、名文ではありますが、同時に若いなぁとも思いましたね。
すこし肩肘張っているところが、この歳になるとかわいいです。

しばらく、オートバイの魅力は操縦にあると思っていた時期がありました。
クルマと比べて、あきらかにオートバイの運転は難しいです。
それゆえに、うまく乗れたときの喜びが、オートバイの最大の魅力だと感じていました。

しかし、そのような考えも、50歳を過ぎたあたりで変わってきましたね。
いまはただただ、風を切って走るのが気持ちよく、それ以上でも以下でもない境地です。
このあたりは、原付二種をたしなむようになって、より強く想うようになったところですね。

このように、年齢や環境によって移ろいゆくオートバイへの想いですが、そんなオートバイ乗りを形づくっているモノは、走りと車両と旅の三要素だと思います。

まずは走り方、飛ばすのが好きなのか、それともマッタリ系なのか。
走りのステージも、一般道からサーキット、あるいはオフロードと様々です。

車両も、スーパーバイク系からハーレーのようなツアラーまで、いろいろです。
いや、ハーレーがツアラーというのは先入観かもしれませんね。
本気でロングをする人は、BMW GSのようなアドベンチャー系を選ぶでしょう。
昨今のハーレーや、あるいはネイキッドは、ファッション系と呼んだ方がいいのかもしれません。

そして、オートバイと言えば旅の要素も外せないですね。
それも、ロング派に野営派に、あるいは近場を日帰りと、スタイルも様々だと思います。
もちろん、サーキットオンリーでツーリングはほとんどしない人もいるかもしれません。
しかし、そのような人にも旅の要素はあるし、その逆も然りだと思います。

そう考えると、私はスタートが自転車での遠乗りですので基本は旅です。
峠やサーキットで、走りを追求するといったことには、あまり興味はありません。
とはいえ、飛ばすような走らせ方が好きですし、車両も速そうなのが好みです。
それゆえに、食事もとらずに走り回るようなスタイルに帰着するのでしょうね。

オートバイ乗りとしての限界

また、私のスタイルには性格的なトコロも大きく影響していると思います。
私は、風に吹かれて気の向くままにというスタイルに憧れはするのですが、実際はなかなかできない性格です。逆に、ある程度目的や目標を定めて、それをクリアすることに喜びを感じるタイプですね。

ですので、ツーリングも目的地や経由地を考えて走りますし、最初に設定したルートをできるだけ忠実にトレースするのが好みです。時間の都合でルートをショートカットするのは、とてもストレスだったりするのですね。また、目的地までどのぐらいの時間で到達できたのかも、とても気になります。そのようなところも、休まず走るあのスタイルの要因のひとつになっているのでしょうね。

ということで、このように考察してみると、たかがオートバイの走らせ方ひとつとっても、その人の個性が見えてきておもしろいですね。そして、一人として同じスタイルのオートバイ乗りは存在しないのだろうと思います。

なお、SNSでやり取りする中で、最近は若いときのようにオートバイを操れなくなったという話を目にしました。しかし、私はまだ、オートバイに限界を感じたことはありません。逆に、この歳になってもオートバイ乗りとして進化しているようにすら思います。

もちろん、視力や反射神経の衰えはありますが、それを経験値がカバーしている感じですね。このあたりも、オートバイのおもしろさのひとつかなと思います。ただ、昨年900SSのハンドルを低くしてからは、思うところがあって筋トレを始めました。いずれにしても、いつまでも楽しくオートバイに乗れるのは幸せなことです。これからも事故には注意して、モーターサイクルライフを謳歌したいですね。