圧縮上死点を出さずにカブのタペットを調整しました。

カブのタペット調整をしました。
今回は訳アリで、圧縮上死点を出さずに調整をしました。
結果は成功で、エンジンがとても静かになって満足です。
900SSのオイルクーラー修理とあわせて、その顛末をご紹介したいと思います。

やっと、調整する決心がつきました。

キャブレターとマフラーを直して絶好調のカブですが、タペット調整をしました。
タペットというのはエンジン内部の部品で、その隙間を定期的に調整する必要があります。
常々、SNSで友人の調整レポを目にするにたびに、いつかやらなくてはと思っていました。
今回、タペットがアイドリングに影響するとBike屋さんから聞いて、ようやく決心したのでした。

まずは、工具を揃えます。
必要なモノは、隙間を測るシクネスゲージと調整ネジを動かすアジャストレンチですね。
アジャストレンチはなくても何とかなりそうですが、友人の勧めで購入しました。

道具が揃ったら、次はリサーチです。
友人のSNSをみると、レッグシールドは付けたままで調整できるようですね。
最初にクランクケースカバーを外して圧縮上死点を出し、それから調整するようです。

クランクケースカバーを外すのは、正直面倒くさいです。
ところが、クランクケースを眺めると、私のカブにはのぞき窓がついていました。

ネットで調べると、セル付きタイプはケースについている大小のキャップを外し、14のレンチでクランクを回しながらのぞき窓で圧縮上死点を確認するようです。ところが、こののぞき窓がカチンコチンに固着していて外せそうにありません。まずはCRCをイヤというほど吹きつけて、しばらく放置します。

ところが、完全に固まっているようで、ピクリとも動きません。
CRCを吹き付けプラハンで叩き、最終的にはバーナーで炙りましたが、まったくダメです。
挙句、あれこれトライしているウチにネジが壊れてきました。

ここで、このキャップに執着してはいけないと、別の方法を考えます。
ここは、素直にクランクケースカバーを取り外すことにしました。
ところが、これもカバー自体がエンジンに固着していて外れません。
カバーのネジもすこしなめていまう有様で、雲行きは怪しくなるばかりです。

圧縮上死点を出さずにタペット調整をしました。

このようなときは、いったん深呼吸して頭を冷やすのが大切ですね。
冷静に考えると、圧縮上死点を出すことの意味は、要はバルブが閉じた状態でタペットを調整するという意味になります。つまり、圧縮上死点に拘らなくても、バルブの動きをみて閉じられてるところで調整すればよいのですね。

という自己判断のもと、のぞき窓で圧縮上死点を確認することは諦めて、おもむろにタペットアジャストホールキャップを外します。ここも固着が心配でしたが、なんとか開封に成功しました。

ここでキックを動かすと、2回に1回の頻度でアームがバルブを押し下げるのが見て取れます。
アームがバルブを押していない状態にしたら、いよいよ調整を始めます。
(この方法は、あとからプロのBike屋さんに聞いて問題がないことを確認しました。)

ところが、今度はシクネスゲージでどこを測るのかがよくわかりません。
測定箇所が奥まっていることにのにプラス、老眼が追い打ちをかける形です。

アジャストレンチでロックナットを緩め、アジャストスクリューを回しているウチに、ようやく測るところがわかりました。ちなみに、排気側はとても見やすく測定位置もすぐにわかります。今回は、あえて難しそうな吸気側から行いましたが、最初は排気側から始めて、要領を得てから吸気側を調節するのがお勧めですね。

また、吸気側はキャブレターが干渉するように思えたのですが、アジャストスクリューの取付角度が寝ていて問題なく調整できたのは嬉しい誤算でした。ただ、アジャストレンチがアジャストスクリューにハマりません。あとから友人に聞いたところ、形状が四角なのでハマりづらいのだそうです。今回はアジャストレンチは使わず、アジャストスクリューを指で回して調整しました。

それで、肝心のタペット調整ですが、吸気側はキツメ、排気側はユルメでした。
双方とも、005のゲージが羊羹を切るぐらいの感触で入るように調整します。
そして、0.07が入らないことを確認して、調整完了です。

調整が終わり、さっそくエンジンを始動してみると、静寂性がアップしました。
アイドリング状態だと、エンジンがかかっているかどうか分からないぐらいに静かです。
タペット調整に挑戦してよかったと、とても満足しました。

900SSも直りました。

タペット調整が成功したことに気をよくして、そのままドゥカティ屋さんまで試運転です。

実はこの前日、破断したオイルクーラーのダンパーが入荷したと連絡があったのでした。

ドゥカティ屋さんでダンパーを受け取ったらとんぼ返り、900SSも無事に直りました。

恐山まで走ったときに減ったと思ったオイル量も、正常に戻っていました。

最近、オイルの消費がすこし多く感じる900SSです。
マフラーも、すこしねっとりしています。

このあたりは、私の髪の毛同様、経年的なモノなのでしょう。
なにはともあれ、2台とも復活してホッと一安心しました。

Bikeが直ったので、次の週末はカブで温泉か、もしくは900SSで喫茶店巡りをしたいです。
ただ、その前に固着しているカブののぞき窓をなんとかしたいですね。
今年の夏休みの宿題は、まだもうすこしかかりそうです。