900SSのスイングアームを交換しました。

GWに壊してしまった900SSのスイングアームを交換しました。
結論からいうと、交換は無事にできました。
最大の懸念事項だったジャッキアップも、問題なくできました。

ただ、全体的には、想定の5倍ぐらい大変でしたね。
それでは、その顛末と感想を、以下に記したいと思います。

いよいよ、スイングアームの交換に挑戦です。

GWにチェーン調整用のボルトをネジ切ってしまった900SS 。
ヤフオクでゲットした代替のスイングアームも無事に仕上がり、いよいよ交換作業です。
まずは、排気管や左側のステップなど、作業に影響がありそうなパーツを外していきます。

そうしたところ、チェーンスライダーが異様に削れていることに気づきました。

念のため、スイングアームの締結部を確認すると、ボルトの頭が削れて工具が入りません。

そういえば昨年、走行中にリアタイヤが動いてチェーンがたるむトラブルがありました。
たぶん、そのときにたるんだチェーンがヒットしたのでしょう。
結局、チェーン調整ができないしわ寄せが、こんなところにということです。

いずれにしても、これはサンダーで叩き切るしかないですね。
最初からため息ひとつですが、気持ちを前向きに切り替えて作業に取り掛かります。

脚立で安全性を担保しながら、ジャッキアップしました。

まず、スイングアームを交換するためには、Bikeをジャッキアップする必要があります。
まったく、メインスタンドがあればこんな苦労はしないのですが仕方ないですね。

そして、今回はBikeを脚立で吊ることで、安全を担保することにしました。
脚立の公式耐荷重は100~150kgですが、安全率を5~8とすると900SSを吊るには十分です。

ちなみに、このアイディアは、ネットを検索していて見つけました。
現に、ネットにはBikeを脚立で吊っている実例がたくさん出てきます。
中には、重そうなリッターバークを吊っている写真もありますし、心強いですね。

ということで、まずはBikeが動かないように、Fブレーキをガッツリかけておきます。

次に、ロープを使ってBikeを脚立に吊るします。
これなら、万が一ジャッキアップが失敗しても、大事故にはならないでしょう。

Bikeが吊れたら、いよいよ運命のジャッキアップですね。
先日、ジャッキアップ用に溶接したシャフトをエンジンに通し、少しづつアップします。

そうしたところ、拍子抜けするぐらい安定してジャッキアップすることができました。
なんと、ジャッキハンドルも不要、ジャッキを指で回すだけでスルスルとアップします。
熔接シャフトも折損、変形することなどなく、十分に役割を果たしてくれました。

メンテナンススタンドが無事に外れたときは、ちょっと感動しましたね。
時間をかけて準備しただけの甲斐があって、うれしかったです。

そして、この状態からジャッキを外しても、問題なくBikeを吊ることができました。
これなら、ジャッキと工具が干渉しても整備を進めることができますね。

このような重整備をするにあたって、脚立は最強のアイテムだと思いました。
ただ、これだとBikeが振り子のように揺れるので、可能な限りジャッキと併用がお勧めです。

スイングアームの脱着が、想定外に大変でした。

ジャッキアップができれば、あとはスイングアームを交換するだけです。
しかし、これが想定外に大変な作業でした。

まずは、前述の通りスイングアームを締結する左側のボルトが潰れています。
また、右側は右側で、スイングアームをかなり持ち上げないと工具が入りません。
結局、外す予定のなかった後部の排気管やリアショックまで外すことになりました。

ようやく工具が入るようになったところで、左側の締結部をサンダーで叩き切ります。

我ながらよくエンジンを傷つけずに切ったモノだと、自分で自分を褒めてあげたいですね。
作業開始から2時間、スイングアームのシャフトが抜けたときは、とても感動しました。

ここまでで、かなり精魂尽き果てた感じでしたが、もうひと頑張りと気を取り直します。
初めて外したリアショックは、この機会にと念入りに磨いておきました。

リアショックが綺麗になったところで、あとはサクサクと組み立てたいところですね。
しかし、いざスイングアームを取り付けようというところで、また難儀することになります。
理由は、スイングアームとエンジンの間に入るこのリングですね。

潤滑用と思われるこのリング、厚いのと薄いのが左右にそれぞれ1枚づつ入っています。
しかし、隙間が狭すぎて、とても2枚同時に入れることができません。

そもそも、サービスマニュアルで確認すると、ここのリングは左右一つづつです。
いったい、この薄いリングは何物なのかと、カーポートの下で小一時間ほど悩みました。

それで、よくこのリングをみてみると、潤滑性は厚いモノも薄いモノも同じような感じです。
であれば、たぶん薄い方のリングは、隙間の調整用に入れているのでしょうね。
最終的には、左側を薄いの2枚に厚いの1枚、右側を厚いの1枚で組み立てました。
正直、釈然としないところもありますが、実際はこれで問題ないでしょう。

これまでで、一番ヘトヘトになりました。

リングの組み込みに苦戦しながら、なんとかスイングアームを取り付けました。
あとは、リアショックとタイヤを取り付ければ、取りあえずガレージに収納できます。
気づけば、辺りはもう薄暗くなっていました。

それにしても、今回の交換作業はグロッキーでしたね。
これまでも、いろいろな整備をしてきましたが、ここまで消耗したのは初めてです。
リアタイヤも何回も脱着したので、翌日は腕が筋肉痛でパンパンになりました。

一昨年、不動のカブを直したときもがんばりましたが、今回はそれを越えましたね。
カブのときと違って、このスイングアーム交換はチャレンジングな要素も多かったです。
それゆえか、今回は達成感よりも疲労感の方が大きかったですね。

もちろん、この疲労感については、寄る年波の影響もあるのかもしれませんが。
でも、それだけとは思いたくないですね。
結局のところ、スイングアームはBikeの骨格部分ということなのでしょう。
やはり、キャブをちょこっと外して洗浄するのとはワケが違うのだと思います。

いずれにしても、このような重整備は、あとしばらくは勘弁といったところですね。
こんな事にならないように、メンテナンスは今まで以上にキチンと行いたいと思ってます。