コールセンターこまったちゃん
在宅で、コールセンターのオペレータをしています。
一日に、約十数人のお客様と、電話でお話をします。
ほとんどは良い方なのですが、中にはこまったちゃんもいたりします。
今回は、そんなこまったちゃんたちのお話です。
いろいろな人が電話をかけてきます。
Microsoft Office のセットアップオペレータをしています。
毎日、いろいろな方からお電話をいただいて対応しています。
男性に女性、大学生から米寿を越えたご高齢の方まで、お客様の幅はとても広いです。
Officeを使う理由も仕事や趣味、あるいは町内会のようなボランティアなど様々ですね。
そして、ほとんどのお客様は、とてもよい方だったりします。
でも、中にはやはり、こまったちゃんももいたりしますね。
それでは、そのようなな人たちを、傾向と対策別にご紹介したいと思います。
始末書リーチの人
なんといっても、一番ホットでハイテンションなのは、この手の方々ですね。
オヤジギャグではありませんが、始末書リーチの分、始末に悪い感じです。
アカウントをよく確認せずに会社のPCを初期化して復旧できなくなったとか。
あるいは、お客様のパスワード設定をしくじってサインインできなくなったとか。
要は、業務で致命的なミスを犯して追い詰められている人たちですね。
企業のシステム担当者や、家電量販店の従業員に多いパターンです。
この手の人たちは、恫喝まがいになんとかしろを連呼してきますね。
できないのはおかしいとか上司を出せとか、絶対に何とかさせるという気迫が全開です。
昔、怒りの裏には恐怖があると、心理学の話で聞いたことがあります。
そう考えると、これら人たちがあれだけ怒り狂うのも理解できますね。
激しく暴れるこれらの人たちは、今まさに自分の進退がかかっている状態です。
要は、深手を負って荒れ狂う獣と同じということですね。
しかし、いくら怒り狂われても、オペレーターにできることは同情だけです。
コールセンターのサポートに、お客様の尻拭いまでは含まれてはいません。
また、これらの人の中には独自のロジックで論破を試みる方もいらっしゃいます。
そのような仕様や運用はおかしいと、延々と持論を語ります。
しかし、それらはすべて無駄な足掻きですね。
なぜなら、オペレーターに仕様や運用を変更できる権限は一切ないのですから。
ということで、このようなときは、さっさと前向きにあきらめましょう。
オペレーターから同情してもらっただけ、ありがたいと感じる気持ちが大切ですね。
そもそも、業務上のミスなら、まずは上司にほうれんそうが常識です。
お客様、相談するところが間違ってますと、心の中で呟きながら対応しています。
なんでも他人のせいの人
一言でいうと、Windowsアップデートのせいにする人たちですね。
そちらが勝手にアップデートしたのだから責任を取れ、という言い分です。
しかし、残念ながら、この言い分は通用しないですね。
アップデートの責任は、自動更新をONにしていたお客様側にあります。
そもそも、OSのアップデートで、Officeがおかしくなることはありません。
おかしくなるのは、お客様のPCや操作が、おかしいからです。
先日も、アップデート途中で電源を切ったらおかしくなったという問い合わせを受けました。
責任を取れといわれましたが、なにか勘違いされているようですね。
もちろん、丁重にお断りしたのは言うまででもありません。
そもそも、PCやアプリは、未来永劫的な動作保証はしていません。
不具合のときは、初期化や再インストールで対応します。
そして、そのためにアカウントやプロダクトキーが提供されています。
なので、アップデートで不具合が出たら、再インストールすればいいだけの話なのです。
そして、よくよくプロダクトキーを確認したら海賊版だったというのもよくある話です。
結局、アップデートで、怪しいアプリが弾かれたというだけのことですね。
しかし、それでも納得できずにごね続ける方もいらっしゃします。
お客様、盗人猛々しいですよと、心の中で呟きながら対応してします。
無駄に細かい人
ひとつひとつの操作や用語を、こと細かに尋ねる人がいます。
もちろん、そのようなご質問に対しては、懇切丁寧に説明します。
でも、これも度が過ぎると大変です。
操作や説明のたびに話が横道にそれてしまい、まったく前に進むことができません。
また、内容が理解できないと、キレてしまう方もいらっしゃいますね。
そして、そのような方は、元よりOSとアプリの違いすら分かっていなかったりします。
しかし、だからといって、それはオペレーターの責任ではないですね。
サポートは、パソコン教室ではありません。
お客様、掛け算ができない人に微積分は無理ですよと、心の中で呟きながら応対しています。
すべて人任せの人
プロダクトキーやアカウントが分からない場合、サポートはお断りになります。
これらがなくては、正直どうすることもできません。
通常は、それはそうですよねということで、終話になることがほとんどです。
しかし、たまにそれでもやってくれというお客様がいらっしゃいます。
Officeが使えなくて困っているといわれても、こちらも困るだけの話ですね。
挙句、遠隔つないでよと、なんの臆面もなく言い放たれたりするのでびっくりです。
このような人は過去から未来まで、すべてが人任せなのでしょうね。
そして、ごり押しと泣き落としで、すべてはなんとかなると思っているのでしょう。
しかし、マイクロソフトのサポートは、そんなに甘くはありません。
ここではそんなごり押しは通用しませんよと、心の中で呟きながら応対しています。
思い込みが激しい人
インストールやライセンス認証について、間違った思い込みをされている方がいます。
そして、それを前提に話をされるので、いつまでも会話がかみ合わなかったりします。
挙句、その思い込みで方針設定までしてくださります。
そして、早く言ったとおりにやってくれと、マウントを取ってきます。
ぶっちゃけ、これと同じことをお医者さんにしたらどうなるか、想像してほしいですね。
たぶん、門前払いになることでしょう。
もちろん、コールセンターは門前払いはしませんけれど。
でも、スムーズな復旧を期待するのなら、まずは専門家の声を素直に聞くべきですね。
お客様、たわ言で時間を無駄にしないでくださいと、心の中で呟きながら応対しています。
要領を得ない人
サポートを人生相談と勘違いされているのか、ご家族や恋人の話を延々とされる方がいます。
思いつくまま一方的にしゃべりまくり、話は発散するばかりです。
年配の女性に多いですが、たまに男性の方にもいらしゃいます。
また、何のために電話しているのか、自分でもよくわかっていない人もいます。
話を聞くと、とにかくPCメーカーから電話するように言われたとの由。
前任のPCメーカー担当者の苦労がしのばれる内容です。
もちろん、このようなお客様でも、当たりをつけて誘導しながら案内していきますけどね。
ただ、ぶっちゃけこれでよく、PCが使えるなと思ってしまいます。
このようなお客様は、そのうちまたトラブルを引き起こすことでしょう。
本当に貴方にはPCが必要なのですか?と、心の中で呟きながら応対しています。
ソフトはタダではないことを、自覚して欲しいです。
以上、コールセンターこまったちゃんを、傾向と対策別に述べてみました。
中には、複合技で挑んでくるお客様もいらっしゃいます。
敵は、なかなかしたたかです。
もちろん、こちらもプロですから、傾向と対策でほぼ100%撃破です。
ただ、無駄に時間がかかってしまうところが、悲しいところですね。
そして、これらこまったちゃんに共通しているのは、アプリは有償という意識の低さです。
ソフトぐらいタダで使わせろという思惑が、彼らの言葉の節々から感じられるのですね。
なので、アカウントやパスワードなどを失念しても、あれだけ平気なのでしょう。
そして平然と、クレームをつけることができるのですね。
でも、こまったちゃんが想像する以上に、アプリ開発にはお金がかかってるのです。
なぜなら、アプリ開発は、まだ機械化できていませんから。
ということで、こまったちゃんには、もっとアプリをリスペクトしてほしいと思います。
そうすれば、お互い不愉快な思いをすることも少なくなることでしょう。
以上、あるセットアップオペレーターの、ささやかなお願いです。