欲望と幸せについて

ファンだったブロガーの記事を読んだり、ネットで新聞記事を読んだり。
あるいは話題の映画を観る中で、欲望と幸せについて思うところがありました。
今回は、そのあたりのことを、つらつらと書いてみたいと思います。

ひさしぶりに、マナブさんのブログを読みました。

ひさしぶりに、マナブさんのブログを読みました。
彼のブログは、このブログを運営するにあたって一番インスパイアされたブログです。
実際、4年ほど前にマナブログについての記事も書いています。

当時は、毎日更新されるマナブログを読むのが楽しみでした。
ところが、数年前に更新が止まってからはご無沙汰していました。
そして、ひさしぶりに読んだところ、以前と雰囲気がすこし変わっていたのでした。

一番の注目は、こちらの記事です。(リニューアルされたブログの記事です)
8年間の無休労働で5億円の収入を得た結果、不幸だったというマナブさんの告白ですね。
常に不安との戦いだったなど、以前のイケイケだったマナブさんとは思えないセリフです。

でも、すこし考えれば、これは当たり前の話ですね。
常に勝ち続けなければならなかったとのこと、これはあまりにキツ過ぎます。
これで幸せになれる人は、松下幸之助さんレベルの偉人もとい、異常人だけでしょう。

マナブさんの場合は、あきらかに稼ぎ過ぎだと思いますね。
もはや、見ている風景自体が違っているようで、ぶっちゃけ、彼のブログを読んでも以前のような共感があまりありません。そして、幸せの落としどころを見失っているようにすら感じます。

ブログで数千から億まで稼ぐなど、同じブロガーとしては羨望しかありません。
しかし、それで幸せではないのですから、あらためて人生は難しいモノだと思いますね。

地位やお金は大切か

そのような中、朝日新聞のサイトで興味深い記事を読みました。
佐々井秀嶺さんという、インドで仏教再興されているお坊さんの話です。
この方は、以前テレビにも取り上げられてご存じの方も多いと思います。

1965年から半世紀以上、日本に戻らずインドで活動されているとのこと。
まずは、その凄すぎる経歴に驚かされますね。
ただ、テレビで観る限り、あまり清貧な印象は受けませんでした。
どちらかというと、やり手の営業部長といった感じです。

このあたりは、先般亡くなられた瀬戸内寂聴さんに通じるものがありますね。
朝日新聞の記事を読んで確信しましたが、やはりこの人は欲の塊だったようです。
そして、寂聴さんと同じく、その反動で仏門に入られたのですね。

記事には、お金持ちになっても幸せではないというマナブさんのような人が出てきます。
そして、実に腑に落ちる言葉が書かれていました。

人間の欲望は本性だ。煩悩はわき起こっては消え、わき起こっては消えを際限なく繰り返すが、すべては一炊の夢。時に生きる原動力になるが、絶対的な価値を感じてしがみつくものではない。家族を養える以上の欲望を抱いてはいけません。

朝日新聞デジタル

昔、父が語る論理に、競争原理が働かない共産社会は衰退するというモノがありました。
私も長らくそれを信じていましたが、でも競争原理の源は人間の欲望ですね。
他人に勝ちたい、出し抜きたい、より多くの収入を得たい、これらはすべて欲望です。
であれば、やはり原動力になることはあっても、絶対的な価値観にはならないですね。

ところが、近年の資本主義マンセーの影響なのか、欲望追及が絶対という人が多すぎです。
前述のマナブさんなども、そのひとりでしょう。
もちろん、競争の中に身を置けば、どうしてもそうなるのはわかりますけれど。
ここは本当に、意識して自戒しないといけないところですね。

人間にとっての幸せとは

そして、最近観た怪物という映画に、心に残るセリフがありました。
それは、校長先生が語るこのセリフです。

誰かにしか手に入らないものは幸せとは言わない。
誰でも手に入るものを幸せ。

映画「怪物」

結局は、ここなのかなと思いますね。
これについては、夫に罪をかぶせた校長先生の独白と解釈する人が多いです。
でも、それだけではもったいない言葉のようにも感じますね。

幸せとは、誰にでも手に入れることができるモノ。
毎日あんしんして暮らせて、おいしいモノを食べて、気の向くままに楽しいことをして。
それで、愛する人と家庭を持てて子育てができたら、人生御の字ですね。

いまのところ、私は十分に幸せな人生を送っています。
具体的には、キムチを仕込んだりコーヒー豆を焙煎したり猪肉でジャーキーを作ったり
それらを家族と楽しみながら週末は庭仕事に精を出し、たまにはオートバイでプチ放浪です。
オートバイも大型の外国車ではなく、いまは90ccの原付で十分ですね。

もちろん、この域にいたるまでには紆余曲折がありました。
収入面でいえば、マナブさんの1/30ほどです。
しかし、最後は誰しもが、ここに帰着するのではないのでしょうか。

冒頭の話に戻ると、マナブさんは結婚されたようですね。
以前の記事にも書いた通り、結婚するとまた、いろいろなことが変わってくるでしょう。
今回の件は、そのあたりのことも影響しているのかもしれません。
マナブさんについては引き続き、ファンのひとりとして見守っていきたいと思っています。